1. 化学物質国際対応ネットワークTOP
  2. >メールマガジン
  3. >メールマガジン 第16号

メールマガジン

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
        化学物質国際対応ネットワークマガジン 第16号
           http://www.chemical-net.info/
               2009/03/31配信
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

このメールマガジンは、化学物質国際対応ネットワークのウェブサイトから
配信登録をされた方を対象にお送りしています。

第16号は、以下の内容をお送りいたします。

----------------------------------------------------------------------------
☆ [1]第4回化学物質国際対応ネットワークセミナーについて
                       化学物質国際対応ネットワーク事務局
☆ [2]中国化学管理現地調査       化学物質国際対応ネットワーク事務局
☆ [3]中国の環境関連動向        化学物質国際対応ネットワーク事務局
☆ [4]あとがき             化学物質国際対応ネットワーク事務局
----------------------------------------------------------------------------

[1] 第4回化学物質国際対応ネットワークセミナーについて
                                 [化学物質国際対応ネットワーク事務局]

化学物質国際対応ネットワークでは、日本におけるGHSの導入状況や、日本と地理
的に近く化学品や化学製品の貿易量も多い中国及び韓国におけるGHSの導入状況等に
ついて、日本、中国及び韓国の専門家に解説していただき、最新の動向に関する情報
を提供することを目的とした、「日中韓GHSセミナー」を2009年3月17日(火)に
開催しました。本セミナーには、定員を大幅に上回るお申し込みをいただいたため、
定員を増やし、約150名にご参加をいただきました。当日の配布資料の内容について
は、ネットワークのウェブページで閲覧可能です。議事録についても近日公開予定
です。

http://www.chemical-net.info/regulation.html#D4

----------------------------------------------------------------------------
[2]中国化学物質管理現地調査  [化学物質国際対応ネットワーク事務局]

中国の化学物質管理を担う代表的な機関である環境保護部(MEP)、国家質量監督
検験検疫総局(AQSIQ)、国家安全生産監督管理総局を訪問し、行政機関の化学物質
管理制度を調査し、あわせて関係外郭機関や関連協会を訪問、産業界の化学物質管理
対応状況に関する実態調査を行いました。また、関係者と意見交換を通して化学物質
国際対応ネットワークとの継続可能な協力関係を構築しました。調査結果の概要は
以下の通りです。

1.	環境保護部(MEP)
MEPが所掌する化学物質管理の方向性について、当面は関連法制度の整備であることを
確認し、特に、既存の新化学物質環境管理弁法の中で規定されていない少量新規物質
登録制度などの導入については、現在、検討中であることも確認できました。
また、中国のGHS制度に関しては、国家基準(GB及びGB/T)で適用する規格(GBは強制、
GB/Tは任意)であることが分かりました。さらに、試験方法や施設の整備に関しては
GLP基準を中心に、4ヶ所の実験室整備を推進していくということでした(詳細は、
下記GHSに関する確認内容を参照ください。)。

2.	国家質量監督検験検疫総局(AQSIQ)
AQSIQは、中国の国家機関として、製品の品質管理を主に担当しており、REACH規則
対応と国内企業の輸出入促進支援に関しても、積極的に対応していることが分かり
ました。例えば、リスク評価等技術的事項を担当する 中国検験検疫化学研究院や、
企業へのREACH規則関連サービスの提供を行うREACH解決センターを傘下に設け、
MEPや商務部と協力して研修や指導を行うとともに10ヶ所の実験室を整備しているとの
ことでした。また、GLP基準に関しては、OECD-GLP基準と自国基準との比較検討を行い、
OECD-GLPと整合を図る形で中国基準として整備し、普及を図っていることも伺いました。
さらに、EC企業総局と意見交換を継続しており、所掌業務を国際的なレベルに整合
させようとする努力がうかがえました。

3.	国家安全生産監督管理総局
化学物質管理に関する安全面からのプロセス審査業務を実施しており、直接的に化学
物質管理を行っている機関ではありませんでしたが、生産工程における危険化学品
目録を管理し、現在、このリストを見直していることが分かりました。

4.	石油化工集団公司(SINOPEC)
SINOPECは、中国の三大国有石油企業の一つであり、コンプライアンスを果たす
ことは企業の責任であるとの認識のもと、発展段階にある中国政府の化学物質関連
政策や制度が不備な部分も含めて、化学物質管理に率先対応しているとの説明があり
ました。また、REACH規則の対応については、専門的な部分についてはアウト・ソー
シングも活用しながらも、グループを統括して対応しているとのことでした。

5.	中国化工集団公司(ChemChina)/中国化工信息中心(CNCiC)
ChemChinaは、中国第一の化学工業企業が集まったグループの管理機関ではありますが、
欧州等海外の化学工業企業のグループへの組み込みも実施し、米国からの資本参入も
受け入れるなど、グローバル化が進んでいるとのことでした。CNCiCは、ChemChinaの
下部機関であり、 例えば、最近導入された中国のGHS基準に基づくMSDS制度等について、
日本企業を含む国内外の企業を対象にコンサルティング・サービスを実施していると
のことでした。

6.	 中国五鉱化工輸出入商会(CCCMC)
CCCMCは、石油・化工の輸出入関連の団体ですが、加入している企業は中小企業がほ
とんどであり、化学物質管理については、理解や認識の向上とともに、その対応にか
かるコストも課題となっているとのことでした。REACH規則の対応に関しては、商務部
の「REACH法規コンプライアンス・サービスセンター」の運用管理を任されており、
政府機関ではないものの支援関係にあることが分かりました。また、ヘルシンキに
支部をおき、唯一の代理人(Only representative)業務を展開していることから、
CCCMCが政府のとも密接な関係を持ちつつ、REACH規則対応を積極的に展開している
ことが分かりました。また、GLPに関しては、現在はOECD-GLP基準に準拠する形で対応
しているとの説明がありました。このように、中国政府の化学物質管理に関する最近の
動向の一端を、今回の調査により確認することができました。また、それに対する団体
や産業界の対応もその規模や形態により、さまざまなレベルにあることが分かり興味深
いものとなりました。一方で、国営企業においては  民営化が推進されており、国際
対応などの面ではグローバル化が進んでいました。しかしながら、特に中小企業に関
してはこれらの環境の変化が負担になるのではないかと懸念されます。さらに、試験
方法及び施設の整備に関しては、OECD-GLP基準に合わせた基準の導入が始まっており、
行政機関及び産業界ともに向いている方向が揃っていたことも新たな発見でしたが、
今後、これらの導入が進むにしたがって新たな課題もでてくるのではないかと思料して
います。なお、今回の調査ではMEPにおいてGHSに関してある程度まとまった確認が出
来ましたので以下にまとめました。また、ネットワークBBSに寄せられた、中国のGHS
に関するご質問についても、今回の調査で確認できた範囲で事務局より回答しており
ますので、ご確認いただければ幸いです。

【GHSに関する確認内容】
Q:GHSの評価対象化学物質はどのようなものですか。リストはありますか。
A:照会があったリストは次のものであり、すべてインターネットから調査可能である。
《危険化学品名録》(2002年版)国家安全生産監督管理総局公告  2003年第1号)
《劇毒化学品目録》(2002年版)
《高毒物品目録》(2003年版)(衛法監発[2003]142号)
《易致毒化学品の分類と種類目録》(《易致毒化学品管理条例》 中華人民共和国
 国務院令第445号)
《非薬品類易致毒化学品の分類と種類目録》(国家安全生産監督管理総局令、第5号)
《危険貨物品名リスト》(GB12268-2005)

Q:GHS評価済みのラベル、MSDS記載例は公開されていますか。
A:中国はGHSを実施するため、GHSの関連規定を中国の国家基準(26項目)に変換し、
規定を設けた。この一連の基準の一部は、強制的なものに属し、企業が国家基準の規定
にしたがってラベルとMSDSを作成することになっている。

Q:GHSラベル基準(GB/T22234-2008)のなかで、国連のピクトグラムと異なる部分が
ありますが、国連のもので対応してもよいのですか。
A:GB/T 22234-2008《GHSに基づく化学品ラベルの規範》には、「ラベルのピクトグラム
は、白い菱形(四角)の上に黒いピクトグラムを使用し、注意を促すため、さらに比較的
太い赤線で枠をする。非輸出用の包装は、そのラベルで黒線の枠にしてもよい」と明確に
規定されている。

Q:GHSの具体的な運用は、いつから実施されるのでしょうか。また、MSDS及びラベル
作成マニュアルなどの文書はありますか。
A:GHSを実施するために制定した国家基準である《化学品分類、警示ラベル及び警示
説明の安全規範》26項目 GB20576-2006〜GB20599-2006、及びGB20601-2006,GB20602-2006
(ただし、GB20591は修正されGB20591-2008に改定済)は 、すでに2008年1月1日に
公示して実施している。また、MSDSとラベルの作成に関する以下の2基準は、2009年
2月1日から施行している。
(1)GB/T 16483-2008 化学品安全技術説明書の内容と項目
(2)GB/T 22234-2008 GHSに基づく化学品ラベル規範

Q:GHSの施行には猶予期間がありますか。
A:GHSを実施するために制定した国家規準である《化学品分類、警示ラベル及び
警示説明の安全規範》(26項目)は、すでに2008年1月1日に公示した。この基準は
2008年1月1日から製造分野で施行され、一年後の2008年12月31日からは流通分野
でも施行されている。

Q:対象となる製品群、免除される製品群は何か。
A:GHS国家基準の適用対象は化学品であり、単一物質と混合物を含んでいる。主に
人健康と環境に厳重な危害のある化学品が対象となっている 。 

Q:GHS 分類の採用の範囲を教えてください。
A:中国でのGHSを実施するための国家基準の分類基準は、吸引性呼吸器有害性を除き、
国連のGHSとほとんどおなじである。

Q:ラベルへのGHS分類にかかわる有害性成分の表示は必要でしょうか。
A:GB/T 22234-2008《GHSに基づく化学品ラベルの規範》に詳細に規定している。

Q:ラベルの絵文字のフレームは黒でもいいのでしょうか。
A:GB/T 22234-2008《GHSに基づく化学品ラベルの規範》には、「ラベルのピクト
グラムは、白い菱形(四角)の上に黒いピクトグラムを使用し、注目を促すため、
さらに比較的に太い赤線で枠をする。非輸出用の包装は、そのラベルで黒線の枠に
してもよい」ことを、明確に規定している。

Q:罰則規定はありますか。
A:輸入化学品(危険貨物)が輸入製品に対する中国の検験・検疫の要求に適合しない
場合は、《中華人民共和国商品検験検疫法》の規定によって、処罰される。

Q:輸入時の対応はどのようになっているのでしょうか(ラベル等)
A:輸入化学品(危険貨物)の包装、標識は《中華人民共和国商品検験検疫法》
と関連する《国際危規(危険貨物に関する国際規定)》の規定に適合すべきである。

Q:GHSは法律であり、強制力があるのでしょうか。
A:GHSは、法律ではなく、国家基準で運用している。この国家基準の一部は強制
規格であるが、その他任意であるものもある。詳細は、中国の国家基準を参照願いたい。

Q:「化学品分類及び危険性公示通則」(GB13690)と「化学品安全ラベル作成規定」
(GB15258)がWTOに通告されると聞いていますが、いつ頃決定し実施されるのでしょうか。
A:この二つの国家基準は、すでに中国WTO/TBT国家通報諮問センターによって、
WTO/TBTの通告手順に従って、2008年の10月にWTOに通告されている。WTO事務局による
認可プロセスを経て、実施される予定である。

----------------------------------------------------------------------------
[3]中国の環境関連動向        [化学物質国際対応ネットワーク事務局]

1.20万足の皮靴の輸出が「赤信号」に遭遇
ドイツのある輸入会社が、中国の製品に「高懸念物質」と「規制物質」を含んでい
ないことを証明するデータの提出を求めたため、南京にある企業の20万足に上る皮靴
の輸出が「赤信号」に遭遇した。独自の調査によると、その企業はREACH規則の要求
通りに、原料の化学成分を確認しておらず、同社の製品である皮靴に、特定の芳香族
化合物と6価クロムを含んでいないことを証明する測定報告書を提出できていない。
現在、南京輸出入検験検疫局は、それらの靴の測定を行っている。

出典:中国化工情報ネット 3月2日
http://www.cheminfo.gov.cn/05/UI/hottopic/page_hottopic.aspx?
id=14833&Tname=RDZZ_WZ&Caption=行?影?&blm=欧盟REACH法?

2.福建省がREACH規則対応研修を無料で開催
(中国では、無料でビジネス関連の研修がなされることは珍しいのでとりあげました。)
2009年2月24日〜26日にかけて、福建検験検疫局と福建省外経貿庁は中国検験検疫
REACH解決センターと福建検験検疫技術センターの専門家を講師として招聘し、福州市、
三明市、及び泉州市で421社の輸出企業と関係業界団体の606人にREACH規則対応に
関する研修を無料で行った。

出典:中国化工情報ネット 3月6日
http://www.cheminfo.gov.cn/05/UI/hottopic/page_hottopic.aspx?
id=14985&Tname=RDZZ_WZ&Caption=企???&blm=Reach??

----------------------------------------------------------------------------
[4]あとがき            [化学物質国際対応ネットワーク事務局]

各地でソメイヨシノの開花が報告されるようになりました。関東地方は、花冷え
ながらも、芽生えに備えていた草木がいっせいに目覚めはじめ、殺風景だった朝の
通勤風景にも日ごとに春色の兆しが現れるようになりました。みなさまいかがお過
ごしでしょうか。

化学物質国際対応ネットワークでは、去る3月17日に日中韓の実務担当者の方を講師
に迎え、各国のGHSの導入状況を説明するセミナーを開催させていただきました。
このセミナーでは、各国の対応の違いや、これまではっきりしなかった部分が少し
はっきりしてきたのではないかと考えております。なお、一部のご参加いただけなか
った方々には、謹んでお詫びを申し上げます。

今号では、3月に実施した中国化学物質管理に関する現地調査の内容を報告させてい
ただきました。中国の外から見ていたのではなかなか分かりにくいのですが、特徴
ある社会システムの中で、政府と産業界がそれぞれの役割を果たしながら国内外の
化学物質管理に関する対応を進めていることが明確になると同時に、サプライチェ
ーンのコミュニケーションや中小企業の対応が課題となっていることも判明しました。
また、今回調査を行った全ての対象機関または団体等では、化学物質国際対応ネット
ワークと互いに協力して行ける部分があるのではないかということで意見の一致を
みましたので、今後は、相互に情報交換を図りつつ、地域内あるいは国際的に調和
した化学物質管理を目指し、連携を強化して行きたいと考えております。

今年度は、これが最後の国際対応ネットワークメールマガジンの発行となりました。
REACH規則の登録対応や、閣議を通過した見直し化審法などの動向が気になりますが、
科学的な評価に基づくリスク削減を前提とした化学物質管理のグローバルな流れの中
で、より円滑な国内外の対応が進むよう、行政や業界の枠組みをこえたこの化学物質
国際対応ネットワークの果たすべき役割も少なくないと認識していますので、これ
までにも増して活動を強化してまいります。

どうぞ、みなさまのご協力をお願い申し上げます。

----------------------------------------------------------------------------
化学物質国際対応ネットワークマガジンをご利用いただきまして、
ありがとうございます。

■本マガジンは、平成20年度環境省請負業務に基づき、社団法人海外環境協力
 センターが運営しております。
  社団法人海外環境協力センター  http://www.oecc.or.jp/
  環境省総合環境政策局環境保健部 http://www.env.go.jp/chemi/index.html

■原則として、毎月1回の配信を予定しています。
 メールの配信については、回線上の問題(メールの遅延、消失)等により
 届かなかった場合の再送は行いませんので、予めご承諾の上、ご利用ください。
 なお、バックナンバーについては、後日ネットワークのホームページに掲載
 する予定です。

■本マガジンの配信停止・配信先e-mailアドレスの変更及び
 ご意見・ご感想・ご要望等は、以下のホームページよりご連絡下さい。
(このサイトに関するお問合せ http://www.chemical-net.info/contact.html)
──────────────────────────────────────
発行元:社団法人海外環境協力センター
──────────────────────────────────────

ページの先頭に戻る↑