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        化学物質国際対応ネットワークマガジン 第45号
           http://www.chemical-net.info/
              2012/12/26配信
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このメールマガジンは、化学物質国際対応ネットワークのウェブサイトから
配信登録をされた方を対象にお送りしています。

第45号は、以下の内容をお送りいたします。
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【1】日中韓における化学物質管理に関する政策ダイアローグの結果について
【2】欧州・米国化学物質管理の最新動向
【3】アジア地域化学物質管理の最新動向
【4】あとがき
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【1】第6回日中韓における化学物質管理に関する政策ダイアローグの結果について
                  [化学物質国際対応ネットワーク事務局]

第6回日中韓における化学物質管理に関する政策ダイアローグが2012年10月29日か
ら31日にかけて中国浙江省杭州市において開催されました。その結果の概要を紹介
します。
なお、本会合の結果は、環境省のウェブサイトでも公開されています。
→http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=15904
また、公開セミナーの配布資料は、以下のウェブサイトにて公開しています。
→http://www.chemical-net.info/seminar.html#sem_jck3

1.日中韓の化学物質に関する専門家会合
(日中韓の政府関係者及び専門家等36名が参加)
日中韓の専門家により、化学物質に関する生態毒性試験手順の調和化に向けた研究
の進捗状況共有及び今後の研究内容に関する協議がなされました。また、中国及び
韓国の専門家による日本のGLP適合施設の視察結果報告に加え、3カ国の化学物質
のリスク評価手法に関する情報交換が行われました。

(1)化学物質に関する生態毒性試験手順に関する共同研究
日本側から、2011年度に実施された生態毒性試験手順に関する調査結果の報告に加
え、日本における試験困難物質の研究事例が紹介されました。これに続き、韓国側
からは、同国の試験施設において実施されている試験困難物質の急性毒性試験方法
に関する調査結果が報告されました。また、中国側からは、3カ国の共同研究に関
する進捗報告と、同国で行われているナノ物質の生態毒性試験及びQSAR(定量的構
造活性相関)に関する研究が説明されました。

(2)GLP適合施設の視察
日本側の対象GLP適合施設の概要及び視察方法の説明に続き、中国側及び韓国側か
ら、国内試験施設と日本のGLP適合施設との設備や管理方法などの比較結果及び視
察を通して得られた実践的な教訓が報告されました。

(3)化学物質のリスク評価手法についての情報交換
日本側から、ばく露評価方法の考え方及び国立環境研究所により開発された多媒体
環境動態モデル「G-CIEMS」が紹介されました。韓国側から、同国のリスク評価手
法及び今後の計画が説明され、キシレン及びエチルベンゼンを用いたリスク評価の
事例が紹介されました。また、中国側からは、同国におけるリスク評価方法、特に
企業におけるリスク管理の具体的な方法が説明されました。

(4)今後の取組について
オオミジンコ(Daphnia magna)を用いる共通物質(試験困難物質)の急性毒性試
験を、共通手順に基づき進めていくことが合意されました。また、中国側から提案
のあったナノ物質及びQSARに関する共同研究については、今後3カ国でナノ物質に
関するプラットフォームを形成するなどして情報共有及び意見交換を行っていくこ
とが合意されました。さらに、中国の試験施設に対する日本側及び韓国側の視察を
2013年春以降に行うことが決定されました。

2.日中韓政府事務レベル会合
(日中韓の政府関係者及び専門家等36名が参加)
日中韓3カ国の化学物質管理に関する法制度及び関連政策の最新動向が共有され、
併せて各国の化学物質管理の国際動向への対応及び具体的な取組に関する情報・意
見交換が行われました。また、今後、3カ国で協力を強化すべき分野及びその内容
等が協議されました。

(1)各国の化学物質管理法制度等に関する情報共有
日本側から、化審法に基づく化学物質の審査状況、コミュニケーションツール、
PRTR制度等について紹介がなされました。これに続き、韓国側からは、国会審議中
の化学物質登録及び評価等に関する法律案(通称K-REACH)の内容及びその審議状
況について説明がありました。中国側からは、新たに策定された危険化学品環境管
理登記弁法(試行)の内容及び中国におけるGLP試験施設の管理、POPs管理、水銀
管理等の最新情報が紹介されました。

(2)化学物質管理に関する国際動向対応
日本側から、新たに策定したSAICM国内実施計画の内容の他、アジア地域で展開し
ている東アジアPOPsモニタリングプロジェクト、ベトナムにおける化学物質対策講
習会、タイにおけるPRTR構築支援プロジェクトなどの説明が行われました。韓国側
からは、2011年に策定した韓国のSAICM国内実施計画の内容及びPOPs条約対応、
ならびにナノの物質に関する研究などが紹介されました。また、中国側からは、
これまでのSAICM推進内容と今後の計画、POPs条約及びPIC条約対応が説明され、
併せて国内の水銀管理状況が紹介されました。

(3)今後の政策ダイアローグについて
2013年に開催される次回の政策ダイアローグでは、各国の化学物質管理に関する最
新動向、化学物質管理に関する国際動向への対応等に加えて、PRTR制度やナノ物質
に関する生態毒性試験などの技術的事項に関しても情報共有することが合意されま
した。また、変化の激しい国際的な化学物質管理動向を踏まえ、3カ国の状況に沿
ったトピックを別途決定することが合意されました。

3.日中韓の化学物質管理政策に関する公開セミナー
(日中韓の政府関係者、一般公募による参加者等 約300名が参加)
化学物質政策ダイアローグの一環として、日中韓における化学物質管理政策の最新
動向に関する公開セミナーが開催され、参加者との質疑応答を通して活発な意見交
換が行われました。
 韓国からは、「化学物質登録及び評価等に関する法律(通称:K-REACH)」の詳
細な内容について説明が行われました。日本からは、化学物質の入口規制、出口規
制、PRTR制度等について説明がなされました。中国からは、危険化学品環境管理登
記弁法(試行)の具体的な内容、化学工業団地における化学物質に関連する環境管
理、残留性有機汚染物質(POPs)防止・抑制に関する第12次5カ年計画の内容、
水銀管理等が説明されました。

【質疑応答】
(韓国)
Q1:OECD加盟国のGLP試験施設のデータをK-REACHにも適用できるのか教えてほしい。
A1:加盟国のGLP試験施設のデータはK-REACHにも適用できます。ただし、試験
   データに関連するすべての申請内容は確認・調査されます。
Q2:代理人(OR)について、ORになるためには規模に関する要求があるか確認し
   たい。
A2:韓国で正式に登録された法人であれば、国籍や規模に関わらずORになること
   は可能です。
Q3:機密情報(CBI)等の保護は認められるのか確認したい。
A3:CBIが認められる場合は、最大20年間は公開されません。ただし、CBIに属さ
   ないものはできる限り一般に公開することにしています。

(日本)
Q1:すべての一般化学物質に対して数量と用途の申告を行う必要があるのか確認
   したい。その場合の、申告の主体及び頻度も確認したい。
A1:一般化学物質(1企業あたりの前年度の製造・輸入数量が1.0トン以上)は
   すべて、その数量と用途について申告しなければなりません。
Q2:一般化学物質とは、日本の既存化学物質を指すのか確認したい。
A2:既存化学物質に加えて、審査を通じて認可された新規化学物質を含んでいます。
Q3:新規化学物質の海外からの直接申請の受理について確認したい。
A3:新規化学物質については、海外からの輸出者も申請することができます。

(中国)
Q1:環境リスク評価機関及びリスク評価報告書の編さんに従事する人員の要求に
   ついて確認したい。
A1:要求項目については、今後公表する予定です。
Q2:「重点環境管理危険化学品目録」の公表時期と内容について確認したい。
A2:2013年3月に「危険化学品環境管理登録弁法(試行)」を実施する前に公表す
   る予定ですが、不確定です。既存危険化学品目録から一部を選択し、数回に
   分けて段階的に公表予定です。目録に収載後は「危険化学品環境管理登記弁
   法(試行))」にしたがって管理します。
Q3:環境管理登録について、事業状況により登録が間に合わない場合、どのよう
   に対応すればよいのか確認したい。また、新規の規定が施行される以前に危
   険品を輸出入している企業は2016年3月1日までに環境管理登記証の提出は必
   要かどうか確認したい。
A3:地方自治体ごとに実施細則がありますので、各自治体の環境保護部の要求に
   したがうべきです。
Q4:環境管理登記証は、複数の化学物質を合わせて1枚で取り扱うことが可能なの
   か確認したい。
A4:1企業当り1枚の登録証で対応し、「証」には化学物質名を明記する必要があ
   ります。
Q5:「危険化学品経営許可証管理弁法」と「危険化学品環境管理登記弁法」の違
   いを教えてほしい。また、後者の正式な登録開始時期を確認したい。
A5:前者は国家安全生産監督管理総局が管轄し、製品の安全管理に焦点を当てて
   いるのに対して、後者は環境保護部が管理し、環境リスク管理に焦点を当て
   ている。後者の登録開始時期は、今後公表予定です。
Q6:重点環境管理類の物質における環境リスク評価報告書は、従来の環境影響評
   価技術ガイドライン(HJ/T-154)に基づいて作成するべきか確認したい。
A6:化学品環境管理リスク評価に関する専門的な技術ガイドラインを公表する予
   定です。公表され次第、当該ガイドラインにしたがって実施しなければなり
   ません。
Q7:輸出入企業は環境管理登記証により税関の通関手続きを実施する必要があるが、
   その際の規制はあるか確認したい。
A7:規制に関しては現在策定中である。

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【2】欧州・米国化学物質管理の最新動向

1)[EU]ECHAが2013年から2015年までの物質評価計画案を発表
 ECHA(欧州化学物質庁)は、10月23日、2013年から2015年までの物質評価計画
(CoRAP)案を発表しました。2012年2月に発表された53物質に、新たに63物質が加
わり、合計116物質が対象となりました。
→http://echa.europa.eu/web/guest/view-article/-/journal_content/c07209f6-
3edd-43ee-b884-080f48a28800

2)[EU]REACH規則における全登録に関する統計を発表
 ECHAは、2008年6月から2012年8月末までの全登録に関する統計を公表しました。
その中で、登録数及び登録物質、旧規則(Directive 67/548/EEC)及びREACH規則
における届出物質数、一般登録及び中間体登録の結果、共同提出及び個別提出の結
果、届出事業所のサイズ等に分けて登録数等が分析されています。なお、この統計
結果は今後毎月更新される予定です。
→http://echa.europa.eu/web/guest/information-on-chemicals/registration-
statistics
統計結果→http://echa.europa.eu/documents/10162/5039569/registration_stati
stics_full_en.pdf

3)[EU]SMEのREACH規則登録料の減額権利を保護
 ECHAは、登録者の事業サイズの情報が誤っていることが明らかとなった登録者に
対し、登録の取消作業を開始しました。
REACH規則における登録料金は、事業規模によって決まり、中小企業(SME)であれ
ば減額の対象となります。今回、誤った事業サイズにて登録書を作成し減額の対象
となった事業者に対して、その差額の支払いを命じ、これにしたがわない場合には
登録番号を取り消す作業を進めています。
→http://echa.europa.eu/web/guest/view-article/-/journal_content/98fad274-
1af4-4476-b30f-0f56ad964879

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【3】アジア地域化学物質管理の最新動向

1)[中国]中国環境保護部が2012年4月から6月にかけて受領した新規化学物質の
科学研究記録届出に関する集計結果を公表
 環境保護部は、9月12日に「新化学物質環境管理弁法」第22条に基づく2012年
4月から6月までの科学研究記録届出申告の集計結果をウェブサイトで公表しまし
た。当該新規化学物質の届出数は、合計207件となっています。
→http://wfs.mep.gov.cn/hxp/xhxwz/201209/t20120913_236178.htm

2)[中国]国家安全生産監督管理総局弁公庁が「危険化学品建設プロジェクト安
全審査文書」を通達
9月20日に国家安全生産監督管理総局弁公庁は、各省、自治区、直轄市と新疆生産
建設兵団の安全生産監督管理局、関連中央企業に対し、危険化学品の建設プロジェ
クトに関する安全審査文書を通達しました。
 この通達文書は、「危険化学品建設プロジェクト安全条件審査申請書」、「危険
化学品建設プロジェクト安全施設設計審査申請書」、「危険化学品建設プロジェク
ト安全施設竣工検収申請書」、「危険化学品建設プロジェクト安全審査書」、「危
険化学品建設プロジェクト安全審査申請受理通知書」、「危険化学品建設プロジェ
クト安全審査申請書類・資料変更告知書」、「危険化学品建設プロジェクト安全審
査意見書」、「危険化学品建設プロジェクト試運転(稼動)方案届出申請表」、
「危険化学品建設プロジェクト試運転(稼動)方案告知書」、「危険化学品建設プ
ロジェクト安全審査委托書」等の10種類17文書から構成されており、2012年10月
15日から適用されています。
これらの文書の書式については、下記の国家安全生産監督管理総局のウェブサイト
からダウンロードすることができます。
→http://www.chinasafety.gov.cn/newpage/Contents/Channel_6288/2012/0924/18
0372/content_180372.htm

3)[中国]「危険化学品環境管理登記弁法(試行)」を発表
 中国環境保護部は、2012年7月4日付で採択された「危険化学品環境管理登記弁法
(試行)」を、第22号令で通達しました。この弁法は、2013年3月1日から施行さ
れます。
→http://www.sepa.gov.cn/gkml/hbb/bl/201210/t20121016_238481.htm

4)[中国]第10回中国試験動物科学年次会議開催
9月26日から28日にかけて、江蘇省揚州市において第10回中国試験動物科学年次会
議が開催され、Gobiocypris rarusの繁殖やその他の固有魚類及び両生類等の標準
化等に関する議論が行われました。
 環境保護部化学品登記センター(CRC-MEP)の劉純新氏は、「化学品試験合格実
験室の建設及び固有試験実験稚魚の研究開発と繁殖に対する影響」を参加者に説明
しました。また、化学品環境有害性試験に関する中国の法制度及び化学品試験合格
実験室の建設における環境保護部の最新の取組状況に加え、中国固有試験魚種につ
いてのニーズを紹介しました。
→http://www.crc-mep.org.cn/news/NEWS_DP.aspx?TitID=397&T0=01000&LanguageT
ype=CH&Sub=125

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【4】あとがき

 今号では、中国・杭州市で開催された「第6回日中韓における化学物質管理に関
する政策ダイアローグ」の内容を掲載しました。
 次号では、12月3日〜7日に米国で開催されました「ChemCon The Americas」の参
加報告を掲載する予定です。また、第41号(2012年3月9日配信)にて紹介した米国
カリフォルニア州のグリーン・ケミストリー・イニシアチブに基づく
「Safer Consumer Products Regulations」に関するパブリックコンサルテーション
が10月に終了しました。この結果に関しては、今後本メールマガジンにて詳細に紹
介する予定です。
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に関する御意見・御要望を随時募集しております。以下記載の本ネットワークの
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 届かなかった場合の再送は行いませんので、予め御承諾の上、ご利用ください。
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