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        化学物質国際対応ネットワークマガジン 第7号    
           http://www.chemical-net.info/
               2008/05/01 配信
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このメールマガジンは、化学物質国際対応ネットワークのウェブサイトから
配信登録をされた方を対象にお送りしています。

第7号は、以下の内容をお送りいたします。

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☆ [1]REACHワークショップ(化学物質の予備登録及び登録へ向けた最終カウント
    ダウン)について         化学物質国際対応ネットワーク事務局
☆ [2]あとがき             化学物質国際対応ネットワーク事務局
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[1]REACHワークショップ(化学物質の予備登録及び登録へ向けた最終カウント
   ダウン)について          [化学物質国際対応ネットワーク事務局]

 2008年4月14日に欧州委員会(EC)及び欧州化学物質庁(ECHA)の共催で標記
ワークショップが開催されました。このワークショップの議題及び詳細内容は、
インターネット上で公開されています。化学物質国際対応ネットワーク事務局では、
ウェブストリーミングを通して、ワークショップの模様を視聴しましたので、以下に
その概略を報告します。なお、ここに示す内容(運用ルールの変更等)については、
事務局が責任を負うものではありませんので、予めご承知おき願います。

【議題】
(http://ec.europa.eu/enterprise/reach/reach_workshop_reg/prel_agenda4.pdf)
【詳細内容】
(http://ec.europa.eu/enterprise/reach/events_en.htm)


1 冒頭挨拶(Heinz Zourek氏、欧州委員会/企業・工業局長)
2008年6月1日からはじまるREACH規則に基づく予備登録を控え、その準備を促進す
るというワークショップの目的が説明され、併せて専門家の実務的な知見や有益な
関連情報を共有することも目的としていることが紹介された。さらに、ガイダンス
等の文書や予備登録準備過程における課題等について、対話を通して、REACH規則に
携わる関係者のネットワークを強化したいことが述べられた。


2 産業界の優先課題(D. Grant Lawrence氏、欧州委員会環境局長)
REACH規則対応に関する関係者間の情報共有が不足しており、特に中小企業を中心と
する関係者の対応が遅れていることが指摘された。また、REACH導入の意義及びその
内容について説明がなされ、予備登録に向けた流れと、何から手をつけ、何をしな
ければいけないかといった具体的な課題が体系的に説明された。さらに、ガイダンス
文書入手に関するコンタクトポイント(http://echa.europe.eu)や加盟国のヘルプ
デスク機能が紹介された。最後に、予備登録への参加、産業界のパートナーとの
コミュニケーション促進、化学物質情報交換フォーラム(SIEF)への参加が推奨され
た。
http://ec.europa.eu/enterprise/reach/reach_workshop_reg/02_d_grant_lawrence2.pdf


3 REACH規則ガイダンス概論(Joachim Kreysa氏、ECHA担当部長)
REACH規則に関するガイダンスは、すべての関係者にとって有益かつ安全サイドに
立てるようになっており、適用可能であるべきということが説明された。また、ガイ
ダンスは法律ではないため、各々の関係者(企業、規制当局等)は、REACH規則の
範囲内において、ガイダンスから逸脱することも可能であるが、ガイダンスは主要な
関係者が合意したものであることから、ガイダンスに沿った対応がより安全な対応に
つながるとの説明があった。さらに、ガイダンスを含む今後の関連文書やREACH-IT
ツールなどの公表スケジュールが紹介され、予備登録に向け「REACHに対応できない
(un-REACH-able)」ことへの対応と計画どおりの対応が規制当局にとっての
チャレンジであることが示された。最後に、REACHガイダンスに対するコメントを
受け付け、必要に応じて更新または修正することが示された。
http://ec.europa.eu/enterprise/reach/reach_workshop_reg/03_joachim_kreysa2.pdf


4 予備登録を含む登録(基本編)(Otto Linher氏、欧州委員会企業・工業局)
REACH規則に基づく登録作業が説明され、登録に関わる法的な企業体の解釈や第三の
代理人の指名について解説がなされた。また、これまでの解釈とは異なり、非EU製造
業者が指名する唯一の代理人(OR)が提出する登録文書については、物質毎に全ての
当該非EU製造業者を取りまとめた形ではなく、その非EU製造業者ごとに登録文書を
提出できるように変更になった(つまり、登録時の輸入量の区分は、当該製造業者
ごとの数量が適用される)ことが示され、この変更に関する注意喚起がなされた。
さらに、予備登録をしない場合には、2008年6月1日以降は本登録が完了するまでは
操業あるいは上市や使用ができないということも紹介され、併せて予備登録なしに
違法に製造を続け、あるいは市場での取り扱いまたは使用を継続した場合には、
製造業者自身あるいは顧客をリスクにさらすことになることが示された。中小企業に
関しては、登録料などの面で優遇措置が取られることが説明され、大企業と同規模な
対応が困難なためREACHシステムに習熟する事から開始すべきであることが示された。
最後に、REACH規則の対応には、インターネット上に公表されているガイダンス
(http://echa.euroa.eu)やFAQの内容を確認して対応を進めることが推奨された。
http://ec.europa.eu/enterprise/reach/reach_workshop_reg/04_otto_linher2.pdf


5 予備登録(実践編)(Helena Huttunen氏、ECHA)
REACH規則に基づく予備登録作業について、段階的な流れに基づき、実際に使用する
ITツールを例示しながら具体的に説明がなされた。また、予備登録手段として以下の
3つの方法が紹介され、IUCLID-5の予備登録プラグインの公表については、近日中に
リリースすることが公表された。最後に、予備登録物質のリストは2009年1月1日に
公表されることが示され、データホルダーはその時点からpre-SIEFの参加者に
コンタクトが開始可能であることが示された。
1)XMLファイルのアップロード
2)IUCLID-5のプラグイン
3)REACH-ITのオンライン
http://ec.europa.eu/enterprise/reach/reach_workshop_reg/05_helena_huttunen2.pdf


6 予備登録に関する普及啓発活動(Petteri Makela氏、ECHA)
予備登録に関する認識は、依然として低いレベルに留まっていることが示され、
ECHAとして4月、6月、10月の三段階に分けて加盟国及び企業の普及啓発活動を実施
して行くことが示された。REACH規則の下で化学物質関連のビジネス展開を行なう
ためには、予備登録が必要で、それは簡単な手続きであることが紹介された。
また、5月7日にREACH-ITに関するワークショップをヘルシンキで開催し、2008年10月
にECHAの利害関係者イベントを同じくヘルシンキで開催することが紹介された。
さらに、REACH−ITのガイダンスとトレーニング資料は、2008年6月1日に公表され、
予備登録ページを介してアクセスが可能になることが示された。
http://ec.europa.eu/enterprise/reach/reach_workshop_reg/06_petteri_makela2.pdf


7 化学物質に関する届出と認可(Helene Findenegg氏、ヘルプデスク/ドイツ)
ドイツのREACHヘルプデスクの機能と活動が詳細に紹介された。その内容は、コミュ
ニケーション活動で、e-mailや電話による質問事項への回答、専門家会合やコンサル
テーションの実施、ワークショップ開催、産業界や企業の代表者へのアプローチ/
会話などであった。続けて、ホームページ(http://www.reach-helpdesk.de/)の
内容が紹介され、併せて中小企業(SME)への対応とその効果的なアプローチ手法が
提示された。最後に、今後の予定として、国内を17のブロックに区切った対応の推進
と実施促進措置の紹介がなされた。
http://ec.europa.eu/enterprise/reach/reach_workshop_reg/07_helene_findenegg2.pdf


8 産業界の予備登録準備(Watze de Wolf氏、DuPONT)
産業界のREACH対応として、DuPONTの経験を基に、取り扱い化学物質の分類、物質の
同定、IUCLID-5入力、SIEF参画計画、サプライチェーンにおけるコミュニケーション
といった流れで、予備登録に向けての準備作業に関する説明がなされた。その説明の
中で、立ち止まって考えているだけではなく、行動することが重要であることが示さ
れ、ビジネス単位での対応や登録に関する対応戦術についてのパートナーとの協議に
関する重要性が示された。さらに、所属するサプライチェーンにおける川上側及び
川下側の両面におけるコミュニケーションを促進することにより、パニック的な予備
登録を避けることが可能になることも併せて提示された。また、産業界で実施されて
いるさまざまなREACH普及啓発プログラムの活用やREACHの正しい認識(Beyond being
regulatory compliance issue, REACH is a business issue)をしておくことが推奨
された。
http://ec.europa.eu/enterprise/reach/reach_workshop_reg/08_watze_de_wolf2.pdf


9 予備登録から共同提出まで(Hendrik Abma氏、FECC)
REACH規則下での化学物質の流通業者の役割が説明され、併せて予備登録からpre-
SIEF及びSIEFへ移行するそれぞれの段階での登録者の役割、権利ならびに対応が説明
された。また、SIEFが組織された時の初期段階における検討事項が紹介された。
さらに、コストシェアリングに関するガイドラインの説明では、SMEへの優遇措置と
ともに、ガイドラインの内容を承知しておくことが重要であることが示された。最後
に、REACH規則が基本としている共同提出の利点が、その他の登録方法と比較紹介さ
れた。
http://ec.europa.eu/enterprise/reach/reach_workshop_reg/09_hendrik_abma.pdf


10 SIEF IT ツールの開発(Jack Wille氏、欧州化学工業協議会)
REACH規則への対応は、産業界の責務であるため、動物試験データの共有と共同提出
を念頭において、業界全体で使えるようなSEIF-ITシステムの開発を行なったことが
紹介された(このシステムの開発には、ECHAは参画していない。)。2007年7月31日
から作業開始され、2008年6月1日からの運用を目指していることが提示され、併せて
標準的な料金体系が示された。詳細は、www.cefic.orgまたはwww.concawe.beに今月
末までにアップロードされることが示された。
http://ec.europa.eu/enterprise/reach/reach_workshop_reg/10_jack_wille2.pdf


11 川下ユーザーは今何をすべきか(Genevieve Hilgers氏及びSylvie Lemoine氏、
  AISE)
REACH規則に基づき、川下ユーザー(DU)は、適切な対応をすべきであることが示さ
れ、場合によっては、DUは製造者や輸入者と同様な対応をしなければならないことが
示された。どのような対応を取るべきか、化学物質の原料メーカーの登録に関する
意向を確認することが重要であることが示され、併せて予備登録に関する遅延オプ
ションの選択も検討しておくべきであることが提示された。また、潜在的な製造者
または輸入者であるならば、予備登録を行ない、SIEFに参加してその権利を有効に
行使すべきであることも示された。さらに、サプライチェーンの中で、その化学物質
の使途が登録されているか確認することが重要であること、また、データホルダー
としてSIEFに参加することも検討すべきであることが示された。併せて、川上及び
川下に向けたコミュニケーションの確保は重要であり、それにより安全性データ
シート(SDS)、リスク管理措置(RMM)、ばく露シナリオ(ES)などの情報を的確に
ハンドリングすべきであることが示された。最後に、予備登録を含む登録作業におけ
る原料供給側の信頼性と特定された製品用途の範囲などがDUの対応にとって鍵を握っ
ていることが今後の対応課題とともに提示された。
http://ec.europa.eu/enterprise/reach/reach_workshop_reg/11_hilgers_lemoine.pdf


12 実際の登録及び届出(Christel Musset氏、ECHA)
登録の目的、何を登録するのか及び誰が登録するのかについて、登録手法や関連文書
の要件とともに説明された。また、登録後のECHAにおける手続きの流れや登録内容に
変更が生じた場合の対応が示された。さらに、化学物質の届出作業について説明が
なされ、併せて、現行指令(67/548/EEC)に基づくプロセス指向研究開発(PORD)用
物質の通告の製品や工程を見極めるための研究開発(PPORD)用物質への届出移行処理
を、REACH−ITオンラインを用いて2008年の6月2日までには完了しておくべきことが
必要であることが示された。
http://ec.europa.eu/enterprise/reach/reach_workshop_reg/12_christel_musset3.pdf


13 化学物質安全性評価/報告書(Frans Christensen氏、欧州委員会/
  共同研究センター)
化学物質安全性評価(CSA)プロセス及び化学物質安全性報告書(CSR)の内容が説明
された。また、ばく露シナリオについて、盛り込まれる内容と情報伝達ツールにおけ
る取り扱いが示され、併せてDUの視点からみたリスク管理に関する対応が示された。
さらに、情報要件とCSAに関するガイダンスを2008年6月1日までにECHAのウェブサイ
トで公表することが紹介された。併せて、ES/CSA/CSRに関するITツールを2009年まで
に準備することも示された(CSA-CSRツールは2008年夏にIUCLIDのプラグインとして
公開予定。)。
http://ec.europa.eu/enterprise/reach/reach_workshop_reg/13_frans_christensen.pdf


14 登録に向けた産業界の準備(Jan Wilmer氏、 Dow Europe)
Dowにおける複数のREACHパイロットプロジェクト(準備(4物質)、RIP3.2試験プロ
ジェクト、CSA/CSRアプローチなど)が紹介され、多くの段階を経てREACH規則に基づ
く一式文書を準備したことが示された。また、事業におけるREACH対応を4つのパート
に分けて実施していることが紹介された。最後に、このような経験を通した教訓とし
て、REACHは素人向けには設計されていないこと、よい組織やそれを機能させる多く
の専門家が必要なこと、緊急事態対応ではなくガイダンスやツールを活用した地道な
対応が必要なことなどが提示され、ある意味、締め切り時間との戦いであることも示
された。
http://ec.europa.eu/enterprise/reach/reach_workshop_reg/14_jan_wilmer2.pdf


15 ECHAからの閉会のことば(Geert Dancet氏、ECHA長官)
(以下の内容で、閉会の挨拶が述べられた。)
今回のワークショップでは、REACH規則に基づく登録に向けてどのように対応すべき
かを提示し、さらなる有益な情報の入手方法などについても紹介が行なわれた。
また、ワークショップ中に提出された質問以外にも、ECHAのヘルプデスク(HD)
及び加盟国のHDに対する質問は、随時受け付けているので有効活用願いたい。
予備登録の料金は、無料なのでその便益を考慮し、是非対応願いたい。予備登録に
関する化学物質リストは、出来れば早めに公表することを検討するが、ここでは確約
はできない。今後とも、継続的にSMEへの対応を重視して行く。REACHは、今回の
ワークショップでも説明したように、実務的な段階を踏んだ的確な対応が必要となっ
ているので注意願いたい。予備登録を検討する際には、安全サイドに立った対応を
お願いしたい。2008年10月にヘルシンキで利害関係者を集めてワークショップを
開催するので関係者の参加をお願いしたい。


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[4]あとがき             [化学物質国際対応ネットワーク事務局]

初夏を思わせる日が続き、ゴールデンウィークも前半が足早に過ぎ去ろうとしていま
す。皆様におかれましては、いかがお過ごしでしょうか。

さて、事務局では、2008年4月14日に開催されたREACHワークショップの模様をインタ
ーネットを通してモニタリングしました。細かな臨場感は伝わって来ませんでしたが
大まかな様子などは掴むことが出来ました。
このワークショップの中で、最も注目を集めたのはやはりORの登録業務に関する変更
で、どよめきのようなものが会場に広がるのが、遠隔地でも感じ取れるほどでした。
また、予備登録は無料という当局の案内が何度も繰り返され、予備登録に関するモチ
ベーションを高めるようなプレゼンテーションが予備登録の準備を実際に行なってき
た企業の事例を交えて紹介されました。さらに、REACH-ITの新しい機能に関する紹介
などがあり、REACH規則に基づく登録作業に関する準備は整ったかに思えますが、
依然として公表されていないガイドラインやIT-ツールがあり、今回の変更事項への
IT-ツール等の対応は済んでいるのかといった不安もあるので、継続的に動向を観察
しなければならない状況が続くと考えています。この他、ワークショップに参加した
関係者の質問は、ここでは紹介を省略させていただきましたが、日本でもよくきかれ
るような実務的な内容の質問が多数を占め、REACHに関係する専門家ではない我々
事務局の者にとっても、みんな考えていることは一緒なんだという漠然とした安心
感を抱かせるものでした。このワークショップの模様は、インターネット上でプレゼ
ンテーション資料とともに公開されていますので、このゴールデンウィークにでも
一度ご覧になってはいかがでしょうか。

なお、ワークショップで使用されたプレゼンテーション資料の化学物質ネットワーク
ホームページにおける対和訳掲載については、欧州委員会と直接交渉中ですので、
朗報をご期待ください。


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化学物質国際対応ネットワークマガジンをご利用いただきまして、
ありがとうございます。

■本マガジンは、平成20年度環境省請負業務に基づき、社団法人海外環境協力
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  社団法人海外環境協力センター  http://www.oecc.or.jp/
  環境省総合環境政策局環境保健部 http://www.env.go.jp/chemi/index.html

■原則として、毎月1回の配信を予定しています。
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 届かなかった場合の再送は行いませんので、予めご承諾の上、ご利用ください。
 なお、バックナンバーについては、後日ネットワークのホームページに掲載
 する予定です。

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発行元:社団法人海外環境協力センター
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