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               化学物質国際対応ネットワークマガジン 第18号[附録]
                     http://www.chemical-net.info/
                            2009/07/02配信
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  当附録は、2009年7月2日に配信した化学物質国際対応ネットワークマガジン
第18号における[2]海外化学物質管理事情(その14)中国新規化学物質環境
管理規則の改正案公示、少量新規制度導入(化学品安全管理研究所 大島 輝夫)
の参考資料です。


第1章 一般事項
1.目的
公衆の健康を確保し、環境を保護するため新規化学物質による環境リスクを制御する
目的で制定する。(第1条)
※なお第19条によれば、労働者の健康または危機に対する対応も含む。

2.適用範囲
対象:新規化学物質の製造、輸入、加工、利用に関連する環境管理を対象とする。
免除:医薬、農薬、獣医薬、化粧品、食品添加物、飼料添加物
ただし、上記製品の製造のための原料と中間物の環境リスク管理は、この規則に従う。
(第2条)

3.用語
新規化学物質:既存化学物質名簿の中国語名にない化学物質(第3条)

4.管理政策
ハザードと ばく露の程度により、新規化学物質は、"一般化学物質"、
"有害化学物質""環境懸念化学物質"に分類するなど。(第4条)

5.中核システム
通関:新規化学物質を輸入する時、国内の輸入業者は、新規化学物質の環境管理の
確認書を税関に示さねばならないことなども含む。(第5条)

6.科学的サポート
新規化学物質の環境リスクアセスメント、環境リスク制御技術、代替品の環境リスク
制御の技術開発の促進など。国は環境にやさしい代替化学物質を開発した機関または
個人に賞を授与する。(第6条)

7.信頼原則
届出に際し、化学物質のハザードと環境リスクに関する、利用できる信頼される
情報を提出する。届出中、またはその後も、当該化学物質に関して新たに入手した
環境リスクに関する情報の提出など。(第7条)


第2章 届出の手続は、以下のものに分かれる。(第8条)
1.  1)一般届出
     2)簡易届出
     3)科学研究記録届出

  1)一般届出
  年間 1,000kg以上の新規化学物質を製造・輸入する時、製造・輸入業者は次の書類
  を環境保護部登記中心に提出
・一般届出様式、物理化学的性質、毒性、環境毒性の試験報告、試験機関の品質証明
・環境毒性試験報告は中国内で、中国の生物を使った試験データを含むこと。
・環境リスクアセスメントレポート:
  申請化学物質とその物理化学的性質のアセスメント、健康リスクのアセスメント、
  環境持続性アセスメント、生物蓄積性と毒性アセスメント、申請物質のばく露概要
  のアセスメント、リスクアセスメントの結論とリスク制御方法、アクシデントの防
  止・危機時の対応、廃棄物および公害の防止と除去、分類とラベルの勧告、MSDS

【筆者注】中国の GLP 制度の紹介文書、GLP 管理状況、届出に関係した所管
  部局の試験機関リストなどが公表されていて、環境保護部の新たな化学物質試験
  機関のリストも含まれている。この中には、登記中心と同じ場所の、中国科学
  研究院国家環境保護化学品環境影響およびリスクアセスメント重点実験室など、
  北京、上海、広州などの17試験機関の名前がある。そのうち9機関は環境毒性試験
  機関である。

  年間製造・輸入量に従い、次の4ランクに分類される。
  申請者は、"The Guidelines for notification and registration of new    
  chemical substances developed by Ministry of Environmental Protection"に
  従い、トン帯域ごとに異なる試験データを提出する。
  i)1トン以上、10トン未満
  ii)10トン以上、100トン未満
  iii)100トン以上、1000トン未満
  iv)1000トン以上

  2)簡易届出
  次の条件の時、製造・輸入業者は簡易届出を行う。
  I)年間1トン未満の製造・輸入量の時:簡易届出様式と中国内で中国の生物
     を使った環境毒性試験報告書を提出
  II)以下の場合は、簡易届出として簡易届出様式と簡易届出を行う証拠書類
     を提出
    i)年間 1トン未満の製造・輸入量の中間物、または輸出のみの新規化学物質
    ii)科学研究のため、年間 0.1トン以上、1トン未満の製造輸入量
    iii)ポリマー 2%より低い濃度のモノマーで、低懸念ポリマー
    iv)年間 10トン未満の製造輸入量の技術的研究開発の新規化学物質で、
        2年間以内に限る。

  3)科学研究記録
    製造輸入量が、年間 100kg未満の科学研究目的の時、製造業者・輸入業者は、
  科学研究記録様式と科学研究記録の届出を、登記中心に提出する。
  登記中心は、その要旨を毎月作成し、環境保護部に提出する。これは政府の 
  ウェブサイトで公開する。

2.便利届出
系列届出、共同届出、繰返し届け出。(第10条)
従来あった、4つ以上の他の国家、または地域経済一体化組織の既存化学物質リスト
に収載されている新規化学物質の扱いの条項が、削除されているようである。

3.試験機関 国内国外の試験機関は GLP の条件、資格をもつこと
中国の試験機関は環境保護部の発行した"The Guidelines for the Testing of    
Chemicals and Guidelines of Chemical Testing Good Laboratory Practices 
(GLP)"に従うこと。(第11条)

4.秘密保持(第12条)
届出者が提出した届出物質の、商業的、または技術的秘密がある場合には、届出文書
に説明すること。人の健康、および環境安全に関する内容は、秘密保持できない。


第3章 登録手続き
1.届出と登録 
届出られた一般届出、簡易届出、科学研究記録の環境保護部の取り扱い。専門家
審査委員会の審査など。専門家審査委員会は、化学、化学工業、健康、安全、環境
保護の専門家から構成される。環境保護部の一般届出に対する決定は、(1)一般
化学物質、(2)有害化学物質、(3)環境懸念があるが、適切なリスク制御対策が
ある化学物質としての登録認可(4)環境懸念があり、適切なリスク制御対策の
ない化学物質として登録拒否(第13条)

2.登録期間
環境保護部は一般届出、または簡易届出を受理してから、20日作業日以内に登録を
認可するか否かを決定する。もし、20日以内に決定できない時は、環境保護部
のしかるべきリーダーの承認により、10日間延長できる。
専門家の審査期間は、上記の期間には含まれない。しかし、一般届出に係る登録の
ための専門家の審査期間は、60日を超えない。また、簡易届出に係る登録のための
専門家の審査期間は、30日を超えない。(第14条)

3.登録内容
登録確認書の内容 (第15条)

4.再登録
規定量を超過した場合の手続き、環境懸念物質の用途変更に係る手続きなど。
(第16条)

5.定期的告示
環境保護部は、毎年登録された新規化学物質の名称と、登録者名を公表する。
(第17条)


第4章 追跡制御
1.リスク制御1
確認書の所持者、加工業者、使用者は、登録確認書の要求に従い、リスク制御の
対策をたてる。労働者の個人保護なども含む。(第19条)

2.リスク制御2
環境懸念の化学物質の登録確認書の所持者は、リスク制御の対策をたてる。
包装に特別ラベルの添付などを含む。(第20条)

3.リスク制御3
加工業者および使用者にリスク・コントロールの対策、MSDS、
分類、警告ラベル、その他の有意義な情報を伝える。(第21条)

4. 最初の活動報告
一般届出の登録確認書の所有者は、最初の製造または輸入物質が最初の加工
業者または使用者に移動した後、30日以内に 新規化学物質の最初の活動報告を登記
中心に提出する。
環境懸念化学物質の加工業者または使用者は、最初の加工または利用した後、30日
以内に新規化学物質の最初の活動報告を登記中心に提出する。
環境懸念化学物質の登録確認書の所有者は、このような化学物質を他の加工業者
または使用者に移動した後、30日以内にその化学物質の行き先についての情報を
登記中心に報告する。
登記中心は、新規化学物質の最初の活動報告またはその化学物質の行き先に関する
情報を受領した時、環境保護部に報告する。(第23条)

5. 年間報告
有害化学物質、環境懸念化学物質の登録確認書の所有者は、登記中心に、毎年2月1日
以前に、前年度の製造輸入情報と、次年度の製造輸入計画を提出する。(第24条)

6. 記録の保存
製造輸入記録を、10年間保存(第25条)

7. 監督通知
環境保護部から、地方政府への通知(第26条)

8. 監督と査察
地方政府の行う監督と査察(第27条)

9. 更新情報
登録確認書の所持者が、登録化学物質の新しい有害性の性質を見出し、化学物質の
環境リスクについて更新情報を提出した場合、登記中心は、その情報を専門家審査
委員会に評価のために提出し、勧告を得て、環境保護部に報告する。(第28条)

10. 暴露と告発
いかなる単位、個人も、この規則の違反行為に対して、暴露、告発、費用請求の権利
がある。(第29条)


第5章 既存化学物質名簿の調整
1.名簿記入
届出化学物質の最初の製造・輸入の日から5年後に、環境保護部は、当該化学物質を
既存化学物質名簿に加える。簡易届出登録の新規化学物質は、既存化学物質名簿に加
えない。(第31条)

2.早期記入
既に届出をしたものは、届出化学物質の最初の製造・輸入の日から3年後に既存化学
物質名簿への早期記入の申請が可能(第32条)

3.取調べ
環境保護部は5年に一度、新規化学物質の調査と、既存化学物質の一斉取調べを行う。
新規化学物質を、届出、および登録なしに、製造、輸入、加工、使用したことが見
出された者は、現在の規則に従い、環境保護部により処罰される。2003年10月15日
以前に、中国内で製造、または輸入された化学物質が見出された場合は、環境保護部
は、既存化学物質名簿に加える。(第33条)

4.追跡管理
環境懸念化学物質は、既存化学物質名簿に一度掲載されると、以後は、有毒化学物質
環境管理規則に従う。(第34条)


第6章 法的責任 
1.環境保護部の罰則
化学物質の環境リスクに関し、新しく得られた情報を適宜提出しない場合などの4
項目の違反に対して、10,000元(約15万円)以上、30,000元(約45万円)未満の罰金。
(第35条)

2.地方の罰則
監督、および査察拒否、などの7項目の違反について、10,000元以上、30,000元未満
の罰金。(第36条)


【筆者注】罰則は、罰金のみで、懲役刑はない。

3.違反の罰則
新規化学物質の環境管理に従事する労働者が、この規則の要求を犯した時、その力を
乱用した時、その義務を無視した時、処罰する、など。(第37条)


第7章 附則
用語の定義(第38条)
関連資料:新規化学物質の各種届出の様式(第39条)
施行期日:2010年10月15日(第40条)

【筆者注】6月25日北京において、この規則案に対して、意見を求める会
(意見征求会)が開催された。
http://www.polymer.cn/polymernews/2009-6-11/_2009611105928687.htm  


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