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        化学物質国際対応ネットワークマガジン 第14号
           http://www.chemical-net.info/
               2009/01/08配信
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このメールマガジンは、化学物質国際対応ネットワークのウェブサイトから
配信登録をされた方を対象にお送りしています。

第14号は、以下の内容をお送りいたします。

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☆ [1]年頭所感                 厚生労働省化学物質安全対策室
                           経済産業省化学物質管理課
                                環境省化学物質審査室
☆ [2]海外化学物質管理事情             化学品安全管理研究所 大島輝夫
☆ [3]中国の化学物質国際対応に関する情報 
                                          化学物質国際対応ネットワーク事務局
☆ [4]あとがき             化学物質国際対応ネットワーク事務局
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[1]年頭所感
                                            [厚生労働省化学物質安全対策室]
                        [経済産業省化学物質管理課]
                             [環境省化学物質審査室]

 あけましておめでとうございます。読者の皆様には、化学物質管理行政に多大な
ご理解とご協力を賜り、心から御礼申し上げます。
 昨年より、欧州REACHは予備登録が実施され、また、高懸念物質(SVHC:Substance 
of Very High Concern)の候補物質に15物質が指定されるなど、本格的な施行段階に
入っており、実質的な規制が始められているところです。こうした諸外国の化学物質
規制動向に対応し、会員企業・団体の皆様におかれましては、対応に遺漏なきよう
ご努力されているものと推察します。このような中、「化学物質国際対応ネットワー
ク」などの場において情報発信・共有が進むことは誠に意義深いものと考えます。
政府においても、皆様のご協力もいただき、今後とも諸外国の動向に関する情報収集
・提供を進めてまいりたいと考えております。
 また、我が国の化学物質審査規制法(化審法)についても、昨年一年間をかけて、
厚生労働省、経済産業省及び環境省の審議会の下に設置された合同委員会において
見直しのご審議をいただき、昨年10月に報告書(案)が取りまとめられました。
その後、10月から12月にかけて本案について意見募集を実施いたしましたところ、
皆様より非常に多くのご意見をいただき、改めて本法見直しの関心の高さを認識した
ところです。昨年末には、これまでの審議及び意見募集の結果を踏まえて取りまとめ
られた「化審法見直し合同委員会報告書」を公表いたしました。各省のホームページ
にて公開※しておりますので、ご参照いただければと思います。今後は本報告書に沿
って化審法の見直し事項等を検討し、必要な措置を講じていきたいと考えております。
 最後になりますが、本ネットワークのますますの発展を祈念するとともに、化学物
質管理行政の一層の推進に、本年もご支援・ご協力を賜りますようお願い申し上げ、
新年のご挨拶とさせていただきます。

※「化審法見直し合同委員会報告書」等について
http://www.mhlw.go.jp/public/bosyuu/iken/p1222-2.html(厚生労働省)
http://www.meti.go.jp/press/20081222004/20081222004.html(経済産業省)
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=10590(環境省)


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[2]海外化学物質管理事情            [化学品安全管理研究所 大島輝夫]

(1)IPCS  RISK  ASSESSMENT  TERMINOLOGYについて
  化学物質国際対応ネットワークメールマガジン第12号に、「化学物質のリスクアセ
スメント/リスクマネジメント/リスクコミュニケーションの意味について」を記載
し、IPCSが2004年に発行した用語集「IPCS  RISK  ASSESSMENT  TERMINOLOGY」に言
及しているが、これは、国際化学物質安全性計画(IPCS:UNEP,ILO, WHO)が、OECD
と共同して、色々な用語の定義を収集し、それについて専門家が討議し、一般的な意
見として発行したもので、今後、国際的にも標準的なものとなると考えられる。
そこで、今号ではその内容を紹介する。ただし、同用語集には「必ずしもこれらの国
際機関の決定、または政策を示しているものではない」という留意もあるのでご注意
願いたい。
 なお、第12号にも触れているが、労働安全衛生の分野では、リスクアセスメントの
定義は、同用語集のものとは異なり、リスクアセスメントにリスクマネジメントを一
部含む定義が用いられており、日本の労働安全衛生法もこれに準じている。また、
ISO(国際標準化機構)は、これらとはさらに異なる定義を用いており、日本のJIS規
格もISOの定義に準じている。

 REACHでは、「Risk Management」の用語はしばしば用いられているが、「Risk 
Assessment」は、「a Committee for Risk Assessment」の場合にのみ用いられ、
「the Assessment of the Risks」や「Chemical Safety Assessment」が用いられて
いる。 

 なお、REACHの付属書Iの「物質の評価及び化学物質安全性報告書の作成のための一
般的な規定」には、化学物質安全性アセスメントのステップが記載されている。また
付属書XIIの「川下使用者が物質を評価し、化学物質安全性報告書を作成するための
一般的な規定」には、川下ユーザーが化学物質安全性アセスメントを実施するステッ
プが記載されている。

【著書の題名と構成】
Harmonization Project Document No.1
http://www.who.int/ipcs/methods/harmonization/areas/ipcsterminologyparts1and2.pdf

「IPCS  RISK  ASSESSMENT  TERMINOLOGY」  WHO  2004

○PART 1:IPCS/OECD KEY GENERIC TERMS USED IN CHEMICAL HAZARD/RISK 
     ASSESSMENT   
○PART 2:IPCS GLOSSARY OF KEY EXPOSURE ASSESSMENT TERMINOLOGY  

本稿では、上記PART 1の重要な用語を紹介する。

PART 1の目次は以下のとおりである。
 1) 一般用語の作業の取り組み
 2) 基本一般用語の定義
 3) 一般用語についての注意と背景

附録として、優先一般用語リスト、取りまとめに用いた参考文献、検討結果、作業
の詳細が説明されている。取り上げられた用語は51で、その中で、「risk」のつく
用語は10、「hazard」は4、「assessment」は8である。そのうち、主な用語を訳して
以下に紹介する。

【Risk(リスク)】:作用因子にばく露することにより、特別の状況のもとに生じる
生物、組織、または(部分)個体群に対する悪影響の確率

【Hazard(ハザード)】:生物、組織、または(部分)個体群がその作用因子にばく
露された時に悪影響を生じる潜在性をもつ作用因子または状況の固有の性質

【Exposure(ばく露)】:定義された期間の間、特定の頻度で、標的臓器、組織また
は(部分)個体群に到達する特有の作用因子の濃度または量

【Risk assessment(リスクアセスメント)】:与えられた標的臓器、組織、または
(部分)個体群に対するリスクを計算または評価することを意図したプロセスで、
付随する不確実性の確認、特有の作用因子に対するばく露を求め、特有の標的臓器の
特性と同様に関心のある作用因子の固有の特性を考慮することを含む。リスクアセス
メントのプロセスは、4つの段階を含む。ハザードの同定、ハザードの評価、(関連
する用語:Dose-response assessment),ばく露アセスメント、リスクの判定。これは
リスクアナリシスの最初の因子である。

【Risk management(リスクマネジメント)】:結論を出すプロセスであり、ハザード
に関連するリスクアセスメントの情報と共に、政治的、社会的、経済的、技術的因子
の考慮を含む。規制、非規制の選択の検討、分析、比較とともにそのハザードに対して
適当な規制の反応を選択し、実施することがある。リスクマネジメントは3つの因子
から成り立ち、それは、risk evaluation(下記参照)、放出とばく露の制御、リスク
モニタリングである。

【Risk communication(リスクコミュニケーション)】:(健康または環境)の
リスクについて、リスクアセスサー、リスクマネージャー、ニュースメデイア、関係
のあるグループ、一般市民の間の情報の相互交換

【Risk evaluation(リスク評価)】:作用因子に対するばく露のリスクと便益の間
の定性的または定量的関係の立証で、関係するまたはばく露により影響されたシス
テムに対する同定したハザードと推定したリスクの意義と作用因子によりもたらされ
た便益の意義とを決定する複雑なプロセスを含む。リスク評価はリスクマネジメント
の因子の一つである。リスク評価 はリスク−便益評価(risk-benefit evaluation)
と同意語である。

【Risk analysis(リスクアナリシス)】:生物、組織、または(部分)個体群が
ハザードにばく露されうる状況をコントロールするためのプロセス。リスクアナリ
シスのプロセスは、3のコンポーネントからなりたつ:リスクアセスメント、
リスクマネジメント、リスクコミュニケーションである。

【Safety(セイフティ)】:定義された状況で、作用因子に対するばく露から有害な
影響が結果しない実際的な確からしさ。それはリスクの逆である。

(2)EUが分類表示、包装規則(CLP規則)を官報に公示
 2008年12月31日付EU官報L353/1に、かねてEU議会とEU理事会が合意していたCLP
規則が公表された。その内容は、REACH規則(EC)No1907/2006を改正し、物質と
混合物の分類、表示、包装に関する指令67/548/EECと1999/45/ECを改正と廃止する
もので、2008年12月16日付EU議会と理事会規則(EC)No1272/2008として公示された。
その分類区分はGHSより一部省略されている。また、これに従った多数の物質の分類
結果も示されており、全体では1400頁に及んでいる。
http://eur-lex.europa.eu/LexUriServ/LexUriServ.do?uri=OJ:L:2008:353:0001:1355:EN:PDF


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[3]中国の化学物質国際対応に関する情報
                                      [化学物質国際対応ネットワーク事務局]

1. 染料業界のREACH正式登録を間もなく開始
  中国染料工業協会によると、染料業界のREACH予備登録は無事に終了し、正式登録が
間もなく始まるようである。同協会の田利民秘書長は、染料業界において、68社が
登録し、569項目の製品に関する予備登録が完了したと述べた。

出典:中国化工情報ネット 12月3日
http://www.cheminfo.gov.cn/05/UI/hottopic/page_hottopic.aspx?id=13609&Tname=RDZZ_WZ&Caption=行?影?&blm=欧盟REACH法?


2. アジアはREACH規則の実施によってポリウレタンの重要な市場となる	
  REACH規則がEU市場とEU市場に入るすべての化学製品に対して、登録、評価と認可を
必要とし、そして製品の安全性に対する監視と制限を求めているが、その中でも、
ポリウレタンフォームの原料であるジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)など
に対する規制はかなり厳しい。
 REACH規則はEU市場の敷居を高くしただけではなく、大多数の域内中小企業にとって
巨額の登録費用に対応する資金力がないため、ヨーロッパのポリウレタン業界は、
ポリウレタンの川下企業が苦しい状況に追いやられることを懸念している。
 同時に業界内では、ヨーロッパは化学物質の規制が厳しいため、ヨーロッパのポリ
ウレタン生産企業は域内市場を避け、アジア市場に参入する可能性が高いという噂も
あり、アジア地域がポリウレタンの重点的な市場となる可能性を秘めている。

出典:中国化工情報ネット 12月8日
http://www.cheminfo.gov.cn/05/UI/hottopic/page_hottopic.aspx?id=13627&Tname=RDZZ_WZ&Caption=行?影?&blm=欧盟REACH法?


3. 中国化学工業ネット(中国化工ネット)は無料REACHサービスを提供
  12月9日、中国化工ネットの淅江網盛化工有限公司は、インターネットをとおして
化学工業関連企業に対する無料REACHサービスの提供を行うことを発表した。

出典:中国化工ネットREACHサービスセンター 12月9日
http://reach.chemnet.com/content/2008-12-09/1101.html


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[4]あとがき            [化学物質国際対応ネットワーク事務局]

 化学物質国際対応ネットワークメールマガジン読者のみなさま、明けましておめで
とうございます。

  昨年12月1日にREACH規則に基づく予備登録手続きが締め切られ、約150,000に上る予
備登録物質リストがECHAから公表され、既に正式登録に向けた動きが始まっています。
 当ネットワークでは、このような動向に対応すべく、みなさまへの情報提供サービス
を充実させるとともに、化学物質管理の理解促進をめざした活動を強化する所存です。
 今年は一段と厳しい社会経済情勢が予想されますが、みなさまには、倍旧のご支援
を賜りますようどうぞよろしくお願い申し上げます。


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化学物質国際対応ネットワークマガジンをご利用いただきまして、
ありがとうございます。

■本マガジンは、平成20年度環境省請負業務に基づき、社団法人海外環境協力
 センターが運営しております。
  社団法人海外環境協力センター  http://www.oecc.or.jp/
  環境省総合環境政策局環境保健部 http://www.env.go.jp/chemi/index.html

■原則として、毎月1回の配信を予定しています。
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 届かなかった場合の再送は行いませんので、予めご承諾の上、ご利用ください。
 なお、バックナンバーについては、後日ネットワークのホームページに掲載
 する予定です。

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(このサイトに関するお問合せ http://www.chemical-net.info/contact.html)
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発行元:社団法人海外環境協力センター
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