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        化学物質国際対応ネットワークマガジン 第5号    
           http://www.chemical-net.info/
               2008/01/17 配信
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このメールマガジンは、化学物質国際対応ネットワークのウェブサイトから
配信登録をされた方を対象にお送りしています。

第5号は、以下の内容をお送りいたします。

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☆ [1]年頭所感                厚生労働省化学物質安全対策室
                          経済産業省化学物質管理課
                            環境省化学物質審査室
☆ [2]海外化学物質管理事情             化学品安全管理研究所 大島輝夫
☆ [3]あとがき                     ネットワーク事務局
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[1]年頭所感
                                              [厚生労働省化学物質安全対策室]
                         [経済産業省化学物質管理課]
                              [環境省化学物質審査室]

 あけましておめでとうございます。読者の皆様には、化学物質管理行政に多大なご
 理解とご協力を賜り、心から御礼申し上げます。
 欧州REACHは昨年6月に発効し、本年6月から予備登録が開始されます。こうし
 た諸外国の化学物質規制動向に対応し、会員企業・団体の皆様におかれては、対応
 に遺漏なきようご努力されているものと推察します。このような中、「化学物質国
 際対応ネットワーク」などの場において情報発信・共有が進むことは誠に意義深い
 ものと考えます。国においても、皆様のご協力もいただき、諸外国の動向に関する
 情報収集・提供を行っていきたいと考えております。
 また、我が国の化学物質審査規制法(化審法)も、改正法施行後5年に当たる平成
 21年に法定見直しを迎えることとなっています。年明け早々から、厚生労働省、
 経済産業省、環境省の審議会による合同会合において、化学物質審査規制法の見直
 しに向けた審議が開始される見込みです。見直しに当たっては、化学物質をめぐる
 国際的な取組・枠組みとの調和を図りつつ、諸外国の化学物質規制に係る動向も踏
 まえながら、我が国の今後の化学物質環境対策の在り方についての検討を進めてま
 いりたいと考えております。
 本ネットワークのますますの発展を祈念するとともに、化学物質管理行政の一層の
 推進に、本年もご支援・ご協力を賜りますようお願い申し上げ、新年のご挨拶とさ
 せていただきます。


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[2]海外化学物質管理事情(その4) 「韓国などの GHS 対応」
                     [化学品安全管理研究所 大島 輝夫] 
 
 「化学品の分類および表示に関する世界調和システム(GHS:Globally Harmonized
 System of Classification and Labelling of Chemicals) 」は、国際的に取り決
 められた、化学品の分類、表示および安全データ・シートに関する統一的世界調和
 システムである。1992年に、ブラジルのリオ・デ・ジャネイロで開催された、国連
 環境開発会議( UNCED )において採択されたアジェンダ 21の第19章、第27項にこ
 の推進が目標として掲げられている。これに基づいて国際機関等の協議が行われ、
 2003年に、「パープルブック」と呼ばれる、GHS 文書の第1版が発行され、2003年
 7月に国連経済社会理事会(ECOSOC)において、国連勧告として採択された。
 さらに、2002年に南アフリカのヨハネスブルグで開催されたヨハネスブルグ・
 サミット(持続可能な開発に関する世界首脳会議:WSSD)において、GHS を2008年
 までに完全に機能させるように、各国に対し、このシステムを可能な限り実施する
 ことを促すことを取り決めている。これに対して、我が国をはじめ、海外各国も
 対応を進めているが、最近この実施を法令で定めた韓国の状況を紹介する。
 なお、「パープルブック」は、改訂初版が2005年に発行されている。
 (下記URLを参照)。
 http://www.env.go.jp/chemi/ghs/kariyaku.html

 1 韓国の GHS への対応
 韓国では、 GHS に関係する環境部、労働部、国家危機管理庁など七省庁からなる
 委員会と専門家のタスクフォースを2004年に設置し、パープルブックの韓国語
 への翻訳などを行った。また、準備段階においては、韓国の労働部が産業安全保健
 法(ISHL)の施行規則・基準により、環境部は有害化学物質管理法(TCCL)の施行
 規則により、各々別個に、GHSの導入が規定された結果、絵表示と危険有害性に
 分類する情報基準はGHSと同等となったが、ISHL、TCCL の分類区分はGHSと異なり
 一部削除されている点があり、また相互にも異なっている点がある。

 2 産業安全保健法(ISHL: Industrial Safety and Health Law)
 従来から、危険有害化学物質の分類、表示、MSDS(物質安全保健資料)については
 法令で定められている。この法令の表示、MSDS の対象として定められている製造
 禁止、許可対象、管理対象物質の他に、物理的危険性、健康・環境に対する有害性
 の分類情報基準値が定められ、この基準値の情報があれば、表示、MSDSの提供が
 義務とされている。例えば、従来の基準値は、「引火性物質」は「 引火点が21℃
 以上、55℃以下である液体物質 」と定められ、「有害物質」の基準値は、経口投与
 の急性障害に対しては、「200<LD50≦2000mg/kg(rat)」であった。今回これらの
 基準値が、GHS の基準値に改正された。この点、日本の MSDS 制度(第一種指定化
 学物質、第二種指定化学物質及びそれらを含有する製品(指定化学物質等)を他の
 事業者に譲渡・提供する際、その性状及び取扱いに関する情報(MSDS: Material 
 Safety Data Sheet)の提供を義務付ける制度)のように、義務としている物質を
 リストのみで定めているのとは異なっている。海外の化学物質に関する表示及び
 MSDS 制度は危険有害性の分類情報基準のみ、あるいは分類情報基準とリストの併
 用が普通である。したがって、分類情報基準が法令上重要ということになる。

 2-1 産業安全保健法の GHS 導入の規制
 (ただし GHS とは異なる分類区分の基準がある。)
 (1)産業安全保健法の改正 2006年3月24日
    物質安全保健資料(MSDS)作成時における以下の規定がなされた。
    ・営業秘密、および知る権利の整備根拠の新設
     営業秘密情報の提供要求根拠の新設。
     勤労者に重大な健康障害が発生した場合に診療医師、産業保健医、
     保健管理者、勤労者代表に対して、営業秘密を開示する。
 (2)産業安全保健法施行規則の改正 
    労働部令 第259号 2006年9月25日告示の改正内容は以下のとおり。
    ・物質安全保健資料作成時の営業秘密と知る権利の整備
     営業秘密は化学物質の名称・成分および含有量に限る。
     営業秘密であることを明示。
     なお、製造などの禁止物質、許可対象物質などに関し営業秘密は不認可。
    ・営業秘密情報の提供の条件
    ・化学物質の分類
     物理的危険性(16種類)。
     (GHS と同じ16種類である。)
     健康および環境有害性(11種類)。
     (GHS と同じであるが、パープルブック改訂初版で新たに追加された吸引
     性呼吸器有害性は、現在、まだ追加されていない。)
    ・警告表示の構成要素。
     名称、標章、危険喚起語、危険有害性情報、予防措置情報、供給者情報。
 (3)労働部告示 第2006−36号 2006 年12 月12日告示
    化学物質の分類・表示および物質安全保健資料(MSDS)に関する基準が規定
    された。
  1)警告表示の構成要素別内容
    日本の場合は、MSDS作成を義務化している化学物質把握管理促進法、労働
    安全衛生法、毒物劇物取締法およびMSDSに関するJIS規格においてGHSの分類
    区分に沿って対応しているのに対して、韓国の産業安全保健法は、GHSの
    分類基準値は採用しているが、分類区分の全部をそのまま採用せず、例えば
    発がん性区分の【2】は削除しているように、一部の区分を採用していない。
    このようにGHSの分類区分とは異なる点が見受けられる。
    ・物理的危険性による分類
     引火性ガスの【2】、液体の【4】は削除
     自己反応性物質と有機過酸化物の【G】も削除
    ・健康・環境有害性による分類
     急性毒性の分類区分は、GHSの【1】から【4】のみで、【5】は削除。
     皮膚腐食性/刺激性の【1A】・【1B】・【1C】は、まとめて【1】とし、
     【3】は対象としない。
     重篤な目の損傷又は刺激性物質の【2A】・【2B】はまとめて【2】とする。
     発がん性は、労使間の関係を考慮して、GHSの分類区分の【2】は適用と
     せず、【1A】・【1B】は、まとめて【1】としている。
     生殖細胞変異原性物質、生殖毒性物質は【1A】・【1B】 はまとめて【1】
     とする。授乳に対するまたは授乳を介した生殖毒性は削除されている。
    ・水生環境有害性の急性の【2】と【3】、慢性の【3】と【4】は削除
    ・4種類以上の分類に該当するときは、4種類のみ表示可能。
    ・有害化学物質管理法による有毒物の表示などがなされている時は、産業安
     全保健法の表示をしたものとみなされる。
  2)物質安全保健資料
    項目および順序は、GHSと同じ。
    ・混合物の構成成分の含有量の記載
     ±5%以内で含有量範囲表示(下限値〜上限値)。
     含有量が5%未満である場合、その下限値を1%以上として表示。
     (発がん性物質は、0.1%)

 2-2 分類情報のデータベースの構築
  2007年、910種類の分類を行う。
  2008年から5年間、毎年1250種類の分類を行う予定。

 2-3 経過措置
  従前の基準の適用は、2008年6月30日まで。

 3 有害化学物質管理法(TCCL:Toxic Chemicals Control Law)
 環境部の所管する有害化学物質管理法は、556の化学物質を、「有害化学物質」
 として指定していて、これらの表示を義務付けている。
 このたび、表示の内容が、GHSに準じて改正された。有害化学物質保健法は表示
 のみで、MSDSは要求していない。

 3-1 「有害化学物質管理法施行規則改正令」 2007年11月16日公布
 容器・包装に「有毒物」の名称、絵表示、注意喚起語、有害・危険語句、
 予防措置語句、供給者情報など、6種類の情報を示すようにする。
 ただし、容器の形態に従い、表示方法が定められている。

 3-2 分類
 現在検討中であるが、11月7日に東京で開催された、日中韓の化学物質管理政策に
 関する国際ワークショップ(主催:環境省/財団法人地球環境戦略研究機関(IGES))
 における、韓国の専門家の報告によれば、GHS導入にともなう新規法制度整備は行
 なわず既存の法制度を改定する形で対応するということであったが、以下のGHS
 区分のものについては適用範囲外という説明であった。
 有害化学物質管理法の分類区分の内、以下のGHS の区分は除く。
 急性毒性:【5】
 皮膚腐食性/刺激性:【3】
 なお、【1A】【1B】【1C】は、【1】にまとめて分類する。
 眼刺激性:【2B】
 特定臓器毒性:(単回):【3】
 水生環境急性毒性:【2】、【3】
 発がん性、生殖細胞変異原性、生殖毒性:【1A】【1B】は、【1】にまとめて分類する。
 産業保健法と異なり、分類が5種類の場合でも、5個の絵表示が必要。

 3-3 施行 2008年7月1日
 従来の表示の使用可能: 単一物質 2011年6月まで。
 混合物  2013年6月まで。
 但し、施行以後に指定された単一の有毒物には、直ちに適用する。

 3-4 個別有毒物の分類と表示
 2005年12月以来、3年間で$600,000の予算で、有害化学物質管理法の有毒物の
 分類と表示の作業中であるが、日本の三省の分類、及び韓国の労働部の分類と比較
 すると、特に経口急性毒性で大きな差異がある。この「有毒物」の分類結果は、規
 制となる。

 4 その他のアジア諸国の動向
 4-1 中国
 中国の国家規格 GBは、分類、表示、説明書について、例えば引火性、急性毒性な
 ど、26の項目毎に、2006年10月に公示され、2008年1月1日に施行される。
 例えば、急性毒性は、GB 20592-2006である。
 なお、中国の国家規格のうち、GB は強制国家標準(規制)である。

 4-2 台湾
 台湾行政院労工委員会令 労安3字第0960145703号
 GHSに対応した表示、MSDS に関する規則として、「 危険物と有害物表示および
 通識規則 」が、2007年10月19日に公布され、12月19日付けで施行は2008年
 12月31日からとすることが公示された。なお、分類は、別に、国家規格 CNS15030
 として公布されている。


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[3]あとがき                     [ネットワーク事務局]


 皆様、明けましておめでとうございます。
 昨年中は、当ネットワークの活動にご理解とご協力を賜り、事務局スタッフ一同
 心より御礼申し上げます。
 2008年は、当ネットワーク幹事の3省よりいただいた年頭所感にも触れられている
 ように、REACHの予備登録が開始されると同時に、日本の化学物質審査規制法の
 見直し審議が行なわれる重要な時期を迎えております。このような状況の中で化学
 物質国際対応ネットワークとしての使命を認識し、サプライチェンにおける情報
 発信とコミュニケーションの促進に向けた努力を一層充実して、ネットワーク
 事務局に相応しい活動を行っていきたいと考えております。

 皆様の倍旧のご協力をお願い申し上げます。


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ありがとうございます。

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