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        化学物質国際対応ネットワークマガジン 第8号    
           http://www.chemical-net.info/
               2008/05/21 配信
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このメールマガジンは、化学物質国際対応ネットワークのウェブサイトから
配信登録をされた方を対象にお送りしています。

第8号は、以下の内容をお送りいたします。

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☆ [1]海外化学物質管理事情(その6)       化学品安全管理研究所 大島輝夫
      韓国労働部、環境部、消防防災庁のGHSに関する告示について
       REACHの最新動向について           
      韓国のREACH対応               
☆ [2]中国の環境関連動向          化学物質国際対応ネットワーク事務局
☆ [3]あとがき               化学物質国際対応ネットワーク事務局
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[1]海外化学物質管理事情(その6)    [化学品安全管理研究所 大島 輝夫]

1.韓国労働部、環境部、消防防災庁のGHSに関する告示について
韓国労働部は、産業安全保健法に基づいて、化学品の分類および表示に関する世界
調和システム(GHS)に準拠する「化学物質の分類・表示および物質安全保健資料に
関する基準」を、2006年12月12日に公布し、旧基準に基づく分類・表示・MSDSの使用
期限を2008年06月30日までとしていた。また、新基準はGHSの改訂に対応して、
2008年01月10日に改正が行われた(この分類基準は、GHSとまったく同じではなく、
一部省略されている。)。
このような流れを受け、2008年07月01日の完全実施を控え、韓国の輸入業者から、
新基準に基づいた表示・MSDSの改定の依頼が日本企業によせられていた。しかし、
2008年05月06日付けで韓国労働部は、産業保健法の労働部告示 第2008-89号を公示
し、新基準の実施について、単一物質は2010年07月01日から、混合物については
2015年01月01日から施行するという延期内容を提案した。この提案は、2008年05月
26日までパブリックコメントを受け付けた後、その結果が反映され制度の実施が
延期される予定である。なお、労働部に所属する韓国産業安全公団は、GHSに基づく
分類、表示、MSDSの作成作業を進め、現在約910物質が公表されており、2008年には
5,000物質以上となる予定である。これらの物質の確認および検索には、韓国の住民
登録番号が必要となっている。また、韓国産業安全公団による分類等の結果は規制
ではなく参考となっており、GHSに基づいて、独自に分類、表示、MSDSの作成を
行ってよいとされている。一方、韓国環境部は、GHSに準じた分類・表示(MSDSは
含まない。)を、有害化学物質管理法の施行規則を改正し、2007年11月16日に公布
している。有害化学物質管理法で指定されている558の「有毒物」は、環境部の定め
た分類・表示に従う義務があるが、この分類・表示の結果はまだ公表されていない。
なお、これまでの表示は、単一物質である有毒物は2011年06月30日まで、混合物質
である有毒物は2013年06月30日まで使用することが認められている。また、国立
環境研究院は、2008年05月07日に有害化学物質管理法に基づく分類基準および表示
方法の案を、第2008-183として公示し意見を求めている。併せて、韓国消防防災庁
は、危険物安全管理法に基づき、危険物の容器の表示をGHSに従い改正することと
なり、2008年05月15日消防防災庁公告第2008-25号として案を官報に公示し意見を求
めている。

2.REACH規則の最新動向について
(1)唯一の代理人に関する変更
唯一の代理人(OR)が、同一物質の登録に関し、複数の依頼者から依頼を受けた時に
これまではその輸入量を合算して登録することになっていたが、依頼者別に登録する
よう修正することが公表された。今後、登録のガイダンスが修正される予定である。
ORが、EUに輸入される同一物質について、非EUの複数の物質製造者、調剤、成形品の
生産者から指名を受けた場合、従来は欧州化学物質庁(ECHA)の"Guidance on 
registration"によれば、各々の輸入量を合算して、ECHAに登録することになってい
た(2008年02月18日付、ver.1、23ページ)。例えば、物質XをA社が5トン、B社
が6トン、EUに輸出し、同一ORを指名した場合、このORは、合算して11トンをECHAに
登録することとなり、10トンの帯域を超えるので、このORを通してA及びB2社の
登録に関する義務が拡大することになる。ECHAは、この点を修正することを2008年
04月14日に開催されたREACHワークショップで公表した。2008年04月28日に公表され
た登録に関するガイダンス(ver. 1.1)には、ORに関する当該事項を再検討中で、
06月01日までにガイダンスの改訂版を発行するとある。

(2)登録料金とその減額基準
「REACHに関して、ECHAに支払う費用について」、Commission Regulation (EC) No.
340/2008が、2008年04月16日に制定された(EU OJ. 2008.4.17 L107 6〜25)。
登録トン数別の登録、単離中間体、製品や工程を見極めるための研究開発(PPORD)用
物質の登録料金などについて、単独登録、データの共同提出登録、三段階に分けた
中小企業(SME)に対する減額、認可申請などの料金が公示されている。ORを通して
の登録に対するSMEの減額適用条件は、OR依頼者の労働者数、売上高、貸借対照表を
考慮することなどが定められている。

【登録料金/Euro】
          単独登録の場合 共同登録の場合
  1〜  10トン   1600         1200
  10〜 100トン   4300         3225
  100〜1000トン   11500         8625
   1000以上トン   31000         23250

【SMEの単独登録の場合の登録料金/Euro】
            Medium企業   Small企業  Micro企業
  1〜  10トン      1120       640      160
  10〜 100トン      3010       1720     430
  100〜1000トン      8050       4600     1150
   1000以上トン      21700       12400     3100
(共同登録の登録料金も定められている。)

なお、ここで使用されているSMEの定義は、EU全般の政策に適用されるものとして、
Commission Recommendation of 6 May 2003,EU OJ. 2003/05/20 L124/36〜41に条件
が定められている。

【SMEの規模に関する基準】
           労働者数  売上高/Euro 又は 貸借対照表/Euro
  Medium-sized   <250     ≦50million      ≦43million
  Small        <50    ≦10million      ≦10million
  Micro       <10    ≦ 2million      ≦2million

(3)登録者の選定
非共同体製造業者の欧州域内における登録者の選定は、「唯一の代理人(OR)を指名
する。」「自社のEU内の法人(場合により個人)を含むEU内の輸入者に登録を
依頼する。」の選択肢があるが、登録対象となっている物質ごとに、以下を考慮して
慎重に検討する必要があると思われる。

w)調査会社・コンサルタント、試験機関などの機能を有した法人や自然人などが候補
として考えられる。

ii)域内の輸入者を登録者とする場合は、REACHをはじめ、化学物質の登録、管理、
安全性、使用などの知識、経験の豊富なコンサルタントなどのサポートが必要になる
と思われる。

i)及びii)ともに各々長所、短所があり、以下に留意事項を述べる。
(ア)登録費用の負担
   誰が負担するか。SMEに対する減額の適用はORを指名した場合には、
   上記のようにEU域外の指名者により減額基準の適用が判断される。
   これに対して輸入者を登録者とした場合は、その規模により減額基準が適用
   される可能性がある。
(イ)秘密保持
   登録依頼者の名前、顧客情報、混合物や製品中の化学物質組成などが保持可能
   となる。
(ウ)登録者の責任
   登録者の責務は重く、例えば、CSR(化学物質安全性報告書)の作成は、EU
   各国の労働者の健康も対象とし、川下ユーザとの交渉、SIEF(化学物質情報
   交換フォーラム)への参加・交渉など、化学物質の深い知識を必要とし、言語
   の問題もある。域内の輸入者を登録者とする場合には、コンサルタントなど、
   REACHの専門家の協力が必要であろう。
(エ)REACHの登録経験などの知的財産に関する蓄積
   新規化学物質の届出、MSDS、CSR(化学物質安全性報告書)の作成などを通し
   て、今後、応用可能な化学物質管理に関する貴重な知見が蓄積される。
(オ)登録者の権利の保有
(カ)その他
   ORや輸入者による登録作業検討に加え、「第三者の代理人」の任命も含めて、
   総合的に適応可能なオプションを検討する必要がある。また、EU各国の法規
   制、日本の税制度なども必要に応じて考慮する必要がある。

(4)REACH-ITの初期配布範囲の限定
ECHAが2008年5月8日に公表した資料(ECHA/PR/08/06)によると、REACH-ITの最初の
リリースはサインアップ企業とオンライン登録者に限定することが決定されました。
また、2008年6月1日以降のREACH規則本格運用後の届出及び問い合せ、ならびに登録
は、その初期の段階においては、暫定的な手順で提出する必要があるとのことで、
これらの手順に関する詳細なガイダンスは、2008年5月19日の週に、ECHAウェブサイ
トで公表予定となっている。

3. 韓国のREACH対応
韓国はこの化学物質国際対応ネットワークメールマガジン第6号で報告したように、
官民合同でREACH EXPOをSeoulで開催したが、関連EXPOを継続的に開催している。
さらに今回、環境部、知識経済部、中小企業庁が共同して、5月27日から6月2日まで
Seoulをはじめ地方都市で、「REACH週間」を開催し、関係企業に対して、訪問教育、
技術支援、専門家の相談などを行うことになっている。なお、「REACH週間」の一連
の行事として、ドイツにおいても在ドイツ関連韓国企業を対象に、同様な説明会を
開催し戦略的な登録方策の提示や支援方法が協議されることになっている。


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[2] 中国の環境関連動向        [化学物質国際対応ネットワーク事務局]

1.「中国五鉱化工輸出入商会」在欧州代表事務所について
化学物質国際対応ネットワーク事務局が、中国の駐在員事務所を通して独自に調査し
たところ、以下の情報を得ましたので参考情報としてお知らせします。なお、この
情報内容に関しては、事務局が責任を負うものではありませんので、予めご承知おき
願います。

「中国五鉱化工輸出入商会」は、中国企業のREACH規則に対する理解を深め対応を
促進させるため、2006年から関係企業の研修を行い、2007年末フィンランドの
ヘルシンキに在欧州代表事務所を設置するよう計画していた。この代表事務所は、
中国政府、業界および関係企業に関連情報を提供し、併せて中国企業のEUでのREACH
規則に基づく製品中の化学物質の登録等を代行するサービスを提供する予定である。
在欧州代表事務所の性格は、半官半民であり、2007年には商務部の承認が得られて
いる。「中国五鉱化工輸出入商会」に本件の照会を行なったところ、2008年4月の
時点ではこの代表事務所はまだ開設されておらず駐在員は2008年の5月にヘルシンキ
に赴任する予定とのことであった。なお、この代表事務所の業務は「中国五鉱化工
輸出入商会」石化商品部が担当しているとのことである。

2.中国のREACH対応在欧州代表事務所に関する公開情報
【「中国五鉱化工輸出入商会」は海外のREACHコンサルタントと協力意向書を締結】
EUの化学物質の登録、評価、認可、制限に関する法律(REACH規則と呼ばれている)
に対応し、できるだけ早期に予備登録に必要な書類が準備できるように、関係企業を
支援するため、本商会は国内外の各種の専門機関との協力を強化し、継続的に協力を
発展させることにより、今後、国内企業にこれまで以上に権威ある完璧なREACH規則
に関する総合サービスの提供を実施する。また、近日中に、本商会は韓国の欧州
産業環境協議会と正式協力に関する覚書を締結して、交流を促進し、REACH規則の
対応に関する関係を強化する予定である。さらに、フランスのB-LANDS社と協力に
関する覚書を締結して、中国企業にREACH規則の関連サービスを提供することになっ
ている。韓国の欧州産業環境協議会は、ベルギーに設立されているNPO法人であり、
EUの各メンバー国における韓国企業への環境法規に関する専門的な知見を提供して
いる。また、フランスのB-LANDSコンサルタント会社は化学物質の登録に豊富な経験
を持ち、REACH規則に必要な試験研究に関し効率の高いサービスを提供し、広範囲に
化学物質関連のサービス提供を行なっている。

出典:中国五鉱化工輸出入商会ホームページ 2008年02月25日付


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[3]あとがき             [化学物質国際対応ネットワーク事務局]
風薫る五月も残り少なくなってきましたが、連続した台風の訪れもあり、気象現象に
現れている言葉では表現できないような微妙な変化を感じずにはおれません。
皆さま如何お過ごしでしょうか。
さて、本号では、韓国及び中国の化学物質関連情報をお届けしました。特に、韓国の
GHSに関する告示内容は、この時期に来てという感もありますが、化学産業界が行政
施策の動きに、ついてこられなかったのではないかと推察しております。また、
中国のREACH対応として注目された在欧州代表事務所は、関係者の間ではその存在が
怪しまれていたのですが、その進捗状況等が判明し視界がクリアになりました。
一方、REACH規則の本格的な運用を6月に控え、日本におけるステークホルダーの関連
対応も盛んになると思われますが、化学物質国際対応ネットワーク事務局では、
REACH規則を基にする予備登録に向けた支援を準備するとともに、中国等周辺諸国の
REACH規則対応情報を収集し、継続的にみなさまにお届けすることにいたします。
どうぞよろしくお願い申し上げます。


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ありがとうございます。

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 届かなかった場合の再送は行いませんので、予めご承諾の上、ご利用ください。
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発行元:社団法人海外環境協力センター
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