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       化学物質国際対応ネットワークマガジン 第36号
          http://www.chemical-net.info/
              2011/08/25 配信
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このメールマガジンは、化学物質国際対応ネットワークのウェブサイトから
配信登録をされた方を対象にお送りしています。

第36号は、以下の内容をお送りいたします。
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☆ [1]海外化学物質管理事情   化学品安全管理研究所 大島輝夫
☆ [2]中国の環境関連動向    化学物質国際対応ネットワーク事務局
☆ [3]あとがき         化学物質国際対応ネットワーク事務局
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[1] 海外化学物質管理事情(その24)
米国有害物質規制法(TSCA)改正法案、上院に再上程
                  [化学品安全管理研究所 大島輝夫]

 TSCAは1976年に公布されて以来、本文は一度も改正されず、各方面から改
正の必要性が指摘されていた。2010年には上院に4月15日、下院に7月22日
改正法案が上程され、何れも公聴会が開催されたが、2年間の会期が昨年末終
了し、規定により何れも廃案となった。それまでにEPA(環境保護庁)は、20
09年9月TSCA改正の基本原則を公表している(メルマガ2009年21号参照)。
昨年の上下両院の改正法案の概要は、メルマガ2010年25号、2011年32号附
録に紹介している。米国の法律は、全て議員提案であり、それらの法案を審議
するか否かは、上院下院各々の多数党が任命する関係委員会の委員長の権限で
ある。昨年11月の中間選挙で、上院は1/3、下院は全員が改選され、現在も上
院は民主党が多数党であるが、下院は共和党が多数党となっている。
 
 2010年に上院にTSCA改正法案S.3209を上程した民主党のFrank R. Lautenb-   
erg上院議員は、2011年からの新しい上院においても、Committee on Environ-   
ment and Public Worksの委員長で、2月3日TSCA改正法案提出前の公聴会を
開催しEPA、米国化学工業協会(ACC)、ドイツの化学会社(BASF)、環境NGO
(NRDC)、学識経験者などから、意見聴取を行った。この公聴会においてEPAは、
上記のTSCA改正の6原則を説明した上で、現在TSCA の既存化学物質名簿には、
約84,000の化学物質が収載されているが、そのうち約17,000は、CBI(企業秘
密情報)等の理由で、化学物質情報の理解を妨げているので、CBIを制限すべき
であると述べている(現在のTSCAでは審査なしにCBIが認められる)。また、ACC
は、TSCAの近代化の必要性には同意するが、議会が米国の国際的競争力を保持し、
州や市が独自の法を制定する動機を除くように行動することを主張している。
ACCは、製造業者や小売業者と“good TSCA modernization”と呼ぶ連合を設立
しているが、TSCAの改定では、科学的客観性のあるデータと情報の必要性を確
認することを優先し、化学物質の用途を考慮したリスクベースの安全基準を用
いた行動をとるべきだと述べている。
 
 さらに、共和党の2人の上院議員もTSCA改正にあたっての意見を述べている。
これらの意見を参考にして、Lautenberg上院議員は昨年のS.3209法案とはかな
り内容の異なるS.847:Safe Chemicals Act of 2011を、4月14日に8人の民
主党上院議員と1人のIndependentとともに上院に上程した。
 
 これに対しACCは、TSCA改正の必要性を認めてはいるが、今回のS.847につ
いては、米国のイノベーションと職場をリスクに陥れると意見を述べている。
Lautenberg上院議員は、今年88歳であり任期を終えるときには90歳なので、
今期で引退すると思われる。そのため、TSCA改正に執念を燃やしており、ワシ
ントンに有名女優を招き、テレビの人気番組で化学物質の子供に対する影響な
どTSCA改正のキャンペーンを催している。また上院の前述のTSCA改正公聴会
で意見を述べたInhoff共和党議員と改正について会談したりして、今夏までに
具体化すると言っていたが、今のところ公聴会を開いた様子もなく下院の動き
もないようなので、ワシントンのJapan Technical Information CenterのPre-
sidentの宇山裕氏に様子を聞いたところ、米国議会は、“債務上限を引き上げ
る法案”にかかりきりで、その他の件は、それどころではない状態だったとの
ことである。この法案は成立したが、これから夏休みに入り、来年は大統領選
挙があり、あるいは共和党が勝つかもしれないので、その結果待ちとの空気も
あるとのことであった。
 
 共和党は一般にEPAの規則を制限する方向であり、TSCA改正にどのような姿
勢を示すかは不明で、たとえ上院でTSCA改正法案が成立しても、下院で何ら
かの改正法案が成立し、両院協議に持ち込まなければ、来年12月末の会期終
了時に廃案となるので、Lautenberg 上院議員は、今秋には上院で公聴会を
開くと思われる。なお、念のために付け加えると、米国の議会は、党として
まとまって投票することはなく、各自の判断で、賛否を投票するようである。

【S.847:Safe Chemicals Act of 2011の内容については附録に掲載しており
ます。】


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[2]中国の環境関連動向
                [化学物質国際対応ネットワーク事務局]

1.電子電気製品における6種類の使用制限物質の測定方法と限界基準値の発布
 中華人民共和国国家品質監督検験検疫総局及び中国国家標準化管理委員会は
GB/T 26125-2011《電子電気製品に6種類の使用制限物質(鉛、水銀、カドミウ
ム、六価クロム、ポリ臭化ビフェニル、ポリ臭化ジフェニルエーテル)の測定
方法》及びGB/T 26572-2011《電子電気製品における使用制限物質の限界基準値》
を公布した。この基準類は、2011年8月1日から施行される。

出典:中国基準情報ネット (6月3日付)
http://www.chinaios.com/guojiaDT/17110038323.htm

2.有毒化学品申告システムソフトのダウンロードについて
 環境保護部化学品登録センターは、2011年6月28日に有毒化学品輸出入登録
の申告システムソフトを5.1版にアップグレードした。同ソフト5.1版では、各
税関コード等の情報が更新されており、以下のURLからダウンロード可能であ
る。
http://www.crc-mep.org.cn/download/tcwasn50.zip

出典:環境保護部化学品登録センターホームページ (6月28日付)
http://www.crc-mep.org.cn/news/NEWS_DP.aspx?TitID=102&T0=1&Language
Type=CH&Sub=1

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[3]あとがき                  [化学物質国際対応ネットワーク事務局]
立秋が過ぎ、暦の上ではもう秋となりました。残暑厳しい日が続いていますが、
打ち上げ花火の音とともに慌ただしい蝉の鳴き声が消えて行くのを想像すると
さみしい気持ちになります。みなさまはこの猛暑をいかがお過ごしでしょうか。
 今号では、アメリカのTSCA改正案(Toxic Chemicals Safety Act/ S.847)
の動向とその内容についてお伝えしました。
 化学物質国際対応ネットワークでは、今後も米国TSCA改正の動きや欧州REA
CH規則のような世界各地で進められている化学物質管理の見直しや変更などに
関する国際的な化学物質管理対応に加え、化学物質管理に関する日中韓等の地
域連携情報などもお伝えして行く予定です。
どうぞよろしくお願い申し上げます。

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