1. 化学物質国際対応ネットワークTOP
  2. >メールマガジン
  3. >メールマガジン 創刊号

メールマガジン

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
        化学物質国際対応ネットワークマガジン 創刊号     
           http://www.chemical-net.info/
              2007/08/21 配信
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

このメールマガジンは、化学物質国際対応ネットワークのウェブサイトから
配信登録をされた方を対象にお送りしています。

創刊号は、以下の内容をお送りいたします。

----------------------------------------------------------------------------
☆ [1]化学物質国際対応ネットワークの発足によせて
     駐日欧州委員会代表部    ピーター ヴァン・デン・フーヴェル
☆ [2]情報交換BBSの機能開始     ネットワーク事務局
☆ [3]海外化学物質管理事情     化学品安全管理研究所 大島輝夫
☆ [4]環境省からのメッセージ   環境省化学物質審査室
☆ [5]あとがき          ネットワーク事務局
----------------------------------------------------------------------------

[1]化学物質国際対応ネットワークの発足によせて
      欧州連合 駐日欧州委員会代表部 通商部部長 一等参事官
                    [ピーター ヴァン・デン・フーヴェル]

 駐日欧州委員会代表部を代表して、化学物質国際対応ネットワークが、日本で
 発足したことをお喜び申し上げます。
 ネットワークを通じて、政府、製造・流通事業者、関連団体を始めとする日本の
 さまざまな関係者が、化学物質管理に関する情報交換を進め、知識基盤を構築
 されるものと理解しています。
 この取組はあらゆる関係者による素晴らしいイニシアチブであり、ネットワークが
 諸外国の手本となることを期待しています。
 我々としては、今後のネットワークの更なる発展を楽しみにするとともに、
 この努力を促進するためのサポートをさせていただくつもりです。


----------------------------------------------------------------------------
[2]化学物質国際対応ネットワーク情報交換BBSの機能開始
                            [ネットワーク事務局]

 7月26日のネットワーク発足後、お待たせしていた化学物質国際対応ネットワーク
 の「情報交換BBS」の機能提供を8月21日に開始しました(以下URL参照ください)。
 http://chemical-net.info/bbs/modules/BBS_toppage/
 これまでネットワーク参加登録をいただいた団体の担当の方には、事務局から、
 既にIDとパスワードをお知らせしていますので、上記URLからすぐにログイン
 可能です。(BBSの使用方法については、ホームページ上でご確認ください。)

 また、参加登録がお済みでない団体の方も、ネットワークの設立趣旨をご確認
 いただき、ご賛同いただける場合には、次のURLから参加申し込みが可能です。
 よろしくお願いします。
 
 ◇ネットワーク設立趣旨:http://chemical-net.info/what_chem.html
 ◇参加登録:http://chemical-net.info/entry.html


----------------------------------------------------------------------------
[3]海外化学物質管理事情(その1) 「現行化審法とTSCA及びREACHとの比較」
                     [化学品安全管理研究所 大島 輝夫]

 今号から、海外化学物質管理事情と題して、海外の化学物質管理の背景や日本との
 基本理念の違い、及び関連法令の正確な理解などについての解説を連載します。
 執筆をお願いする大島氏は、住友化学株式会社、社団法人日本化学物質安全・情報
 センターを経て、現在は化学品安全管理研究所を設立して活躍しておられます。
 初回は、「現行化審法とTSCA及びREACHとの比較」について執筆いただきました。
                            [ネットワーク事務局]

 1 はじめに
 日本では、化学物質審査規制法は、1960年代後半、PCBが社会的問題となり、
 1972年6月衆議院本会議で、PCBのみでなく、これに類する工業薬品による人体に
 対する悪影響を未然に防止するために、法制化などの措置を講ずべきであるとの
 決議がなされた。
 これに基づき1973年9月の国会で化学物質審査規制法(以下「化審法」という。)が
 成立、1974年4月に施行された。
 丁度この頃米国においても1972年に有害物質規制法(TSCA)が議会に提出され、
 1976年に立法化された。
 EUにおいては1979年に第6次修正指令が公布され、第7次修正指令、既存物質の
 リスク評価と管理に関する理事会規則などを経て、長い間の討議の後、REACHが
 昨年12月公布、本年6月1日から順次施行されている。
 REACHは既存と新規物質の管理制度を統一するなど、その考え方は今後の世界の
 化学物質管理制度に大きな影響を及ぼすものである。
 化審法は世界に先がけて新規化学物質の審査制度を導入したが、さらにPOPs
 (残留性有機汚染物質)にいち早く着目し、また特定化学物質の製品輸入と使用の
 規制、少量新規化学物質の確認(特例)制度など、当時としてはすぐれた理念に
 基づくものであった。
 その後2回にわたり大きな改正が行われているが、REACHが施行された現在、
 日・化審法と米・TSCA、欧・REACHとの考え方について比較し、今後の参考としたい。

 2 化審法、TSCA,REACHの基本的理念の比較
(1)目的
 ◇化審法 難分解性の性状を有し、人の健康、動植物に支障をおよぼすおそれの
  ある化学物質による環境汚染防止。すなわち対象を難分解性化学物質に限定。
 ◇TSCA 健康または環境を損なう不当なリスクをもたらす化学物質および
  混合物を規制。また技術革新を不当に妨げず、不必要な経済的障害を生じない
  方法による。対象化学物質を限定せず。
 ◇REACH 物質、調剤(混合物または溶液)、article(特定の形状、表面、
  または、デサインを与えられた物体)中の物質の製造/上市/使用、調剤の上市に
  適用。特にarticle中の物質も対象。

(2)対象化学物質
 ◇化審法 合成化学物質を対象。
 ◇TSCA及びREACH 天然物も含む。

(3)人の健康と環境
 ◇化審法 現行法では同等であるが、平成15年改正以前は、人の健康のみ。
 ◇TSCA及びREACH 人の健康と環境は同等。

(4)労働者の健康 
 ◇化審法 対象とせず。
 ◇TSCA及びREACH 対象に含む。

(5)既存化学物質の試験の義務
 ◇化審法 第1,2,3種監視化学物質のみ有害性の調査の指示が可。
  昭和48年化審法成立時の国会決議により、従来は政府が既存化学物質の
  安全性の点検を行うとされていたが、平成15年改正に際し、官民の連携による
  有害性評価の計画的推進を図ることとされた。
  これを受け、「官民連携既存化学物質安全性情報収集発信プログラム」が、
  平成17年にスタートしている。
 ◇TSCA データの作成は製造・輸入・加工する者の責務。TSCAの第4条は試験の指示。
 ◇EU 「既存物質の評価と管理に関する理事会規則 EEC 793/93」 が
  1993年に施行され従来から既存物質の調査、試験の指示が行われている。
  REACHは前文(19)に登録規定は製造・輸入業者のデータの作成は義務と記載。
  article中の物質も含めている。

(6)ハザードとリスク
 ◇化審法 新規化学物質の審査はハザード評価。第2種特定化学物質はばく露も
  考慮。中間物等の環境の汚染が生じるおそれがないことを確認する措置、
  低生産量新規化学物質の特例審査は定性的にリスクも考慮。
 ◇TSCA 前出のように、健康または環境に対する不当なリスクを対象(第6条)。
 ◇REACH 第1段階はハザード評価、第2段階はリスク評価(第14条3)。

 3 REACHの理念
(1)既存化学物質についても登録、評価、認可、制限。

(2)サプライチェーン全体を通じた情報交換。川下にも義務(廃棄物は除外)。

(3)産業界が既存化学物質も含めリスク評価(ハザード評価は従来から製造・
   輸入業者の責任)。

(4)意図的に環境中に放出される成形品中の化学物質の登録。

(5)高懸念物質として、CMR(発がん性、変異原性、生殖毒性)、PBT、
   vPvB(極めて難分解性、生物蓄積性)のアセスメントを重視。

(6)懸念の非常に高い物質によるリスクが適切に管理され、最終的には
   代替されることを確保。

(7)内分泌かく乱化学物質も検討の対象(第57条f)。

 4 終わりに
 化審法の見直しの時期も近づいているが、TSCA及びREACHなど海外の規制の内容を
 正確に理解し、参考とすることが必要である。なお紙面の関係もあり、
 法令の内容を必ずしも厳密に表現していないことを諒承願いたい。


----------------------------------------------------------------------------
[4]環境省からのメッセージ   [環境省化学物質審査室]
 本年7月26日に発足した本ネットワークも、8月17日時点で103団体の会員登録、
 645件のメルマガ配信申込みを頂きました。国際的な化学物質規制への関心の高さが
 表れているように思います。
 [2]に紹介があるように、本ネットワークの主たる活動の一つであるBBSが
 運用を開始しました。REACHなどの海外規制への対応事例の紹介や疑問点など、
 積極的な投稿を期待します。
 重要な疑問点については、環境省としても、関係機関に問い合わせたり、
 国際会議の機会をとらえて議論したりしていきたいと考えています。
 REACHについては、6月に発足した欧州化学物質庁(ECHA)のウェブサイト
 (http://ec.europa.eu/echa/)が充実してきています。ECHA発足のプレスリリース
 や産業界向けのFAQなどが掲載されていますし、登録に関するガイダンス文書等も
 ダウンロードできます。
 今後、予備登録、データ共有、成型品中の化学物質など、重要なガイダンス文書が
 アップされていくようです。
 中国及び韓国の化学物質規制については、本年3月に開催した日中韓事務レベル
 会合の結果を踏まえ、日中韓の情報交換ウェブサイト(英文)を開設しました。
 (http://www.env.go.jp/en/chemi/temm.html)
 リンクの充実や更なる情報交換について、三カ国で話し合っていきます。
 今後、ネットワークの活動として、REACHにおける登録やリスク評価に関する
 セミナーと、日中韓の化学物質管理に関するワークショップを、本年秋に開催
 すべく、現在準備中です。
 こうした行事予定については、ウェブサイトやメールマガジンで情報提供したいと
 思います。



----------------------------------------------------------------------------
[5]あとがき   [ネットワーク事務局]
 
 創刊準備号での環境省化学物質審査室戸田室長からのご挨拶に続き、
 本創刊号では駐日欧州委員会代表部のピーター ヴァン・デン・フーヴェルさん
 から祝辞を頂きました。
 記念すべき創刊号にふさわしい方に登場いただけたのではないかと思っています。
 同氏の挨拶にもあるように、我々事務局も、このネットワークを通じて、
 化学物質に関連する様々な関係者の情報交換が進むことを願っています。
 
 また、今号より化学品安全管理研究所の大島所長から、国際的な見地に立った
 化学物質管理のあり方に関するお話を 約半年間にわたるシリーズで
 いただくことになりました。
 日本と海外の化学物質管理規則を横に並べて比較されると勉強が足らないなと
 自戒すると共に今後の化学物質管理の課題が炙り出されているような気がします。

 今後は、創刊準備号でご案内したとおり、しばらくは毎号新しい企画を
 取り入れて行きたいと考えていますので、どうぞよろしくお願いします。

----------------------------------------------------------------------------
化学物質国際対応ネットワークマガジンをご利用いただきまして、
ありがとうございます。

■本マガジンは、平成19年度環境省請負業務により開始され、
  社団法人海外環境協力センターが運営しております。
  社団法人海外環境協力センター  http://www.oecc.or.jp/
  環境省総合環境政策局環境保健部 http://www.env.go.jp/chemi/index.html

■原則として、毎月1回の配信を予定しています。
 メールの配信については、回線上の問題(メールの遅延、消失)等により
 届かなかった場合の再送は行いませんので、予めご承諾の上、ご利用ください。
 なお、バックナンバーについては、後日ネットワークのホームページに掲載
 する予定です。

■本マガジンの配信停止・配信先e-mailアドレスの変更及び
 ご意見・ご感想・ご要望等は、以下のホームページよりご連絡下さい。
(このサイトに関するお問合せ http://www.chemical-net.info/contact.html)
──────────────────────────────────────
発行元:社団法人海外環境協力センター
──────────────────────────────────────

ページの先頭に戻る↑