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        化学物質国際対応ネットワークマガジン 第15号
           http://www.chemical-net.info/
               2009/03/09配信
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このメールマガジンは、化学物質国際対応ネットワークのウェブサイトから
配信登録をされた方を対象にお送りしています。

第15号は、以下の内容をお送りいたします。

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☆ [1]化学物質管理国際対応に関するワークショップ紹介
                       化学物質国際対応ネットワーク事務局
☆ [2]開催案内「日中韓GHSセミナー」
            環境省化学物質審査室/化学物質国際対応ネットワーク事務局
☆ [3]海外化学物質管理事情           化学品安全管理研究所 大島輝夫
☆ [4]あとがき             化学物質国際対応ネットワーク事務局
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[1] 化学物質管理国際対応に関するワークショップ紹介
                                 [化学物質国際対応ネットワーク事務局]

 2009年2月25日及び26日に、化学物質国際対応ネットワークの幹事団体を含む、
政府関係者、学識経験者、業界団体(企業)からの出席者等約30名の専門家により、
以下の2つのワークショップを開催し、REACH規則に基づく登録作業で必要となるCSA/
CSRや米国の新たな化学物質管理政策である「化学物質アセスメント・管理計画(ChAMP)」
の内容などについて、国外の専門家と意見交換を行いました。これらのワークショップ
の発表資料の一部については、化学物質国際対応ネットワークのウェブページで公開
しました(http://www.chemical-net.info/regulation.html)。
その他の資料及び意見交換結果の概要についても、後日、順次ウェブ上で公開していく
予定です。

1 REACHにおける化学物質安全性評価に関するワークショップ(2月25日)
 REACHにおけるリスク評価の考え方・手法について把握すること等を目的に、ECHA
が発行した「情報要件および化学物質安全性評価に関するガイダンス」の作成に参加
した専門家をオランダ応用科学研究機構(TNO)から招き、上記ガイダンス文書を中心に、
ワークショップ参加者と活発な意見交換を行い、REACHにおける化学物質の安全性評価に
関する知見を深めました。この結果は、環境省が請負事業として取りまとめを行っている
「化学物質安全性評価(CSA)の要点」の作成に反映される予定です。

2 米国化学物質アセスメント・管理プログラムに関するワークショップ(2月26日)
 Japanチャレンジプログラムによる官民連携の化学物質の安全性情報の収集・整理が
進み、また、化審法の見直しに関する議論が進められてきている中で、今後の我が国に
おける既存化学物質対策等についての検討に役立てるため、米国環境保護庁(EPA)から
化学物質管理担当官を招き、昨年3月に公表されたChAMPについて理解を深めるとともに、
日米両国の今後の既存化学物質対策等について意見交換を行いました。

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[2] 開催案内 「日中韓GHSセミナー」
         [環境省環境安全課/化学物質国際対応ネットワーク事務局]
  
 2009年3月17日(火)に「日中韓GHSセミー」を開催します。
 GHSは2003年に国連より勧告され、現在、各国においてその導入が進められているとこ
ろです。
  本セミナーは、日本におけるGHSの導入状況や、日本と地理的に近く化学品や化学製品
の貿易量も多い中国及び韓国におけるGHSの導入状況等について、日本、中国及び韓国の
専門家に解説していただき、最新の動向に関する情報を提供していただくことを目的
としています。

1 日時 平成21年 3月17日(火)13時30分〜17時00分

2 場所 ホテルフロラシオン青山 ふじ(東京都港区南青山4-17-58)
     (http://www.floracion-aoyama.com/)

3 傍聴について
  本セミナーは公開です。傍聴(無料)を御希望の方は、下記の(お申込み方法)に
従い、メール又はFAXにて、3月13日(金)17時必着で申込み下さい。傍聴が可能な方
には、指定された宛先に電子メール又はFAXにて傍聴券を送付させていただきますので、
当日必ずお持ち下さい。
  なお、傍聴可能人数は100人を予定しており、希望者がこれを超えた場合は抽選と
させていただきます。

(お申込み方法)
  冒頭に「日中韓GHSセミナー傍聴希望」と記入し、御住所、御氏名、勤務先、電話番号、
電子メールアドレス(メールによるお申込みの場合)またはFAX番号(FAXによるお申込み
の場合)を明記の上、下記申込先にお申込み下さい。
※お申込みは傍聴希望者一名につき一通でお願いします。

<申込先・問い合わせ先> 
 社団法人 海外環境協力センター 
 担当:西宮、市毛、堀内
 「日中韓GHSセミナー」傍聴受付係宛
  メールアドレス:ghs_seminar@oecc.or.jp           
  FAX番号:03-5472-0145

※環境省の報道発表資料はこちら↓
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=10870

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[3] 海外化学物質管理事情 (その12)
EUがREACH規則等を改訂し、GHSを考慮した分類・表示・包装規則を導入へ(その1)
                       [化学品安全管理研究所 大島 輝夫]

 EUは、かねがね GHS を考慮した分類、表示、包装(CLP)規則の導入を検討して
いたが、2008年9月に、EU議会がこれを承認し、さらに12月には、EU理事会が承認して、
12月31日のEU官報に公示された(前回のメルマガでも概略を報告)。これは、罰則を
ともなう規則であり、EU 各国は罰則の制定、違反を監視する組織を設置する義務がある。
今回の Official Journal (O.J.)に公示された同規則は、計1355頁あるが、Annex VI
(325〜1351頁)の内の 340〜1351頁には、約6000以上の物質に関する分類、表示の
リストが掲載されている(後述の内容紹介を参照願います)。

 このリスト上にない物質でも、分類基準に従う情報がある場合は、その表示は義務で
あり、分類結果を欧州化学物質庁(ECHA) に報告する義務がある。同一物質に対して、
異なる分類がなされた場合には、調和を図ることも条文に記載されている。
 しかしながら、後記のようにGHSにある6区分のCategoryが削除され、ラベルの警句
については、GHSの警句(Hazard statement)の他に、EUで従来用いられていたR警句の
一部および新たに追加された警句があるなど、GHSとの相違点も多いため、注意が必要である。
 また、この物質リストの分類には、CMR(発がん性、変異原性、生殖毒性)のカテゴリー
1、2 に分類された物質もあり、これらは今後、SVHC(高懸念物質)に順次指定されると
思われる。SVHC に指定されると、これらを含む Article も認可の対象となる。
 したがって、今回の CLP 規則は、化学物質、混合物を EUに輸出する企業のみではなく、
それらを含有する Article を輸出する企業にとっても影響が大きいと思われる。
 CLP規則の施行期日は、物質は2010年12月1日、混合物は2015年6月1日である。このCLP
規則は、製造業者、輸入業者とともに川下の使用者も同等の義務を負っている。不純物、
添加物も対象となり、カットオフ値が示されている。
 なお、このCLP規則には、SDS(MSDS)に関する項目はない。
 従来、EU の物質に関する規則では、“preparation”(調剤)の語を用いてきたが、
今後、定義は同じであるが、“mixture”(混合物)の語を用いることを定めている。

備考 : Regulation(EC)No 1272/2008の表題中に登場する(EC)No 1907/2006 は、
REACHのことである。また、Directive 67/548/EEC は「危険な物質の分類、包装、表示
に関する理事会指令」であり、Directive 1999/45/EC は「危険な調剤の分類、包装、表示
に関する欧州議会および欧州理事会指令」である。

参照URL:
http://eur-lex.europa.eu/LexUriServ/LexUriServ.do?uri=OJ:L:2008:353:0001:1355:EN:PDF

【内容紹介】

1 目次
以下の規則の章立て(目次)については、付録(http://www.chemical-net.info/mag/20090309_furoku.txt)
にまとめた。

REGULATION(EC) No 1272/2008 OF THE EUROPEAN PARLIAMENT AND OF THE COUNCIL of
16 December 2008 on classifications,labelling and packaging of substances and 
mixtures,amending and repealing Directives 67/548/EEC and 1999/45/EC,and 
amending Regulation(EC) No 1907/2006 (Text with EEA relevance)

2 GHSとの比較 
ANNEX I   CLASSIFICATION AND REQUIREMENT FOR HAZARDOUS SUBSTABCES AND MIXTURES GHS
に関するGHSとの比較

(1)ラベルの危険有害性シンボル
 絵表示(Pictogram)および注意喚起語(Signal words)危険(Danger)、警告(Warning)
はGHS と同じ。

(2)GHSにある以下の6区分(Category)の削除
  引火性液体 :  区分4
  急性毒性 :  区分5
  皮膚腐食性/刺激性 :  区分3
  眼に対する重篤な損傷/眼刺激性 :  区分2B
  吸引性呼吸器有害性 :  区分2
  水性環境急性有害性 :  区分2、区分3
 ただし、GHSにおいても、吸引性呼吸器有害性の絵表示と、“警告”を除き、シンボルはない。

(3)危険有害性情報(Hazard Statement)のラベル表示
 1)GHSとの比較 
 Regulation 1272/2008では、次の点(andとor)を除き、GHSに用いられている用語と
同じである。


特定標的臓器単回ばく露のラベル要素の比較
Label elements for specific target organ toxicity after single exposure

                   Category 3
--------------------------------------------------------------------------------
          Regulation 1272/2008                      GHS
--------------------------------------------------------------------------------
 Hazard   H335: May cause respiratory   May cause respiratory irritation; or
Statement      irritation; or         
            H336: May cause drowsiness     May cause drowsiness and dizziness
               or dizziness 
--------------------------------------------------------------------------------
原典:   Regulation 1272/2008  Annex I Table 3.8.4 O.J. L353/121頁
GHS(UNECE, 2005) Part III 195頁
 
2)GHSラベルの、危険有害性情報以外に、従来、67/548/EECのAnnex III R警句で
用いられていた警句などが転記されている。
    Articles 25 Supplemental information on the label
    Annex II “SPECIAL RULES FOR LABELLING AND PACKAGING OF CERTAIN
             SUBSTANCESAND MIXTURES”
    1.1 Physical properties 
     R1  :  EUH001 Explosive when dry
     R6  :  EUH006 Explosive with or without contact with air
     R14 :  EUH014 Reacts violently with water
     R18 :  EUH018 In use, may form flammable/explosive vapour-air mixture
     R19 :  EUH019 May form explosive peroxides
     R44 :  EUHS044 : Risk of explosion if heated under confinement
    1.2 Health properties 
     R29 :  EUH029 Contact with water liberates toxic gas
     R31 :  EUH031 Contact with acids liberates toxic gas
     R32 :  EUH032 Contact with acids liberates very toxic gas
     R66 :  EUH066 Repeated exposure may cause skin dryness or cracking 
     R70 :  EUH070 Toxic by eye contact
     R71 :  EUH071 Corrosive to the respiratory contact
 
3)新たに混合物に加えられたラベル警句
 「Annex II Part 2 SPECIAL RULES FOR SUPPLEMENTAL LABEL ELEMENTS FOR CERTAIN 
MIXTURES」には、以下の混合物についてラベル警句が掲げられている。これらのラベル
警句はGHSにはなく、下記を含む混合物のラベル警句は新規追加されたものである。

    鉛、シアノアクリレート、セメント、イソシアネート、エポキシ成分、
    活性塩素、真鍮またはハンダに用いるカドミウム(合金)、感作性に分類
    されないが少なくとも一つの感作性物質を含む混合物、ハロゲン化炭化水素を含む
    液体、一般大衆(general public)を意図しない混合物、エアロゾル

(4)“オゾン層に有害(Hazardous to the ozone layer)”という有害クラスの追加
 物理化学的有害性、健康に対する有害性、環境に対する有害性とは異なる新たなクラス
として加えられている。

(5)カットオフ値の相違
 例:急性毒性 GHS              ≦1.0%
             CLP カテゴリー1-3   ≦0.1%
	                        4   ≦1%
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[4]あとがき            [化学物質国際対応ネットワーク事務局]

 東京では、紅梅に続き白梅の盛りも過ぎようとしています。また突然、半袖でも過ご
せそうな陽気となったり、真冬並の寒気団が戻ってきたりとなかなか安定しない天気
が続いています。しかしながら、衣を落としてしまった広葉樹などのつぼみには、
徐々に存在感を増してきているものもあり、ひそかな春の息吹を感じていますが、
みなさまいかがお過ごしでしょうか。

 さて、ECHAのNewsletter(No1 January/February 2009)によれば、参加者数が
1〜9のPre-SIEFが64%(93428/146171)を占めると同時に、同5000以上のPre-SIEF
も2つ存在することがわかります。また、ECHAへの関連文書提出数も本格登録を除き、
当局の予則のほぼ3倍程度に推移している事から、当局側及び産業界側ともに
スケジュールに従った実効的なREACH規則への対応がどこまでできるのか懸念されます。
また、一方では、以前にもお知らせしたNGOのChemSecが、代替物質リストのガイド
ブックを公表したりするような動きがみられます。
 今号では、2008年12月31日に公示されたEUのCLP規則を紹介させていただきましたが、
ボリュームが多くかつ関連する法制度も多岐にわたっているため、一度に解説を
行うことが困難な状況です。特に、REACHとの関連性や同規則におけるSVHCとのつな
がりが気になるところですが、詳細は次号以降で徐々に行いたいと考えております。
  化学物質国際対応ネットワークでは、今後とも化学物質管理に関する現地調査報告
やREACH規則などに関する的確な情報発信を心がけて参りますので、どうぞよろしく
お願いいたします。

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ありがとうございます。

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