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       化学物質国際対応ネットワークマガジン 第41号
          http://www.chemical-net.info/
              2012/3/9 配信
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このメールマガジンは、化学物質国際対応ネットワークのウェブサイトから
配信登録をされた方を対象にお送りしています。

第41号は、以下の内容をお送りいたします。
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☆ [1]海外化学物質管理事情    化学品安全管理研究所 大島輝夫
☆ [2]欧州化学物質管理の最新動向
                                    化学物質国際対応ネットワーク事務局
☆ [3]中国の環境関連動向         化学物質国際対応ネットワーク事務局
☆ [4]あとがき                   化学物質国際対応ネットワーク事務局
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[1]海外化学物質管理事情(その27)  
カリフォルニア州政府「Green Chemistry ‐ Hazard Traits」の施行及び
「Safer Consumer Products」の暫定規則案の公表について
                                     [化学品安全管理研究所 大島輝夫]

1.カリフォルニア州グリーンケミストリ法

カリフォルニア州政府は、2008年12月16日に
「Green Chemistry Initiative Final Report」の中で6つの政策を発表した。
カリフォルニア州環境保護庁(CAL/EPA)環境保健有害性評価部(OEHHA)(*)
は、勧告4「化学物質の有毒性と有害性に関するオンライン・データベース
<オンライン有毒物質クリアリングハウス>」に従い、上院法案SB509の規則
として2012年1月19日に「Green Chemistry ‐ Hazard Traits」を施行した。
また、カリフォルニア州有害物質管理局(DTSC)は、勧告5「人の健康と環境
影響の懸念化学物質とその代替策を評価するための体系的で科学的根拠に基づ
く新たなプロセスを創出し、より安全な製品を追求し加速する。」に従い、
下院法案AB1879に基づく従来の規則案を修正し、2011年10月31日に
「Safer Consumer Products」の非公式規則案を公表、パブリックコメントを経
た後に、その結果についても公表した。

*OEHHAは、カリフォルニア州環境保護庁(CAL/EPA)の一部門であり、他の部
門として大気資源院(ARB)、農薬規制局(DPR)、有害物質管理局(DTSC)、
州水資源管理院(SWRCB)の4部門がある。

2.「Green Chemistry ‐ Hazard Traits」の通知について
この規則制定作業は、消費者製品に使用される化学物質についての有害特性
(有毒性、環境性、ばく露可能性、物理的特性)、有毒及び環境のエンドポイ
ント及びその他の関連情報を明確に示すことにより、SB509の内容の一部を施
行する。これらの有害特性やエンドポイント、その他の関連情報は、DTSCが有
毒物質情報クリアリングハウスを開発するために用いられる予定である。
http://www.oehha.ca.gov/multimedia/green/gc011912.html

3.「Green Chemistry - Hazard Traits」の内容について
 「Green Chemistry Hazard Traits For California’s Toxics Information 
Clearinghouse」(CCR, Title22, Division4.5, Chapter54)

内容についての特記事項を以下に示す。
<目次>
  第1条 概要
  § 69401 目的と適用性
     当局、市民、企業、公的機関の科学者と技術者が消費者製品の化学物質
     を評価するために利用される。
 § 69401.1 有害特性の枠組み
 § 69401.2 定義
 (b)認定機関として、EU、国連などが含まれる。
 (c)化学物質とは粒形物質、繊維、放射性物質、代謝物、分解生成物も含む。
 
  第2条 毒性有害特性‐発がん性、発生毒性、生殖毒性
  § 69402  概要
 § 69402.1 発がん性
 § 69402.2 発がん有害特性の証拠
 (a)発がん性の強い証拠となる資料を列記している。例えば国際ガン研究機
      関(IARC)の1、2A、2B及びGHSのカテゴリー1などである。
 (b)発がん性を推定する根拠として、例えばIARCの動物に対する発がん性の
      限られた証拠を挙げている。

  その他に、発生毒性、発育毒性についても記載している。

  第3条 その他の毒性の有毒性の特性
     心血管毒性、内分泌毒性、皮膚毒性、遺伝毒性、免疫毒性、眼に対する
    毒性などが挙げられている。

  第4条 環境有害性特性
  第5条 ばく露可能有害特性
  第6条 物理的有害特性
   一般、燃焼、爆発、引火性が記載
  第7条 追加する関連事項
  概要及びばく露‐反応関係、物理的性質等の項目がある。
 
4.「Green Chemistry - Hazard Traits」のパブリックコメントの結果とそれ
に基づく改正

   OEHHSは2010年12月に第一案を公示し、公聴会及びパブリックコメントを通
  したコンサルテーションを2回実施して規則案の修正を行い、さらに3回目の
  パブリックコメントを実施した。規則案の修正は、ほとんどが語句の追加及び
  修正であった。パブリックコメントについては、米国化学工業協会(ACC)等
  の業界団体、ダウ・ケミカルなどの化学企業、環境保護団体などの計25組織か
  らであった。
    パブリックコメントの内容としては、OEHHAの有害特性の明細内容と、次に
  記すDTSCが計画している「Safer Consumer Products(AB1879)」の規則案と
  の整合を求めたものであった。これに対してOEHHAは、この規則を進めるに当
  り、DTSCと協議している。さらに、この規則をAB1879の規則案の優先化学物
  質の選定に役立つなどと述べ、修正点はないと回答している。

5.「Safer Consumer Products(AB1879)」の規則案の内容について

   「Safer Consumer Products(AB1879)」は、DTSCが所管する消費者向け製
   品中の化学物質をより安全な代替物質にするための規則案であり、これまで
   にも規則案を示して意見を求めてきたが、2011年10月7日に再び非公式の規
  則案を公表し、非公式意見募集を行った。これに対して非常に多くの意見が
   集まり、2012年1月20日にその非公式意見結果は公表された。またDTSCは、
   この規則案の要旨を2011年10月31日に公表している。

6.「Safer Consumer Products(AB1879)」の非公式規則案の要旨について

    DTSCが2011年10月31日に公表した16ページの要旨に従い、内容の主要点を
   解説する。

   <I 規制の概要>
   A)4段階のプロセス[Section69501(a)]  
     より安全な消費者製品に代替することを確認するために、4段階の連続的
   で、科学的根拠に基づいた、繰り返しプロセスを行う。以下に、DTSCと製造
   業者が実施する4階のプロセスを示す。
  【第1段階】DTSC
     既に他の権威ある機関が実施した作業に基づいて、約3,000の懸念化学物
   質リストを作成し、さらにCOCs(Chemicals of Concern)として追加する化
   学物質を同定するプロセスを明確化する。
  【第2段階】DTSC
      代替アセスメントの実施が求められる“優先製品”のリストを開発するた
    めに、製品/COCの組合せを評価し、優先製品を選定する。
  【第3段階】製品製造業者
     責任者(製造業者、輸入業者、流通業者)は、その製品が優先製品として、
   リストされている時はDTSCに届け出る。DTSCは、この情報をウェブサイトに
   公示する。責任者は、優先製品としてリストされた製品について、製品と製
   品中の化学物質について、どのようにしてばく露の可能性を制限し、または
   それによる公衆の健康と環境についての有害可能性のレベルを制限する目的
   で、どのようにするのが最も良いかについて決定するために、製品と懸念化
   学物質について、代替アセスメント(AA)を実施せねばならない。
  【第4段階】DTSC
     もし製造業者が優先製品を保持するならば、懸念のある優先製品/化学品
   によって示される、あるいは優先製品を置換するために選んだ代替化学品/
   製品による有害影響の可能性が例えあるとしても、市民の健康影響/環境影
   響の可能性を効果的に制限する規制措置を定め、これを課すことが要求され
   る。DTSCは、誰でもあるいは如何なる権威(連邦及び他のカリフォルニア州
   官庁を含む)が懸念リストの化学物質または優先製品リストに製品/化学組
   織を追加することをDTSCに申立てするプロセスを作る。

   B)免除[Section69501(b)]
    危険な処方医薬、製造その包装材料など、免除物質が掲載されている。

   C)法令遵守の責任
   (1)責任の求められる製造業者には、製品の設計者なども含む。また、製
     品の輸入者も責任を求められる。

   D )〜 H)にかけては、ノンコンプライアンスに対する対応や、製品情報の
   取り扱い、DTSCウェブサイト上への情報提供、紛争条項、補佐官の任命など
   が記載されている。

   I)商業秘密
    届出者による商業秘密の申請があった場合、カリフォルニア州の「Health 
   and Safety Code section25257」及び「California Public Records Act」
   によって処理する。

   <II 化学物質と製品の優先順位付け>
   A)懸念化学物質(COCs)の同定が記載されている。
  
   B)(1)(a)悪影響の中には、子供、妊婦、その他の影響を受け易い可能
  性のある集団も含む。ばく露の可能性として、製品の製造、生活における使
   用、最終廃棄、製品の管理の過程も対象とする。

   C)、D) 懸念化学物質リストへの掲載方法や関係者の申立方法が記載され
   ている。

   E)(3)取るに足らないレベル(de minimis level)
   ●生物蓄積性、発がん性、発生毒性、内分泌毒性、遺伝毒性、免疫毒性、神
   経毒性、生殖毒性、残留性という9特性またはエンドポイントを示す化学物
   質の場合は重量0.01%
   ●上記9の特定の有毒特性、環境及び毒物的エンドポイントを示さない化学
   物質の場合は重量0.1%。
   ●優先製品リストにおいて、仮にDTSCにより特定されるより低いか高い濃度
   の場合
  
   <III>以降では、代替アセスメント(AA)のプロセス等について、詳しく述
   べている。

http://dtsc.ca.gov/LawsRegsPolicies/Regs/upload/SCP-Regulations-Informal
-Draft-Summary-10312011.pdf


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[2]欧州化学物質管理の最新動向     
                               [化学物質国際対応ネットワーク事務局]

1 C&Lインベントリが公表されました
 2012年2月13日にECHA(欧州化学物質庁)より、C&Lインベントリが公表され
ました。このインベントリには90,000以上の物質を含む300万件以上の提案文
書が登録され、利用可能となっています。今後も定期的にアップデートされる
予定である。

C&Lインベントリ
http://echa.europa.eu/web/guest/information-on-chemicals/cl-inventory
-database

出典:ECHA News(2012年2月13日)
http://echa.europa.eu/web/guest/view-article/-/journal_content/07005f81
-abf1-4081-973b-6c7c526c39df

2 ノルウェーの分類と表示についての独自の規制
 ノルウェー環境省気候汚染局(Klif)は、EUのCLP規則とは独立した独自の
化学物質の分類及び表示に関する規制を打ち出すことを提案している。現行
のノルウェーの規制は2015年6月1日にEUのCLP規制の適用義務の発生と同時に
廃止されるが、それとは別に、これまでの規制に含まれていなかった化学物質
についての申告要件を増やす予定である。パブリックコンサルテーションの期
限は2012年5月13日となっている。

出典:Klif News(2012年2月13日)
http://www.klif.no/no/Aktuelt/Nyheter/2012/Februar-2012/Forslag-om
-utvidet-kjemikalieregistrering-pa-horing/

3 REACHの認可物質が8物質追加されました。
 2012年2月15日のEU官報にて、8つの認可物質がREACH規則附属書XIVに収載さ
れることが発表されました。これにより、認可物質は合計14物質となった。

【新たに認可物質に追加された8物質】
(1)Diisobutyl phthalate (DIBP)
(2)Diarsenic trioxide
(3)Diarsenic pentaoxide
(4)Lead chromate
(5)Lead sulfochromate yellow (C.I. Pigment Yellow 34)
(6)Lead chromate molybdate sulphate red (C.I. Pigment Red 104)
(7)Tris (2-chloroethyl) phosphate (TCEP)
(8)2,4-Dinitrotoluene (2,4-DNT)

参考:EU官報(2012年2月15日)
http://www.chemical-net.info/pdf/eu_list_20120215_en.pdf

和文仮訳:
http://www.chemical-net.info/pdf/eu_list_20120215_jp.pdf

4 REACH規則の要求データとしてOECD TG443(拡張一世代生殖毒性試験)を
採用
 ECHAはREACH規則における登録の要求データとして、条件付きでOECD TG443
を採用しました。これにより登録者は繁殖毒性試験として、OECD TG416(二
世代生殖毒性試験)またはこの条件付きのTG443のどちらかを選択できるよう
になった。
 この条件は、F2世代を産むためにF1世代の動物を対にするために群(コホー
ト1B)を離乳する時期まで拡大させることである。

出典:ECHA News(2012年2月15日)
http://echa.europa.eu/web/guest/view-article/-/journal_content/11d02889
-6a85-4f17-a6c3-b749a2a54963

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[3]中国の環境関連動向          [化学物質国際対応ネットワーク事務局]

1 「危険化学品開発計画」発布
 中国工業情報化部は2012年2月10日に「危険化学品「十二五」開発計画」を
公布した。この計画によると、危険化学品産業は特定地域に立地され、政府に
より集約的に管理される予定である。現在、危険化学品インベントリに収載さ
れている化学物質3823種のうち、危険化学品に分類されているのは335種であり、
また、中国化学工業業界で使用される原料及び製品の80%は危険化学品に属し
ているという現状がある。

出典:中国環境報(2012年2月10日)
http://www.miit.gov.cn/n11293472/n11293832/n13918184/n14451406.files/
n14450228.pdf

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[4]あとがき          [化学物質国際対応ネットワーク事務局]
 関西では春を思わせる陽気に包まれる一方、事務局のある東京では冬に逆戻
りかと思わせる寒気が漂っております。みなさまのところはいかがでしょうか。
 今号では、アメリカ・カリフォルニア州グリーンケミストリ法案及び欧州の
化学物質管理の最新情報として、予告されていたC&LインベントリがECHAより
公表されたこと、さらにノルウェー独自の分類及び表示に関する規制が打ち出
されたこと等をお届けしました。グリーンケミストリ法はカリフォルニア州の
みならず全米及び欧州等で提案の流れがあり、今後も各地の動向が注目されま
す。
  化学物質国際対応ネットワークでは、このような各国及び州レベルでの化学
物質管理に関する最新情報をお届けするとともに、中国及び韓国などの東アジ
ア地域も含めて、皆様の化学物質管理対応の促進を支援するため独自の情報収
集・発信に努めてまいります。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

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化学物質国際対応ネットワークマガジンをご利用いただきまして、ありがとう
ございます。

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