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               化学物質国際対応ネットワークマガジン 第26号[附録]
                     http://www.chemical-net.info/
                             2010/07/06
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  当附録は、2010年7月6日に配信した化学物質国際対応ネットワークマガジン
第26号で報告したECHAの関係者会議について、セッションごとのECHAの説明や
見解を紹介するとともに、参加者との対話の状況について、概要を紹介します。

(1)REACH規則に基づく登録の要点と支援ツール及び分類と表示に関する届出
[Classification and labelling notification-tips]  Terhi Kuljukka-Rabb, ECHA
CLP規則に基づくECHAへの物質の届出締め切りは、2011年1月3日と間近に迫って
きているため、ECHAは関連情報とガイダンスを22ヶ国語で提供していることが説明
され、CLP規則第40条(1)に基づき、EU市場に物質を上市する製造者あるいは輸入者 
または、当該対象者の任意グループは、ECHAに物質の分類と表示を届出なければ
ならないが、製造者あるいは輸入者のグループの詳細は明記されていないことも併
せて説明された。また、唯一の代理人(OR)は、CLP規則の下では関連規定がなく、
分類と表示に関する権利はないが、OR自身が輸入者であって、上述グループの合意が
あれば届出を行うことができることが示唆された。リード登録者(LR)による登録
一式文書作成に伴い当該物質に関する分類と表示に関する情報も届出られることに
なるが、それ以降に物質情報交換フォーラム(SIEF)メンバーが登録する場合は、
オンラインツール上で自動的に現れるLRの分類と表示結果に合意する「同意
(I agree)」ボタンを選択することが可能であることが示された。なお、具体的
な届出手順などは、22ヶ国語で提供されている実践ガイド及びCLP規則に関する
支援資料(ガイダンス文書やウェビナー)の参照が有用であることも示された。
(http://echa.europa.eu/clp_en.asp)

[IT tools for C&L notification]  Sandrine Lefevre-Brevart, ECHA
CLP規則に基づく分類と表示に関するインベントリーへの届出は、多くの件数が予想
されるもののその質が懸念され、同時に異なるニーズに基づくさまざまな分類と表示
に関するプロファイルがなされることが予想されるため、ECHAにとってもチャレン
ジングな対応となるとの認識が示された。現在、届出を支援するITツールとしては、
IUCLID5.2、バルク届出のためのXML様式、バルクファイル作成のためのエクセルファ
イル、グループ形成用のエクセルツールなどがあり、REACH-IT2.0によりこれらの届
出が可能であり、間もなくオンライン届出とその附属機能として届出情報の確認及
び届出情報の抽出(CSV形式)が可能となる予定であることが説明された。2009年
から2010年現在までの届出件数は、IUCLIDによるものが552件(内452物質を受理)、
バルク届出によるものが86件(502物質を受理)しており、グループによる届出は全
体で82件であることが紹介された。

[Chemical safety report-tips]  Andreas Ahrens, ECHA
化学物質安全性報告書(CSR)に関しては、物質の特性、安全な製造と使用に関する
具体的な条件が特に重要であり、ばく露予測とリスク特性などのばく露評価に対
するより多くの注意が必要であることが説明された。また、LRがメンバー登録者の
製造や用途などの関連情報を全てカバーすることは困難であるため、メンバー
登録者が共同のCSR作成において何が必要とされているかを十分に理解しておくこと
が重要であると同時に、個別のCSRを作成する際には透明性と一貫性の確保が必要で
あることも示唆された。ばく露シナリオは、CSRのためのものと拡張化学物質安全
データシート(eSDS)用のためのものと2種類あることが示され、eSDS用のばく露
シナリオは、CSRためのばく露シナリオから取り出した情報に、ばく露予測とリスク
評価から取り出した情報、及び登録者により安全であると評価された作業範囲に
関するDUへのアドバイスなどが含まれることが説明された。また、ばく露評価は、
全ての対象と個々の環境における関係者、経路、影響のタイプを検討、CLP規則に
基づく危険有害性の検討にとどまらない危険有害性を同定する必要があることが
示唆された。さらに、環境ばく露には、個々のユーザーの生産量に応じたばく露
シナリオが必要で、当該量に応じた排出量や排出ファクターに加え、排出条件や
その状況などに関する情報も必要であることが説明された。最後に、2011年第1
四半期までに、「厳格な管理とゼロ排出」、「廃棄ステージにおけるばく露評価」、
「ばく露評価の適用範囲」に関するガイダンス文書の提供がなされる予定である
ことが案内された。なお、全ての既存ガイダンスの内容は、支援ツールである
Chesarに組み込まれていることが併せて説明され、同ツールの使用が推奨された。

[IT tool for CSR: Chesar]  Helene Magaud, ECHA
CSR作成のためのIT支援ツールであるChesarは、化学物質安全性評価(CSA)を効果
的かつ効率的に支援し、データベースを活用したCSRの作成及び更新、CSA構成要素
の活用と交換、ならびに関連文書の標準化を促進するもので、IUCLID5のプラグイン
として5月12日に公開されたことが案内された。また、Chesarの使用により、PBT評価、
特定用途の記述、ばく露データの提供、リスク評価、CSRの作成(ver1.0では完全対
応ではない。)、ばく露シナリオの作成(予定)などが可能になることも説明された。
ただし、ダウンロードした直後は、内部ライブラリーは空のままであり、産業界など
から提供される必要情報の入力が必須であることが併せて説明された。また、CSR完
全対応を図るChesarの更新版は、2010年7月初旬に提供予定であることが案内された。
(http://chesar.eu/)

【質疑(Q)応答(A)】
Q:REACH規則に基づく登録を実施する物質に関し、CLP規則に基づく分類と表示に
関するインベントリーへの届出は必要か確認したい。
A:分類と表示に関する届出については、CLP規則附属書VIで規定されるハザード
物質の他に、REACH登録物質についても必要である。また、異なった組成
(composition)の場合は、それぞれの組成において届出が必要である。

Q:Chesar1.0のプラグインとCSRプラグインを同時にインストールした場合、障害
が発生するが、その場合の対応はどのようにすればよいのか確認したい。
A:CSRプラグインに含まれる機能は、Chesarでカバーされているため、そちらを
優先すべきである。Chesar更新版ではこのトラブルに対応することになっている。

Q:DUで少量の物質を扱っている場合、特に中小企業(SME)が対応している場合
が多いが、その場合においても、CLP規則に基づく届出が必要なのか確認したい。
また、届出に関し、既存届出情報を簡単に参照できるようにしてもらいたい。
A:取扱量に関係なく届出が必要である。既存届出情報の参照は、オンライン届出
によりインベントリー情報の参照が可能である。

Q:トン帯域により情報要求は異なっており、それぞれにおいて科学的な観点に基
づく情報提供が規定されているが、どのような品質情報が求められるのか法的な
基準が明確でない。
A: DUは、上流の原料メーカーがその物質を登録する際に分類と表示に関する十分
な同定が可能となるように、品質の高い情報を提供する必要があるが、企業秘密
に抵触しない情報提供は可能であると認識している。

Q:Chesarにおける機密性情報の管理はどのように対応しているのか確認したい。
A:EC内で協議中であり、近いうちに結論が出る予定である。

Q:分類と表示に関する届出は、同じ物質に関し異なる分類がなされることがある
のではないか。
A:可能なデータを用いて分類と表示を行うことが基本であり、かつ、SIEFやグル
ープでは分類と表示に関する同定結果を合意することになっているため、その問
題はある程度回避できるのではと認識している。

Q:物質の同定における読み取り法やグルーピングなどの間接的な手法の位置づけ
を確認したい。
A:物質の同定を明確に実施することが登録の前提であるが、個別の問題に関して
はECHAの専門家に相談願いたい。TCCツールにより確認することも可能である。

Q:ECHAの説明では、ORが輸入者であり、かつ関係者の同意が得られている場合に
限り、CLP規則に基づく届出対応が行えるということであったが、OR全てが輸入者
ではないことを考慮すべきであり、その観点から届出における対応を確認したい。
A:ORは、CLP規則の中では規定されていない。しかしながら、繰り返しになるが、
ORが輸入者であり、かつ、SIEFあるいはグループ内で、当該ORが届出を行うこと
に同意している場合は、届出が可能である。同様な内容は、FAQでも説明されている。

Q:締め切り直前の大量の駆け込み届出が予想される中で、REACH-ITシステムに
障害が発生しないかどうか確認したい。また、障害発生時は書面の提出を持って
届出手続きを代替することが可能か確認したい。
A:多くの物質の届出を行う場合は、バルク届出が利用可能である。オーバーロード
等の障害発生時は、バックアップシステムに切り替わるようになっている。

Q:1000トン以上の物質の登録を行い、分類と表示に関しては、既存の可能なデータ
を用いて判断した。CLP規則では、新たに毒性試験及び生態毒性の実施が義務付け
られていないが、新たな物理的化学的試験データは必要なのか確認したい。
A:CLP規則では、新たな毒性試験及び生態毒性試験を要求していないが、物理的
化学的データは必要である。定量的構造活性相関(QSAR)等の他の関連情報も含
めて対応願いたい。データ提供マニュアルやインダストリーマニュアルを参照し、
最適なデータの活用を図るようにしてもらいたい。

Q:グループ届出において、REACH規則に基づく段階的登録物質の期限である2013年
及び2018年における対応はどのようにすべきなのか確認したい。
A:CLP規則に基づく物質及び混合物の各期限までに届出をすることが必要である。

Q:CLP規則に基づく分類と表示に関し、多くの物質にはデータがない状況であるが、
それでも届出は必要なのか確認したい。
A:個別のケースで相談対応したい。

(2)登録と評価からのフィードバック
[Feedback from registration] Kevin Pollard, ECHA
ECHAは、産業界へのヒアリングや独自の調査に加え、指名されたLR数、過去の類似
経験などを参考にREACH規則に基づく登録数を予測しているが、今のところは
約5000件程度になると想定(4515件の登録が意図される物質を既に公開している。)
しており、メンバー登録者からの一式文書の提供は、約38,000件程度と推測してい
ることが統計データに基づき説明された。登録プロセスにおいては、限られた期限
内でのビジネスルールの確認、TCC、支払い状況確認などのハードルがあるが、登録
を成功させるには、先ずはビジネスルールをパスすることが必要であり、そのため
にはデータ提供マニュアルの該当部分やLRのための関連ウェビナーを参照し、簡潔
な一式文書を提供することが重要であることが示唆された。TCCをパスするためには、
TCCツールを用いることが重要で、失敗した場合においても、データ提供マニュアル
の詳細内容を参照し、不足情報の収集に十分な時間を割くとともに、必要に応じて
ヘルプデスクなどにコンタクトするなどして対応することが重要であることが説明
された。料金の支払いに関しては、請求書発行から44日間の最大延長期限内までに
実施しなければ、自動的に登録請求が棄却されることも説明された。

[Feedback from dossier evaluation] Wim De Coen, ECHA
登録に関するコンプライアンスチェックは、必要とされる情報要件を満たしているか、
その適用に正当性があるかを確認するものであり、一定割合(トン帯域毎に5%)の
一式文書に対し適用するもので、場合によっては、追加情報の請求や、情報の不足
や更新を指摘する品質監視レター(Quality observation letter)が発行されるこ
とが説明された。また、試験提案の評価は、附属書IX及び附属書Xの規定に基づき
実施されるもので、試験方法の正当性と妥当性を確認することにより、不必要な動
物試験を回避することが、併せて説明された。登録者への提言として、意思決定プ
ロセスにおける計2回のコメント機会(ECHAのドラフト作成段階及びMSCAからECHA
への修正要求段階)を有効に活用し、要求された情報の提供を行い、一式文書の
コンプライアンス向上を図ることが重要であることが示唆された。これまでの実績
から、要求された情報の提供に未習熟で、あまり議論(コメント)せずにECHAの決
定に安易に従う傾向があり、新規あるいは追加の科学的/実験的情報の提供が少な
いことが説明された。その結果、科学的かつ透明性をもった情報の正当性が提示さ
れることなく、安易な追加試験が最終的に行われることに繋がりかねないことが説
明された。一式文書の質に関し、不足あるいは不適切な正当性の事例として、動物
試験が最終手段として使用されていたり、法制度文書の条文で規定された標準的な
要求に応えていなかったり(附属書VIと附属書VII-X,2)、不適切な正当化(詳細
に要求されているレベルの不足、科学的な根拠が不十分な例証)が図られていたり
することが例示された。これらの解決には、グルーピング、読み取り法の活用、
QSARや重要な証拠(WoE)の適用が推奨された。また、ロバスト研究要約報告に関
する具体的な関連文書の参照も重要であることが併せて示唆された。また、中間体
に関しては、中間体要件の不適切な適用、情報の不足、厳格な管理条件やリスク管
理手法などに問題が散見されることも紹介された。
(http://www.echa.europe.eu/publications_en.asp)

【質疑(Q)応答(A)】
Q:登録の際に、可能なデータ(available data)は、企業側で可能性を判断して
よいのか確認したい。
A:「to you and to all member」という解釈でることに留意願いたい。ばく露経路
やカットオフ値等の情報、結果に相違がある研究報告等、広範囲に渡る安全関連情
報が必要である。

Q:SIEF内での情報共有が基本であるが、コンソーシアムが先行している場合があり、
簡単なデータの取得に高額な料金が要求されるケース等があり、データの共有を阻
害しているが、ECHAの見解を質したい。
A:登録者及びSIEF次第である。データの共有は原則であり、コンソーシアムはECHA
のスコープ外である。関連する協会などに相談することが考えられる。

Q:登録一式文書の評価には、対面式の手法が取り入れられるとされているが、実際
には行われていないと認識している。ECHAの見解を質したい。
A:対面方式の評価は、まだまだ少ないと認識している。評価に要する時間の制約も
あるが可能な限り努力したい。

Q:IUCLID5において複雑な混合物の場合、必要に応じて分類と表示に関する情報等
の更新をするのか確認したい。
A:必要に応じて更新願いたい。情報の更新にはコストが発生しないが、ただし、
製造量がトン帯域を超える場合にはコストが発生する。

Q:一式文書の評価において、動物試験あるいはその代替試験が承認される場合と
その頻度を伺いたい。
A:動物試験及び代替試験に関しては、要件の適用により判断するが、一式文書の
提出数がまだ限られていることもあり、これに回答するのはデータの蓄積が必要
である。

Q:一式文書が、コンプライアンスチェックにおいて棄却される場合はどのような
ケースが想定されるのか確認したい。
A:不適切な情報の提供や不足が見られる場合は、ECHAは何が必要なのかを提示し、
追加情報の提供を請求する。

Q:CLP規則に基づく届出において、2013年及び2018年に、当該物質のCMR分類が変
更される可能性があるのではないか。その場合、どのように対応するのか、届出
に関する締め切りの延期があるのかも含めて確認したい。
A:CLP規則に基づく物質の分類と表示に関する届出について、物質に関する締め
切りは、あくまでも2010年が締め切りである。締め切りの延期はない。

Q:ORに特化したガイダンスやマニュアルは、作成予定があるのか確認したい。
A:テクニカルマニュアルが参考になると認識している。

Q:CLP規則に基づく物質の分類と表示に関する届出後、その結果により登録一式
文書の更新が必要なのか確認したい。
A:必要により更新が必要となる。

(3)情報公開
[Overview of the dissemination website] Catherine Cornu, ECHA
ECHAの情報公開サイトには、登録者により合意された約150件の物質の情報が既に
公開されており、安定したアクセス数の推移を見せていることが紹介された。また、
情報公開は、登録が完了した後に、登録一式文書をフィルターにかけREACH規則
第119条で規定される所定の情報を取り出した後に(共同提出の場合は、全ての
一式文書から情報が抽出され、一つの一式文書に集約)、ECHAのウェブサイトで
公開されることが説明された。フィルタリングに関するIUCLIDプラグインは、2010年
6月に提供予定であることが案内され、公開される予定の情報を事前に確認すること
が可能となることが説明された。登録者が、非公開請求を行う場合は、非公開とする
正当性に関する事由を示すことが必要であり、そのための具体的なアドバイスを近日
中に公開予定であることも示唆された。
(http://apps.echa.europa.eu/registered/registered-sub.aspx)

[Value of the dissemination website for workers]
           Tony Musu, European Trade Union Confederation (ETUC)
REACH規則第119条(2)に基づき提供される情報で、労働安全衛生面から注目すべき
ものは、製品中に含まれる物質の純度や不純物濃度に加え、生産量、ロバスト研究
要約報告書に記載された物理的化学的データ、環境運命、SDSに含まれる情報、
IUPAC名、ばく露限界などであることが紹介された。また、REACH規則第119条(2)
に基づく非公開請求の正当性に関する労働者側の要求としては、ハザード性の高い
物質の機密性保持に関しては、ECHAは労働者の安全を考慮して検討することが必要
であり、危険有害性情報の証明は、登録者の責任(ECHAや一般市民の責任ではない。)
ことを再認識すべきであるとの見解が述べられた。さらに、情報が非公開になった
としても、ECHAのウェブサイト上では、空欄ではなく、きちんとその状態を明示
すべきであることがECHAに提言された。

[The importance of dissemination] Antonello Lapalorcia, ECHA Management
Board
ECHAの理事会(MB)は、REACH規則における情報公開の要であり、第118条(3)に
基づき、非公開請求の一部、または全てを棄却できることが紹介された。情報公開
に関するロードマップは、2009年7月からMBで検討されてきており、別途、専門作業
部会(MBAG)が2009年9月に形成され、ECHAの情報公開プロジェクトをモニタリング
すると同時に、ECHAに戦略的なアドバイスを与えていることが説明された。MBAGは、
2009年11月から、非公開請求の有効性を法制度に照らし関係者(EC、OECD、CEFIC、
NGOなど)とともに検討していることが、併せて説明された。また、MBが進めている
段階的なパイロットプロジェクトに関する一般からのコメントを歓迎していることも
併せて説明された。
(https://comments.echa.europa.eu/comments/disseminationFeedback.aspx)

[Challenges for the SMEs] Marko Susnik, UEAPME
欧州クラフト・中小企業同盟(UEAPME)は、中小企業の団体が集まった組織であり、
84団体、計12百万法人、50百万人から構成されていることが冒頭紹介され、文化的
背景、言語、関心事項などが異なっているため、ECHAのガイダンス文書や他の情報
ツールが、日常の業務と情報伝達には不可欠であることが説明された。また、関係
するセクターが多岐に渡っているため、REACH規則における関心事項を絞り込むこと
は非常に困難、かつ、情報戦略を標準化することも不可能に近いことが紹介される
とともに、従業員が5〜50人以下のビジネス単位では、REACH規則対応を実現するこ
とは不可能に近いことが併せて説明された。さらに、このような中小企業の状況に
対し、加盟国ヘルプデスクからの回答は一般的な内容に終始し、外部のコンサル
テーション等の支援が必要となっているもののコスト負担が課題であることが提示
され、中小企業にとっては、REACH規則対応は、過負荷となっているだけでなく、
従業員を苦しめているため、簡単かつ簡潔、具体的に問題を特定したガイダンスの
提供、多言語支援ツールの提供が必要であることが示唆された。

[Industry perspective] Erwin Annys, CEFIC
産業界は、機密性情報が公開された場合の事後救済措置に限定した対応だけでは、
非常に深刻な問題が生じることを説明し、登録者は直ちに登録一式文書における
情報公開対応を検討する必要があることを啓発すべきであることが示唆された。
また、情報公開プラグイン機能に加え登録料金計算機能を備えることは、物質登録
予定者の利便性を向上させるだけでなく、インセンティブにもなるとの認識が示
された。さらに、コンソーシアムにおける機密情報の管理は、企業に損害を与える
可能性があるため非常に限られたメンバーに限定されており、それを公開すること
は登録者あるいは第三の代理人に深刻なダメージを与える可能性があることが示唆
され、コンソーシアムとして現段階における一般への情報アクセスが準備できてい
ないことが説明された。産業界は、非公開請求が差し戻された場合には、再請求の
ための十分な時間が確保されるべきであり(改めてSIEFにおける議論が必要になる
場合があるため。)、非公開請求の承認/不承認の区別は、一般社会における安全
な使用を向上させるという目的を持つ情報公開と、関連文書(情報)への一般のア
クセスを確保することを総合的に比較検討し決定すべきであることが提言された。
また、機密性情報の保持は自己申告が基本であるが、一方でECHAの役割は、透明性
のある判断基準に基づく合理的かつ正当な要求かどうかの確認に限られるべきであ
るとの見解が示された。

【質疑(Q)応答(A)】
Q:物質の用途も公開されると説明があったが、機密性情報ではないのか確認したい。
A:REACH規則第118条に基づき、物質の詳細な用途はSDSで公開することになっている。

Q:ECHAのウェブ上の情報とIUCLID5上の情報に差異があるケースが散見されるが、
ECHAの見解を質したい。
A:IUCLIDでも関連情報は、ダウンロードできるが、ウェブ上の情報が包括的なもの
であるのでそちらを優先して利用いただきたい。

Q:物質ごとに、1企業1用途しかない場合は、特に問題はないが、複数の企業が
それぞれの用途を持ち、トン帯域においてもその用途は異なっているという状況下
で、その用途情報の取りまとめはどのようにすべきなのか確認したい。
A:この課題に対しては、現在作業中であり、トン帯域で分けることも含めてとり
まとめ方を検討している。

Q:試験方法の公開はどのようにするのか確認したい。また、試験方法の特許などに
関する情報の保護はどのようになるのか確認したい。
A:フィルターツールは自動的に抽出を行うので、機密情報を公開部分に入力しない
ようにしていただきたい。試験方法の特許などに関する対応は、登録者が検討すべ
き内容である。

Q:CLP規則に関し、SMEなどは安全性の判断などが十分にできないのではないか。
A:REACH-ITのオンライン届出を活用し、先ずは届出がなされているかどうかを確
認し、専門的な内容に関しては、ECHAに直接相談いただきたい。

Q:CEFICのポリマー中のモノマーに関する見解は、ECHA等当局とのコンサルテーシ
ョンを経たものか確認したい。
A:あくまでもCEFIC独自の見解である。ECHAからのいかなるリアクションも受けて
いない。

Q:CLPインベントリーは、2013年及び2018年のREACH規則に基づく登録により精緻
化が図られるのではないか。それなのになぜ、2010年を締め切りとしているのか
確認したい。
A:2010年に届出を行い、その情報に基づいてインベントリーを作成していくが、
登録者は、必要に応じて情報を更新して行くことが求められている。

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