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      化学物質国際対応ネットワークマガジン 第46号[附録]
          http://www.chemical-net.info/
              2013/2/15 配信
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当附録は、2013年2月15日に配信した化学物質国際対応ネットワークマガジン 第46号に掲載した「ChemCon The Americas 2012参加報告」の詳細内容をお届けし ます。(なお、この説明や見解は会議で聞き取ったものであり、ChemCon開催事務 局その他関係者から正式に公表されたものでないことを予めご了承ください。)
-------------------------------------------------------------------------- セミナー1 新規化学物質への国際対応 1)新規化学物質届出制度の比較:物質 (Karon Armstrong、3M)  新規化学物質届出制度は、各国の法制度により規定されている。各国の新規化学 物質届出制度は、オーストラリアは工業化学品法(NICNAS)、カナダは環境保護法 (CEPA)、中国は新化学物質環境管理弁法(環境保護部令第7号)、EUはREACH規則、 日本は化学物質審査規制法および労働安全衛生法、韓国は有害化学物質管理法 (TCCA)および産業安全保健法(ISHL)、ニュージーランドは1996年危険物質及び 新生物法(HSNO)、フィリピンは有害物質及び有害・核廃棄物管理法(RA6969)、 スイスは化学品法、台湾は新規化学物質申告制度(NCN)、ベトナムは化学品法、 米国は有害物質規制法(TSCA)である。このように各国制度は異なり、既存化学物 質リスト収載物質も異なるため、届出の際にはこの点を十分に確認することが重要 である。
2)新規化学物質届出制度の比較:ポリマー (Mel Biring、Lubrizol)  新規ポリマー届出の際に確認する事項として、(1)その国の関連法制度に新規 ポリマーの届出スキームが存在するかどうか、(2)当該ポリマーがそのスキームの スコープ内かどうか、(3)当該ポリマーが実際に関連法制度に基づいたポリマー であるかどうか、(4)当該ポリマーが新規ポリマーであり届出の必要があるのかど うか、の4点である。また、届出免除規定には、(1)R&D免除、(2)低量免除、 (3)限定的届出、(4)輸出限定あるいは再輸出のための輸入限定の免除、 (5)低懸念ポリマーの5つの場合がある。新規ポリマー届出制度は各国で複雑に規 定は異なっているため、上記の確認事項4点お よび届出免除規定を十分に確認すべきである。
3)海外の試験プログラムのデータ要件と開発 (Andy Burgess、Regulatory Services International)  新規化学物質を海外に輸出する場合や、既存化学物質がその国のインベントリー に未収載のために新規化学物質として扱われる場合、さらにはUVBC物質のように組 成が不明である場合、複雑な反応生成物の場合には、特定の試験データが必要にな る。その国の法的スキームやデータ要件を十分に確認する必要があるが、試験デー タが必要な場合には、OECDのMAD(データ相互受入)参加国であれば、既存データ を利用することが可能である。MAD参加国としては、現在OECD加盟国以外に、ブラ ジル、インド、南アフリカ共和国、シンガポール等のOECD非加盟国も参加している 場合がある。また、届出後にも補足的データの要求や情報更新等が必要になる場合 があるため、継続的な対応の必要性についても確認が必要である。
4)海外の試験プログラムの実施に関する産業界の対応 (Leslie Scott-MacDougall、The Acta Group, L.L.C.)  海外へ新規化学物質を輸出する際の注意事項として、次の5点が挙げられる。 (1)試験プログラム間のデータ共有をできるかぎり促進するべきである。つまり、 他の法制度において必要となり試験を実施した結果のデータを再利用すべきである。 (2)新たな試験データが必要になった場合には、GLP基準に基づくOECDの試験プロ トコルが使用できるかどうかを考慮するべきである。多くの国がOECDのMADに参加 しているため、必要な試験について既存データが使用できる可能性がある。 (3)ある物質を他の国へ輸出する際には、その国の化学物質の輸入に関する方針、 考え方をよく知っておくべきである。(4)輸出する国におけるデータ要件につい て詳細に調査し、理解するべきである。必要な試験名が同じであっても、バリアン トがある場合が多い。(5)既存物質に類似した物質の場合には、その国が read-acrossを受け入れているかどうかを確認するべきである。また、QSAR(定量 的構造活性相関)についても、受け入れ可能かどうか確認するべきである。
-------------------------------------------------------------------------- セミナー2 REACH2013 次回の期限までの6か月 1)登録一式文書の内容についてのECHAの期待と展望 (Christel Musset、ECHA)  登録一式文書は品質が大事である。化学物質安全性報告書(CSR)やeSDSの内容に 基づいて化学物質が安全に使用されるかどうか、まずは自分自身を納得させること が大切であり、そのようなCSR、eSDSを作成しなければならない。また、登録する物 質やその市場を知らない評価者のために、丁寧・詳細に文書を作成することが必要 である。  提出した登録一式文書は、提出したらそれで終わりと考えるべきではない。有害 性情報など新しい情報が明らかとなり次第、登録一式文書は更新しなければならな い。また、ECHAが発行している年次評価報告書をよく確認して、そこで提言されて いることを反映させるべきである。このようにして、登録一式文書というものは常 に更新されるものであり、自主的に、定期的に更新していくべきものである。
2)物質の特定:するべきこととすべきでないこと、問題解決 (Alan Ritchie、Caleb Management Services)  物質の性質は、単一の物質で構成される物質、複数の物質で構成される物質、 組成が不明な化学物質(UVCB)のいずれにおいても重要であり、例え単一物質で あっても性質は単一ではない。  登録者の提供情報が多ければ多いほど、ECHAはその登録一式文書の正当性を疑う ことは少なくなる。また、情報の不足にならないようにするべきである。したがっ て、登録時には情報の不足がなく、可能な限り多くの情報を提供することが、コス トや時間を削減する上で効果的となる。仮に情報が十分に入手できない場合には、 その理由を明確にして、その物質の特徴を表現するための別の方法で対応するよう にすべきである。
3)登録一式文書の内容:どのデータを使い、データギャップのためにどのように 有効で受け入れられるデータを準備するか (Mike Rasenberg、ECHA)  登録一式文書において、物質情報について表現が適切かどうか確認する必要があ る。また、登録一式文書を継続的に更新するためには、登録作業は全ての過程の第 一歩に過ぎないということを十分に認識することが必要である。そのために、ECHA の決定に対して適切な対応ができるように十分に準備しておくことが重要である。 さらに、登録物質に関して新しい情報が得られた場合や、CLP規則における変更の ように要件に変更があった場合には、必要以上に遅れないように文書を更新する必 要がある。
4)登録一式文書の内容:2013年の登録期限に向けたIUCLIDの使用方法 (Aditya E. Sharma、Accenture)  IUCLIDは、2012年に数回更新された。現在、バージョン5.5.0が2013年1月に公表 される予定である。バージョン5.4.0より以前のバージョンは現行のREACH-ITに対 応していないため、REACH-ITによる登録を行うためには5.4.0以降のバージョンを 使用する必要がある。IUCLID5のデータ構造は、OECDの調和テンプレートに準拠し ているため、REACH規則の登録一式文書の作成の他にも多くの目的で使用すること が可能である。  IUCLID5.4.0における主な変更点は、物質情報がどのようにCSRに記載されるかと いう点である。加えて、CSRの情報は、物質の安全使用・管理にとって重要な要素 である。IUCLID5.4は、今後、より構造的で透明性が高く検索に適応したCSRが作成 できるようにするために、製造・使用状態、ばく露評価、リスク判定に関する情報 のための欄を追加する予定である。
5)Chesarを使用した包括的で有益なばく露シナリオの作成 (Leo van der Biessen、Royal HaskoningDHV)  Chesarは、ECHAが2010年7月に開発した、REACH規則に基づき化学物質安全性評価 (CSA)の実施とCSRの作成を支援するITツールである。バージョン2.0が2012年6月 に公表されている。  Chesar2.0では、IUCLID5.4のデータに適合したCSAの実施やCSRの作成を支援して いる。また、外部のばく露量推算ツールを用いたばく露評価やリスク判定が可能で ある。さらに、CSRの第9章および第10章を生成するための機能も備わっている。今 後、2013年5月末の第2段階登録期限に向けて段階的な更新が予定されており、 2013年5月にはSDSの情報を含めて作成できるように更新する予定である。
-------------------------------------------------------------------------- セミナー3 中国 1)規制システムにおける最新情報と発展:危険化学品の安全管理 (Jinhe Chen、NRCC-SAWS)  中国では、人健康や環境への汚染被害を防ぐために、危険化学品についての管理 の強化が進んでいる。中国国家安全生産監督管理総局(SAWS)は危険化学品安全管 理条例(第591号)を公布し、さらに関連する法制度を公布してきた。関連法制度 として、「危険化学品重大危険源監督管理暫定規定(第40号)」、「危険化学品生 産企業安全生産許可証実施弁法(第41号)」、「危険化学品登記管理弁法 (第53号)」、「危険化学品経営許可証管理弁法(第55号)」、「危険化学品安全 使用許可証弁法(57号)」等である。  インベントリーとして、危険化学品安全管理条例に基づく「危険化学品目録」の 作成を予定している。これまでに5回の検討会を行っている(5回目は2012年11月 29日)。2013年の早い段階で作成・公表を目標としており、ドラフト版を事前に ウェブサイトに公表する予定である。
2)化学物質管理法制度の概要と、新規化学物質届出(NCSN)スキームの最新情報 と発展 (Jing Lei Nie、CRC-MEP) 改正危険化学品安全管理条例(国務院令第591号)は、2011年2月16日に公布され、 2011年12月1日から施行されている。この条例は、危険化学品の製造、運用、収蔵、 輸送、使用について規定している。当条例で規定している「危険化学品目録」は、 近い将来に公表する予定である。この目録は、GHS基準に基づいて特定された有害 性や分類にしたがって作成される予定である。今後、その他に重点環境管理対策の ための目録を含む4つの化学品目録を公表する予定である。  危険化学品環境登記弁法(試行、環境保護部令第22号)は、改正危険化学品安全 管理条例に基づく関連法として2012年10月10日に公布され、2013年3月1日に施行予 定である。この弁法では、製造者および輸入者(輸出者)に対して2つの要件があり、 1つ目は、危険化学品の製造者と使用企業は、地方政府環境保護部門へ環境管理登 記書類を届出なければならない。その際に、危険化学品は重点危険化学物質に分類 される。2つ目は、「厳格制限有毒化学品目録」に収載されている化学物質の輸入 者あるいは輸出者はMEPに届け出なければならない。現在、このリストには158物質 が収載されている。  改正新化学物質環境管理弁法(環境保護部令第7号)は、2010年1月19日にMEPに より改正され、2010年10月15日に施行された。今後、化学物質のリスク評価のため のガイドライン、新化学物質の有害性特定のためのガイドライン、化学物質試験優 良実験室基準のガイドライン(改正版)を発行する予定である。届出方法は3種類 あり、通常届出、簡易届出、記録届出である。通常届出により登記された化学物質 は、登記されて5年後に既存化学物質目録(IECSC)に収載されることになっている。
3)GHS:中国における法制度の概要、および現状と直面する課題、 実践的なアドバイス (Mark Grenda、Afton Chemical Corporation) 中国のGHSは現在、国連GHS初版に準拠しているが、現在第4版に基づいて改正して いる。現在は26の分類基準が存在しているが、改正後は28の分類基準になる予定で ある。公布は2013年夏を予定している。中国GHSの課題として、GHSを定めた法制度 が単一ではなく複数あること、GHS関連法制度の中に互いに一致しない部分が複数 あること、現在国連GHS第4版に合わせるために改正しているが、その前に国連GHS 第5版が発行される可能性があること、GHS関連法制度を所管している政府組織での 調整が十分ではないこと、中国の化学産業の約90%が中小企業であるためGHSに従 うための資源や経験、意識が低い状況であること等である。 危険化学品目録について、現在作成中であるが、今後の数年間で、数回に分 けて公表予定である。第1回は2013年春頃を予定している。最終的な収載物 質数として、7,000物質以上を予定している。
4)新規化学物質届出(NCSN):順守の実戦的経験(事例研究) (Andy Burgess、Regulatory Services International)  MEPは、2011年9月26日に、リスク評価ガイドラインのドラフト版を発表している。 最終案はまもなく発行される予定である。  新規化学物質の登記のポイントとして、正確で注意の行き届いた登記文書を作成 することは、規制当局が審査に費やす時間を最小化するために効果的である。また、 規制当局はその物質が上市される価値があるかどうかによって評価を行うため、 登記文書にはその物質が中国に対してどのように有効であるのかを明確に記載する 必要がある。現在、規制当局は、新規化学物質の登記のための情報をウェブサイト 等で発信している。これは、登記制度を国民に周知させ、コンプライアンスを広げ ることを目標としている。
---------------------------------------------------------------------- セッション1 REACH:登録、評価、施行 1)産業界の登録と評価の経験 (Volker Soballa、Evonik)  2013年5月の第2段階登録期限における課題として、多くの中小企業(SME)によ る登録が予定されている。多くのSMEが、今回が初めての登録となるため経験が不足 していることに加えて、知識や資金等も不足している状況である。したがって、 ECHAは、REACH-ITやIUCLID、TCC(技術的完全性チェック)等のITシステムの開発 等、状況に合わせた対応を準備しているところである。  登録一式文書の評価について、ECHAは申請された文書全体の約5%について評価 を進めてきた。特にCSRに関して、内容の逸脱しているものについて評価を行って いる。ECHAは、登録予定者がその評価報告書を参考とするように期待している。  物質評価については、物質評価計画(CoRAP)を実施している。これは、製造・ 輸入される化学物質が人健康や環境に与える影響の可能性を明確にすることが目 的である。評価対象物質に関して、第一次計画として発表された90物質に続いて、 第二次計画として新たに63物質が評価対象物質に加えられている。認可物質につ いては、2012年末までにSVHC候補リストに136物質を収載することが欧州委員会の 目標となっている。また、REACH規則第57条(f)、つまり内分泌かく乱物質や呼吸 器感作性物質、特定標的臓器毒性(STOT)等について検討がなされている。  REACH査察(REACH EN FORCE)について、川下ユーザー(DU)と調剤製造者に重 点が置かれた第2回査察(REACH EN FORCE2)が2011年から2012年にかけて実施さ れたが、報告書はまだ公表されていない。第3回査察(REACH EN FORCEMENT3)に ついては、税関と協力して、2013年から実施予定である。輸入者と代理人(OR) を対象として、制限物質に焦点が当てられる予定である。
2)2013年以降に関するECHAの展望 (Christel Musset、ECHA)  REACH規則が2007年に施行されてから5年が経過したが、REACH規則はCLP規則とと もに適切に機能している。ただ、現在、欧州委員会によってREACH規則の再検討が 行われており、その検討結果は2013年2月に公表される予定である。  2013年の第2段階登録期限に向けたECHAの支援体制として、リード登録者向けの 会議(2回)、ウェビナーによる情報提供、ヘルプデスクの設置(ECHA及び30のナ ショナルヘルプデスクの設置)等を予定している。SMEが増えると考えられる今回 の第2段階目の登録のために、ECHAは十分な対応策を実施する予定である。  登録後も、登録しただけで安心するのではなく、自発的に登録一式文書の内容の 更新や定期的な内容の更新が必要であることを忘れてはならない。
3)REACH規則の施行 (Szilvia Deim、ECHA-FORUM)  REACH規則執行プロジェクト(REF)は、これまでに2つのプロジェクト(REF-1、 REF-2)が完了している。REF-1については良い結果が得られているが、REF-2につ いては現在評価報告書が作成されている段階である。REF-3については、2013年の 早い段階で開始される予定である。  REF-1では、登録義務とSDSに関連した義務におけるコンプライアンス・チェック に焦点が当てられた。約1,600の企業が、欧州経済領域(EEA)加盟国25カ国によっ てチェックが行われた。サプライ・チェーンにおける各役割(製造者、輸入者、 代理人(OR)、DU)を対象に査察が実施された。REF-1の教訓として、コンプライ アンスは特にSMEにとっては容易なことではないということ、登録一式文書とSDSの チェックについては永続的に行う必要があること、産業界における情報伝達と協力 は不十分であるため改善される必要があること、規制当局間の協力体制が非常に重 要であること等が挙げられた。  REF-2では、DU、特に塗料や洗浄剤、潤滑油、合金等の混合物製造者の義務に焦 点を当てて実施された。プロジェクトの結果として、SDSにおいてコンプライアンス の守られていない割合が高いということ、CLP規則についての義務の認識が非常に低 いこと、物質が違法に製造・輸入されていること(査察した1割以上の割合)等が明 らかとなっている。  REF-3は、製造者、輸入者、ORの登録義務、登録義務のあるORのコンプライアンス の確認、税関と協力した審査の過程の3つに焦点を当てる予定である。このREF-3の 主な目的は、輸入された化学物質におけるコンプライアンスの改善である。この REF-3は2013年の早い段階で開始する予定であり、結果は2013年秋には発表される 予定である。
-------------------------------------------------------------------------- セッション2 REACH:認可、制限、責任 1)REACH規則における認可の問題 (Meglena Mihova、EPPA)  認可の優先物質として、ECHAはCoRAPを実施しているが、欧州委員会は高懸念物質 (SVHC)候補リスト収載物質を優先物質の候補として挙げている。加盟国では、一 例として、フランスはニッケル化合物、イタリアはメタノール、ドイツはPBT、デン マークはフタレート類を優先物質の候補に挙げている。  SVHC候補リストの更新については、ECHAは2012年末までに候補物質を136物質まで に増やす計画である。現在、食品への混入物であり健康影響が懸念される物質であ るため、スウェーデンによってカドミウム化合物が追加提案されている。食品への 混入の主な原因は、化学肥料中のカドミウムである。ECHAは、カドミウムは不純物 であるとして、候補物質に加えることを拒否している。
2)他の指令とREACH規則における認可・制限の関係 (Christian Gründling、FCIO)  REACH規則における認可は、植物防疫剤や駆除剤、化粧品等の法規制に関連した 製品の認可要件あるいは代替要件を補完するものである。制限は、植物防疫剤や 駆除剤、玩具、電気・電子機器(EEE)、建造物、輸送体等の特定の製品レジーム における認可、代替、制限と同類のものであり、また、EUの水質規制における優先 有害物質の段階的な対策を加速する唯一の手段である。さらに、認可(制限)は、 労働法における健康を支持しているが、要件は非常に類似したものである。  REACH規則における登録は、代替や制限に関する決定に基づいたリスクを支援し ている。認可・代替・制限に対応するための物質の選択は、常に科学的証拠と政策 方針とのバランスを必要としている。REACH規則の認可・制限はスキームを補完し ているが、一方で重複もしている。REACH規則の認可・制限は他のEUの規制との調 整が必要とされている。
3)国際的な責任:REACH規則に基づく利用可能なデータと、 その利用に関する国際的影響 (Lynn L. Bergeson、Bergeson & Campbell, P.C.)  REACH規則では、年間10トン以上の化学物質を製造・輸入する場合には、CSRが要 求されている。そのため、SIEFの目的は、物質についての既存データの共有やデー タギャップについての集団による認識、新たなデータを作成するためのコストの共 有を促進することである。SIEFに参加することは、REACH規則29条に規定された義 務であり、一物質当たり1つのSIEFが形成される。SIEF登録メンバーだけが、 REACH-IT等を通してSIEFに参加することができる。SIEFに登録していない者は、 SIEFの参加メンバーを知ることもできないのである。SIEFメンバーには、それぞれ 役割が与えられ、その役割を果たすために各役割における権利や責任について知っ ておく必要がある。  コンソーシアムについては、参加は完全に自主的なものとなっている。これに対 してSIEFへの参加は義務である。コンソーシアムは、SIEFデータ共有等のために準 備を行っている登録者間においてより秩序だった協力体制となっている。また、コ ンソーシアムでは、関連する物質の場合には、異なるSIEFから参加することが可能 である。
-------------------------------------------------------------------------- セッション3 物質管理とeSDS 1)混合物のばく露シナリオとeSDSの作成 (Mike Rasenberg、ECHA)  混合物のばく露シナリオについて、ECHAの戦略的な目標は、安全な化学物質製品 の製造とその使用を可能にする質の高いデータの利用を最大化させること、懸念化 学物質を特定し対処するために合理的に情報を使用する規制当局を総動員させるこ と、加盟国の科学的・規制的な能力を構築するために積極的に科学的課題に対処す ること、現在の新たな法的課題について効果的・効率的に対処し今後の資源制約に 適応すること、である。  ばく露シナリオに関する情報交換ネットワーク(ENES)は、ばく露シナリオに関 する優良事例を特定し、人健康と環境の保護を向上させるためにサプライ・チェー ンにおける各役割間の効果的な情報伝達を展開させることを目的としている。この 目的のために、ECHAは欧州化学工業連盟(Cefic)、欧州石油環境保全連盟 (Concawe)、欧州金属協会(Eurometaux)、欧州化学物質流通業者協会(Fecc)、 欧州石鹸洗剤工業会(A.I.S.E)、化学物質川下ユーザー連合(DUCC)とともにENES を設立した。
2)eSDS:サプライ・チェーンにおけるコミュニケーション・ツール (Leo van der Biessen、Royal HaskoningDHV)  eSDSは、CSAの最終結果の1つであり、少なくとも1つのばく露シナリオを付属書 に記載したSDSである。また、物質の安全な使用について法的に要求されているコ ミュニケーション・ツールでもある。eSDSの目的は、主に、サプライ・チェーンの 中で安全で環境を保護する物質の使用のために必要とされるあらゆる情報を提供す ること、化学物質安全性評価からの物質の安全使用に関する情報を適切に伝達する ことである。
3)工業製品のための化学物質管理 (Barry Podd、Kimberly-Clark)  各国の法規制によって、規制の対象となる化学物質の定義が異なっている。米国 では、有害物質規制法(TSCA)の第3条の中で定義しているが、EUではREACH規則 第3条の中で定義しており、その定義は、似ているが、わずかに異なっている。  化学物質管理規制における第一のコミュニケーション・ツールは、SDSと製品ラ ベル表示であり、これは特に有害化学物質の場合には効果的である。欧州では、コ ンプライアンスを守ることは必要条件であり、上市される製品にどのような物質が 含まれているかを正確に把握することが重要である。使用する物質が事前登録され ているか、あるいは年間1000トン以上製造されているか、あるいは高い有害性を持 つような場合には、化学物質法規制あるいはその他の規制に基づいて登録されなけ ればならない。コンプライアンスを守るためには、まずは注意深くSDSやラベル表 示を確認する必要がある。  今後、化学物質管理規制の新たな展開や、SVHCのような規制対象物質の動向に対 応するために、最新情報を正確に把握していくことが重要である。
4)航空宇宙産業における化学物質管理 (Sophia Danenberg、Boeing)  ボーイング社は、70か国に170,000人以上が従業員として雇われている。ボーイ ング社の生産する複雑で高性能な製品は、世界中の従業員、サプライヤー、パート ナーによって製造・点検されており、一般的に使用期間は30年から90年であり、高 い性能と安全性が要求されている。海外における化学物質管理規制は加速しており、 航空宇宙産業は、特に製造・使用後に新たに禁止・制限された物質を交換するよう 圧力が増している。さらに、そのような新たな使用禁止・制限という規制以外にも、 サプライヤーの自主的な提供廃止や段階的な提供廃止の影響も受けている。このよ うな新たな化学物質管理の動向に対応するため、航空宇宙産業界では、2006年に米 国航空宇宙産業協会(AIA)の中にREACHワーキング・グループを設立し、欧州航空 宇宙・防衛産業協会と協力してREACH規制へ対応している。さらに、2011年には化 学物質制限・禁止即時対応ネットワークを設立し、国際的な動向に対応している。
-------------------------------------------------------------------------- セッション4 ナノ材料と課題 1)ナノ材料:EUの概観と最新情報 (Christel Musset、ECHA)  2008年6月に欧州委員会により、EU第一次規制レビュー(欧州共同体委員会にお けるナノマテリアルの規制状況についての報告書)が発表された。しかし、欧州議 会は、その報告書内容について異議を唱え、ナノ材料の定義や情報が不足している 点や、REACH規則等のコアな法制度における特別な評価の不足を指摘している。こ れ対して、欧州委員会は、第二次規制レビューの中で、ナノ材料の種類や用途、安 全性等に関する情報について調査をすることを発表した。  ナノ材料に関するREACH規則ガイダンスの改訂に向けたナノ材料関連検討プロ ジェクト(RIP-oN)において、RIP-oN1ではナノ物質として扱う物質の特定、 RIP-oN2では届出に必要な情報要件、RIP-oN3では安全性評価を調査の対象とした。 これらの調査結果に基づき、情報要件とCSAに関するガイダンスの見直しが行われ ることがECHAから提言された。ECHAの活動として、EU加盟監督当局(MSCA)の能力 向上のためのトレーニングの開催や、経験共有とコンセンサスの向上のためのナノ 材料ワーキング・グループ(NMWG)の開催、共同研究センターと共催のナノ・サポ ート・プロジェクトの実施を予定している。また、国際的な活動への貢献として、 OECDの工業用ナノ材料に関する作業部会(WPMN)等にも協力している。登録者へ向 けての活動として、ナノ材料の登録のためのガイダンスは現在作成等を行っている。
2)EU以外の国におけるナノ材料の法的枠組み (Lynn L. Bergeson、Bergeson & Campbell, P.C.)  カナダでは、2011年10月に保健省がナノ材料の暫定的定義についての政策声明を 発表している。工業用化学物質について、国内物質リスト(DSL)に未収載の物質、 あるいは収載物質の場合でもナノ形状で独特な構造あるいは分子配列を持つ物質は 新規ナノ物質とされ、規則対象として届出が必要となる。その他のDSL収載物質は 既存ナノ物質とされる。医薬品については、ナノ技術に基づく医療用品、薬品につ いては現在検討されている。  オーストラリアでは、国家工業化学品届出審査機構(NICNAS)が、2011年1月に 工業用ナノ材料の規制プログラムを導入し、工業用ナノ材料の実用的定義を行っ ている。また、技術革新・産業・科学・研究省は、新規技術の安全な開発のための 戦略(NETS)の一環として、ナノ技術を用いた製品の登録可能性について評価を行 っている。  フランスでは、2012年2月に、市場におけるナノ材料の年次報告に関する命令を 発表し、年間100g以上のナノ材料を製造・輸入・分配する企業はその物質の種類、 量、用途について毎年5月1日までに年次報告書を提出することを義務付けた。 2013年1月1日に施行される予定であり、2012年の情報を含む年次報告書は2013年 5月1日までに提出されることになっている。  韓国では、政府によりナノ材料の労働安全に関する「国家ナノ安全マスタープラ ン(2012−2016年)」が策定された。また、知識経済部は「ナノテクノロジーに基 づく製品の安全管理に関するガイダンス」を作成した。さらに、環境部は「ナノ材 料の労働安全管理に関するガイダンス」を作成し、ナノ材料の生産、使用等につい ての自主的な調査プロジェクトを開始している。  スイスでは、スイス化学品法に基づいて、合成ナノ物質に関する製造・輸入によ る自己管理のための要件に関するガイダンス文書を作成している。2012年4月に、 スイス連邦議会は、2008年に採択した「合成ナノ物質に関するアクション・プラン」 を2015年末まで継続することを決定した。この計画は、ナノ特有の対応策のための 方法的基礎を構築することを目的とし、2014年末までに最新状況に関する報告書が 発行される予定である。  米国では、環境保護庁(EPA)は多層カーボンナノチューブ(CNT)の重要新規利 用規則(SNUR)を2011年5月に公布した。その6月には、農薬中ナノ材料に関する提 案方針を発表した。さらに、12月に製造前届出(PMNs)の17物質に対してSNURsを提 案した。この内の7物質がCNTであった。
3)ナノ材料の責任のある管理 (Shaun Clancy、Evonik)  全てのナノ材料が、非ナノ材料と性質が異なっているとは限らないため、性質を 評価する際にはケースバイケースで検討する必要がある。ナノ材料にナノ特性があ るかどうか、また、もしもそのような特性があれば、生物学的影響の可能性がある のかどうか確認する必要がある。どのようにその影響を測るか、どう測定するかに ついて検討が必要である。  ナノ材料について責任のある管理を実施するためには、ナノ材料を用いた製品に おける潜在的な有害性とばく露情報について理解する必要がある。また、リスク評 価・管理を実施する際や、その製品の活用方法を検討する際には、必要に応じて、 潜在的有害性とばく露に関する情報を活用するべきである。
-------------------------------------------------------------------------- セッション5 北米の化学物質管理法制度 1)米国の展望と概要 (Jeff Morris、US EPA)  有害物質規制法(TSCA)改正について、2009年にEPAのリサ・ジャクソン長官に よって発表され、これまで議論が進められてきた。2010年に上院および下院から改 正案が提案されているが、いずれも廃案となっている。その後、2011年4月に上院 議員フランク・ローテンバーグ氏からTSCA改正案「Safe Chemicals Act of 2011」 が提案され、2012年7月に上院を通過した。その後の状況については未定である。 今後のアナウンスに注目するべきである。  EPAは、「TSCAワークプラン」において、リスク評価対象物質として83物質を選 定し、2012年は7物質について実施した。2013年春頃に、2013年と2014年に評価を 行う物質を決定する予定である。
2)化学物質法制度と主要州のイニシアチブ (Lynn L. Bergeson、Bergeson & Campbell, P.C.)  TSCA改正案は、2011年に上院議員フランク・ローテンバーグ氏によって再提案さ れ、デイビッド・ヴィッター上院議員を中心として複数の議員を含む超党派によっ て推進されていた。しかし、そのような推進にもかかわらず2012年7月にローテン バーグ氏が独自に修正案を提出したため、それ以降の推進活動は停止している。今 後議論が継続される予定であるが、最初のTSCAが完成するまでに8年かかっている ため、改正作業も同じように長く難しい作業になると予想される。  各州の動向として、カリフォルニア州では、グリーン・ケミストリー・イニシア チブに基づく「より安全な消費者製品規則」の策定を進めている。2012年10月に有 害物質規制局(DTSC)は修正案を発表したが、上院議員により詳細な経済影響分析 が要求されたためにさらに修正作業が続けられ、2013年春頃に最終案が発表される 予定である。メイン州では、子供向け製品に含まれる有害物質規制の策定を進めて、 2012年7月に高懸念化学物質リスト(49物質)を発表した。また、当リスト収載の 化学物質が意図的に含有する場合あるいは非意図的に100ppm以上含有する場合には 報告を義務付けている。今後、さらなる強化を実施する予定である。ワシントン州 では、「子供の安全製品法」を2011年に施行し、その4月に高懸念化学物質リスト (67物質)を発表している。この中で、子供用製品の製造者は、製品中にリスト収 載物質を含有する場合の届出を義務付けている。
3)カナダ:化学物質管理計画の最新情報と産業界の課題、 新規・既存化学物質の今後の優先事項 (Karen Levins、Intertek Cantox)  カナダ化学物質管理計画(CMP)は、新規化学物質の評価と管理に焦点を当てた 新規物質届出規則(NSNR)とは異なり、CMPは国内既存物質リスト(DSL)に含まれ る物質やカナダ環境保護法(CEPA)等により規制される物質を含む既存化学物質を 対象としている。  2006年に分類が発表されたDSLの23,000物質のうち、約4,300物質について現在ス クリーニング評価が行われている。この約4,300物質は、約500の高優先物質(工業 用化学物質:195物質、セクター特有物質:約160物質、現在使用されていないが環 境懸念される物質:148物質)、約1,200の低リスク物質、約2,600物質の中優先物 質に分類されている。これまでに行われたCMP-1において、高優先物質の工業用化 学物質(195物質)に対して、12回に分けてリスク評価が実施されてきた。このう ちの43物質が、CEPA有毒物質リストに収載される候補となっている。
-------------------------------------------------------------------------- セッション6 中南米の化学物質管理法制度と貿易 1)メキシコ:化学物質管理法制度の概要とGHS (Leonor Cedillo、National Institute of Ecology)  2012年11月に米国及びカナダの支援により、SAICM等の国際的な動向、特に北米 地域における工業用化学物質における調和および競争力の強化を目指し、国家化学 物質インベントリーを発行した。このインベントリーは、環境・健康に関連する複 数の規則によって規制されている物質、メキシコPRTR制度(RETC)行政局による研 究結果、メキシコ化学工業協会の年次報告書、税関登録報告書等の情報を基に作成 し、最終的に5,852物質を収載している。収載物質については、新規化学物質の登 録等の結果により、今後も更新される予定である。  GHSについては、ガイドラインに各種規格が設定されている。資金は、SAICM QSP からの支援が予定されている。規格については、駆除剤のラベル表示、化学物質の 輸送、作業環境における化学物質のラベル表示の義務内容に組み込まれている。  また、2013年3月に、化学物質管理政策および新たな法制度が発表される予定で ある。
2)ブラジル:化学物質管理法制度の概要とGHS (Gilmar Trivelato、Brazilian Institute for Safety and Health at Work)  ブラジルの化学物質管理の課題として、現在、欧州のECHAのような組織はなく、 駆除剤、殺菌、危険物運搬、作業環境用化学物質、爆発物等に関する連邦法が施行 されているがREACH規則のような包括的な法制度は策定されていないことである。 そのため、複数の所管部局があるため、規制内容に一貫性がなく不一致が生じてい る。  分類・ラベル表示・SDSについては、現在、国連GHS初版に準拠しているが、ブラ ジル技術規格協会(ABNT)ワーキング・グループによって第4版への更新作業が行 われている。なお、現行規制の施行日は、物質については2011年2月26日、混合物に ついては2015年6月1日である。  今後の展開として、全ての法制度を調和させることを目的とした委員会を発足さ せる予定である。メルコスール(南米関税同盟)の全加盟国と調和化した法制度を 目指している。また、労働省はECHAのマニュアルを参考として、分類・ラベル表示、 SDS作成のための詳細なガイドラインを作成中である。
3)南米諸国における化学物質管理法制度の概要と貿易 (Michael Wenk、INVISTA)  アルゼンチンの化学物質管理法制度は、医薬品・食品・医療技術監督庁(ANMAT) が所管し、国内化学品使用規制(Resolution 709/98)を1998年7月に策定している。 新規化学物質について届出は不要であるが、有毒物質および有毒調剤については事 前届出が必要である。分類・ラベル・包装については、有毒化学物質については EUのDSD(67/548 EEC)にしたがっている。労働衛生に関しては、1979年2月に、有 害化学物質を扱う際の安全手続きについて教育することを義務付けた法令 (Decree No.351/79)が策定されている。SDSに関しては、アルゼンチン規格協会 (IRAM)が2006年10月に国連GHSに準拠したSDS規格(IRAM4140/2006)を公表した が、公式にはアルゼンチンは国連GHSを採用していないため、ANSI Z400.1ガイドラ インにしたがっている。  チリの化学物質管理法制度は、保健省が所管し、化学物質の製造、輸入、分配、 輸送、販売、廃棄について規制している。化学物質の輸入については、輸入者に対 して正式な登録要件はないが、保健省の事前許可を得る必要がある。また、新規化 学物質の事前届出も不要である。さらに、既存化学物質のインベントリーも未作成 である。分類・ラベル・包装については、人健康に有害な有機溶剤に特定のラベル 表示を義務付けた法令(Decree No.144)を1985年5月に、また、危険化学物質の保 管方法とラベル表示を規定した法令(Decree No.78)が2010年9月に策定されている。 労働衛生に関しては、腐食性、有毒性、麻酔作用性化学物質による職業ばく露限界 (OEL)を規定した法令(Decree No.594/2003)が2003年に策定されている。なお、 労働安全衛生については、労働福祉省と保健省が所管している。SDSに関しては、 労働者の健康状態と基本的な労働環境を規定した法令(Decree 594/2003)、SDSと ラベルの内容を規定した法令(Norma Chilena No.2245(2003))が策定されている。 なお、国連GHSの採用は予定されているが、時期は未定となっている。  コロンビアの化学物質管理法制度では、保健省によって公衆衛生に危害を与える 製品の禁止あるいは制限が行われている。また、コロンビアはアンデス共同体(CAN) に加盟しているため、国家法と同様にCANの法制度にもしたがっている。なお、既存 化学物質インベントリーは公表されていない。分類・ラベル・包装に関しては、保 健省により国家法9(Law 9)の133条の中で危険化学物質の分類について規定し、 また、特定の包装、輸送方法、ラベルや他の要件について命令している。ラベルに ついては、取扱者に「理解しやすい」ように作成することが必要とされている。 SDSに関しては、法令(Law No.55/1993)により規定され、その物質の特徴、製造者、 分類、リスク、安全対策・緊急時対応を記載する必要がある。国連GHSは採用されて いないが、現在検討されている。  コスタリカの化学物質管理法制度は、保健省が所管し、有毒物質・産業用医薬品 局が有害物質を指定し、その登録を管理し、物質の制限・禁止を行っている。SDSに 関しては、1994年にISO 11014-1194が採用され、それに基づいている。国連GHSは採 用されていない。  パナマの化学物質管理法制度は、有害化学物質の事前登録を規定した法令 (General Environmental Law No.41)が1998年7月に策定され、保健省が所管して いる。登録については、国家環境局に委嘱されている。また、企業の健康リスク評 価義務等を定めた法令(Decree Law No.2)が2008年に策定されている。SDSに関し ては、法令(General Environmental Law No.41)の中でその内容を規定している。 国連GHSは採用されていない。なお、パナマはUNEPと米国EPAが設立した「化学物質 情報相互伝達ネットワーク(CIEN)」に参加している。  ホンジュラスの化学物質管理法制度は、アクセスが難しく、官報に掲載されるが 電子化はされておらず、また、多くの法律が少しずつ改正されてきているが、整理 統合はされていない。所管しているのは、製品健康管理局であり、化学物質管理規 則は実施されているが、化学物質をモニタリングする制度は作られていない。 分類・ラベル・包装に関しては、有害性についてのピクトグラムと「WARNING」の表 示、有害性の説明のみが一緒に表示されている。労働衛生に関しては、ラベル表示 について、少なくとも注意喚起語、危険性の表示、安全対策、物質名、製造者の名 前・住所・電話番号を含めることが規定されている。SDSに関しては、有害化学物質 において義務付けられている。また、SDSはANSI Z400.1に準拠している必要がある。 なお、国連GHSは既に採用している。  ベネズエラの化学物質管理法制度は、有害化学物質を規制する法律(Law on Dangerous Substances, Materials and Wastes)を2001年11月13日に策定している。 所管は製品健康管理局である。ベネズエラはCANおよびメルコスールに加盟してい る。そのため、メルコスールの法制度にもしたがっている。分類・ラベル表示に関 しては、国家規格(COVENIN 3060)により規定されている。SDSに関しては、 「Materiales Peligrosos」(ISO 11014-1に準拠)が2006年に策定されている。 なお、国連GHSを採用する予定はない。  ウルグアイの化学物質管理法制度は、基本的法律である「General Law of the Environment」が策定されている。ただし、化学物質インベントリーは作成されて おらず、製造前届出制度は策定されていない。ラベルに関しては、少なくとも、 有害性ピクトグラム、注意喚起語、有害性情報、安全対策情報およびピクトグラム、 製品識別者、サプライヤー情報、応急処置対策、(該当する場合には)使用期限、 を記載する必要がある。SDSに関しては、法令(Decree No.307/009)の中で、国 連GHSにしたがうことが記載されている。  ペルーの化学物質管理法制度は、危険化学物質と製品について規制した「General Law on Health(Law No.26842)」が1997年7月に策定されている。分類・包装・ 輸送・ラベルについては、保健省がその基準を設けることを要求しており、そのル ール案について、環境省はFacebookを通してコメントを募集している。また、ペル ー国外で製造された工業用製品のラベル要件を規定した法令 (Decree No. 1-84-ITI/IND)が1984年1月に策定され、その中で、商標名、製造国、 使用期限について記載することが義務付けられている。SDSに関しては、技術基準 (No.G.050)が策定されている。  パラグアイの化学物質管理法制度は、事前届出制度の策定および化学物質インベ ントリーは作成されていない。有害化学物質を定義した法令(Decree No.14.390/92) が策定されていて、その中でラベル表示、SDSについて規定されている。SDSに関し ては、公式には国連GHSは実施していないが、2012年4月に環境大臣がアスンシオン 国立大学と協力して実施することを表明している。
---------------------------------------------------------------------- セッション7 国際的な法制度の相違 1)国際的な駆除剤規制の展開 (Joe Minadeo、Dow AgroSciences)  EUはこれまでに駆除剤指令(Directive 98/8/EC)を施行していたが、2012年5月 22日に駆除剤規制(Regulation(EU)No.528/2012)を公布し、2013年9月1日から施 行する予定である。駆除剤のラベルについては、国連GHSに調和させることが求め られ、EUはEC1272/2008に基づいて表示を行っている。また、中国では多くの省で も国連GHSに合わせたラベル表示を行っているが、米国ではその規定はまだ明確に はなっていない。
2)国際的な化粧品規制 (John Frangos、Golder Associates)  化粧品に関して現在多くの国で規制されているが、ほとんどの国が1976年に制定 されたEUの化粧品指令に似た安全性評価と事前届出制度を義務付けている。届出は 単純な手順に従うが、安全性に関しては製造者に責任が担われている。  米国では、現在、1975年に食品医薬品局(FDA)が連邦食品医薬品化粧品法等の 規則を施行している。EUは、2009年11月に化粧品規則(EU Regulation1223/2009) を新たに策定し、2013年7月11日に施行予定である。ラベルや包装に関してはCLP規 制にしたがっている。カナダでは、食品医薬品法により規制している。ASEAN地域 では、ASEAN化粧品統一規制が2008年1月から施行され、これはEUの化粧品指令に似 た規制となっている。メルコスールでも、EUの化粧品規制に似た規制を実施してい る。オーストラリアでは、1989年工業化学品法の中で規制し、2007年9月から施行 されている。また、化粧品基準に関するガイドラインも2007年に公表している。
3)国際的な食品接触規制 (Barry Podd、Kimberly-Clark)  食品接触規制は世界の多くの地域で策定されているが、その要求事項は地域によ って異なっている。食品の包装資材にも、異なるコンプライアンスが要求されてい るが、規則が適用されている。ただし、包装資材には、輸送時に食品を保護し、さ らに消費者に対して見栄えを良くする等多くの機能が備わっているため、包装資材 の規制を策定することには複雑な問題がある。
4)国際的な内分泌かく乱物質規制 (Volker Soballa、Evonik)  内分泌かく乱物質について、EUでは、REACH規則、植物防疫製品規則、駆除剤規 制の3つの規則によって管理されている。米国では、EPAによって内分泌かく乱物質 スクリーニングプログラム(EDSP)が1999年から実施されている。中国や韓国では、 REACH規則に似たアプローチを実施している。
-------------------------------------------------------------------------- セッション8 GHSの国際的な推進 1)米国におけるGHSの推進:OSHAの新しい周知基準 (Stacy McGuire、OSHA)  米国労働省の職業安全衛生管理局(OSHA)は、危険有害性周知基準(HCS)をGHS 第3版に基づいて改正し、2012年3月26日に公布した。HCSの中で、分類については、 健康危険性については附属書A、物理的危険性については附属書Bに分類基準及び手 順が記載されている。ラベルについては、附属書Cに記載され、製品識別、注意喚 起語、有害性情報、ピクトグラム、安全情報、製造者等の責任者の名前、住所、電 話番号、を表示する必要がある。SDSについては、附属書Dに要件が記載され、16項 目があり、項目12(環境影響情報)、項目13(廃棄における注意点)、項目14(輸 送における注意点)、項目15(規制情報)については記載が義務とはなっていない。 従業員への情報と訓練について、雇用者が2013年12月1日までに、新たなラベル表 示内容およびSDSについて従業員に対してトレーニングをすることが義務付けられ ている。
2)米国とカナダにおけるGHSの実施 (Anne Vermillion、Accenture)  米国では、国連GHSを採用しているが、GHS適用までの移行期間は2015年5月31日 までである。移行期間には現行基準とGHSの両方を使用することが可能であるが、 移行後(2015年6月1日以降)は、GHSのみを使用することができる。また、移行期 間には例外があり、販売者は2015年12月1日までは旧制度に基づいて製造者によっ てラベルされた製品を運搬することが可能である。  カナダでは、作業場危険有害性物質情報制度(WHMIS)が国家有害性周知基準と なっている。カナダは貿易に関して米国と強いつながりがあるため、GHSに関して 今後は米国の基準に従うと予想されている。近年、国連GHSが2015年7月に適用され ると言われているが、これについてはまだ明確にはなっていない。
3)アジア太平洋地域におけるGHSの推進 (Carrie Decatur、IHS)  オーストラリアでは、作業場における安全衛生規則の中で、分類、ラベル表示、 SDSについて規定している(国連GHS第3版に準拠)。分類物質リストは存在しない が、国家工業化学品届出審査機構(NICNAS)がGHS基準に基づいて物質を分類して いる。適用義務は、物質および混合物ともに2017年1月1日からである。  中国では、危険化学品安全管理条例(第591号)に基づいている。危険化学品目 録は公表されていないが、情報収集は行われている。目録が公表され次第、目録を 使用することが義務付けられる。適用義務は、物質および混合物ともに2011年5月 1日である。  インドネシアでは、化学品の分類および表示に関する世界調和システムに関する 工業大臣規則2009年第87号(87/M-IND/PER/9/2009)に基づいている。分類化学物 質リストは公表されていない。適用義務は、物質については2013年、混合物につい ては2015年である。  韓国では、有害化学物質管理法(TCCA)、産業安全衛生法(ISHL)に基づいてい る。分類化学物質リストについては公表されている。適用義務は、物質については 2011年6月30日、混合物については2013年6月30日である。  ニュージーランドでは、1996年危険物質及び新生物法(HSNO)に基づいている。 物質リストとして、化学物質分類情報データベース(CCID)が構築されている。適 用義務は、物質および混合物ともに2011年6月30日である。  シンガポールでは、シンガポール国家規格(SS)に基づいている。分類リストに ついては、未公表である。適用義務は、物質は、製造者が2012年2月、使用者が 2012年末であり、混合物は、製造者が2015年6月、使用者が2015年末である。  タイでは、工業省告示「有害物質の分類及び危険有害性情報の伝達システム (B.E.2551)」に基づいている。分類リストは未公表である。適用義務は、物質に ついては2013年3月12日、混合物については2017年3月12日である。  ベトナムでは、化学品の分類・表示について規定する工商省令(04/2012/TT-BCT) 及び化学品法及び化学品法政令に関する工商省令(28/2010/TT-BCT)に基づいてい る。分類リストは未公表である。適用義務は、物質については2014年3月30日、混 合物については2016年3月30日である。
4)CLP規制:調和に向けたEUの方法 (Christian Gründling、FCIO)  科学および技術の進歩への適応(ATP)について、2011年4月に第二次ATPが施行 され、国連GHS第3版に基づいて修正された。また、2012年7月に第三次ATPが施行さ れ、附属書VIの表3.1および3.2に収載されている16の物質の分類が更新された。第 四次ATPについては今後予定され、国連GHS第4版に基づくように修正される予定で ある。また、第五次ATPでは、附属書VIが更新される予定である。
-------------------------------------------------------------------------- セッション9 インド、トルコ、韓国における化学物質管理法制度の強化 1)インド化学物質政策:既存化学物質管理法制度の概要と、今後5年間の予定 (Karon Armstrong、3M)  インドでは、有害化学物質に関する法律として「有害化学物質の製造、貯蔵、 輸入に関する規則1989およびその修正2000」が制定されている。また、GHSについ ては、環境森林省から2011年7月に「2011年有害物質(分類、梱包および表示)規 則」がドラフトとして公表された。この中で、有害化学物質として685物質が分類、 リスト化されている。化学物質インベントリーについては、基礎化学薬学化粧輸 出促進諮問委員会(CHEMEXCIL)がドラフト初版の準備を行っている段階である。  現在のインドの化学物質の課題として、包括的な化学物質管理法制度が存在しな いこと、主導的な省庁が存在しないこと、規制のアプローチの方向性が定まってい ないことである。2012年3月に、このような課題への対応、およびSAICMに基づく国 際的な化学物質管理戦略に対応するため、2020年までの新たな化学物質管理政策 (案)を発表した。
2)トルコ:既存化学物質管理と有害性周知規制の概要と、今後の予定 (Melih Babayigit、CRAD)  トルコでは、2008年12月に、「化学物質インベントリーおよび管理規制」、「有 害化学物質と調剤のためのSDS編集および配布に関する規制」、「有害化学物質と 調剤の分類、ラベル、包装に関する規則」、「ある種の危険物質と調剤の上市およ び使用の制限に関する規則」の4つの規則を制定した。これらは、2009年12月26日 から施行されている。「有害化学物質と調剤の分類、ラベル、包装に関する規則」 については、欧州のDSD、DPDに基づいて策定され、現在は欧州CLP規則に調和した 改正を進めている。2012年末までに公表予定である。なお、現在の規則は、2016年 6月1日までに廃止する予定である。移行日について、物質の分類は2014年12月31日、 混合物の分類は2016年5月31日である。
3)韓国:化学物質管理法制度の概要と、化学物質登録及び評価等に関する法律に 基づく今後の予定 (Jonghee Koh、MOE)  韓国では、欧州REACH規則にならった法律「化学物質登録及び評価等に関する法 律」の策定を進めている。この法律では、韓国に化学物質を輸出しようとする事業 者は、輸入者に課せられた義務を履行するために韓国国内の国内登録法人を代理人 に選任する制度を設けている。また、環境部は、登録一式文書の提出等を促進する ためにITシステムを開発している。さらに、現在、一般国民が有害性情報やリスク 情報にアクセスしやすいように情報データベースを構築している。今後、定期的な ステークホルダー・フォーラムやパイロットプロジェクトの実施を予定しており、 その結果を法律の内容へ反映させる予定である。施行規則等については、2013年か らドラフトの作成を進める予定である。
-------------------------------------------------------------------------- セッション10 東アジアの化学物質管理法制度 1)日本の制度:化学物質管理法制度の枠組みと日本のGHS推進 (Hitoshi Nanimoto、METI)  日本の化学物質管理制度は、化学物質審査規制法(CSCL)および労働安全衛生法 (ISHL)が実施されている。CSCLは1973年に策定され、1986年、2003年、2009年に 改正されている。2009年の改正により、国際的な動向を踏まえて、既存化学物質を 含めた全ての化学物質について、一定以上の数量の製造・輸入化学物質について届 出が義務付けられ、リスク評価に基づいた管理を行うように改正された。ISHLは、 職場における労働者の安全と健康の確保、快適な職場環境の形成促進を目的に 1972年に策定された。2005年に改正され、GHSが適用されるようになっている。 GHSについては、SDS、ラベル表示に分かれていたJIS規格を統合した新たな規格 「JISZ7253」が2012年3月に作成された。また分類に関しては、2013年に更新予定 である。いずれも、国連GHS第4版に準拠したものとなっている。
2)台湾:化学物質管理法制度の概要とGHS (Mark Grenda、Afton Chemical Corporation)  台湾の化学物質管理制度は、労工安全衛生法と毒性化学物質管理法が施行されて いる。労工安全衛生法は、作業環境における事故防止および労働者の安全と健康を 保護することを目的として1974年に公布され、2002年に改正されている。  毒性化学物質管理法は、毒性化学物質による環境及び人健康への有害性を防止す ることを目的に、1986年に公布・施行され、2007年に改正されている。  台湾のGHSは、2007年に公布された「危険物・有害物の表示とハザードコミュニ ケーション規則」に基づき実施されている。化学物質の分類とラベル表示の基準は CNS 15030-Z1051 Standard(2010)に基づいており、これは国連GHS第2版に準拠して いる。現在、GHS第4版への準拠に向けて改正作業を進めており、2013年には公布予 定である。
-------------------------------------------------------------------------- セッション11 太平洋地域とロシアにおける化学物質管理法制度 1)オーストラリアとニュージーランド:化学物質管理法制度 (John Frangos、Golder Associates)  オーストラリアでは、工業用化学物質を製造・輸入する場合は、保健省が所管す る工業化学品届出審査法(ICNA)に基づいて、連邦政府の国家工業化学品届出審査 機構(NICNAS)に届出を行う必要がある。既存化学物質インベントリー(AICS)に は、現在、約39,000物質が収載されている。新規化学物質は、AICSに収載されてい ない化学物質および製造・輸入が特定用途に該当する化学物質である。NICNASは、 2012年1月に国連GHS第3版を採用した。2016年12月31日までの5年間の移行期間の末、 作業環境における全ての化学物質はGHSに基づいて分類され、さらにラベル表示と SDSを更新する必要がある。  ニュージーランドでは、工業用化学物質は、環境保護庁(EPA)が所管する1996年 危険物質及び新生物法(HSNO)に基づいて管理されている。既存化学物質インベン トリー(NZIoC)および化学物質分類情報データベース(CCID)に収載されていな い物質は新規化学物質であり、新規化学物質を製造・輸入する場合には環境リスク 管理局(ERMA)に申請する必要がある。
2)フィリピン:化学物質管理法制度の概要とGHS (Angelita Brabante、Environmental Management Bureau Philippines)  フィリピンにおいて、工業用化学物質の製造・輸入・使用・販売・廃棄等は、環 境天然資源省が所管している「有害物質・核廃棄物法」(共和国法6969)により規 制されている。既存化学物質リスト(PICCS)には約55,000物質が収載されて、さ らに人健康や環境へ著しくリスクのある化学物質を収載した優先化学物質リスト (PCL)も作成されている。
3)ロシアと周辺国:化学物質管理法制度の概要とGHS (Dmitry Skobelev、CIS Center)  ロシアには、環境保護、人の健康の保護、資産保護、エネルギー、消費者保護の分 野について、製品、サービス、構造物、プロセス等について技術基準を定めた技術 規制法(ロシア連邦法No.184-FZ)がある。この連邦法は、2002年12月に策定され、 2003年6月に施行されている。化学物質管理に関する法制度については、連邦法の 再構築が予定されており、公衆衛生対策に関する関税同盟協定や、公衆衛生、疫学、 衛生に関する規制等を再構築して「化学物質の安全性に関する技術規則」の策定が 進んでいる。  GHSの分類については、2010年に国連GHS第3版に準拠した国家分類規則(GOST R) が定められ、2011年1月1日から施行されている。SDSについては、2007年に国連GHS 初版に準拠した国家標準様式(GOST)が策定され、2009年1月から施行されている。 ラベル表示については、2007年に国連GHS初版に準拠した国家標準(GOST)が定め られ、2009年1月1日から施行されている。試験方法について、2011年1月1日に物理 化学的特性を持つ化学物質の試験方法について13の国家標準が公表された。2012年 中に44の国家標準、2013年中に22の国家標準を公表する予定である。
---------------------------------------------------------------------- セッション12 東南アジアにおける化学物質管理法制度 1)マレーシア:化学物質管理法制度の概要とGHS (Majahar Abd Rahman、Department of Occupational Safety and Health Malaysia)  マレーシアでは、人的資源省労働安全衛生部(DOSH)が、国連GHSに基づいた化 学物質の分類、ラベル表示、SDSを規定した規則(CLASS規則)の策定作業が進めら れている。2013年上旬には施行される予定である。  現在、マレーシアの化学物質管理は人的資源省と天然資源環境省、さらに多くの 部局が関わっている。そのため、化学物質管理法制度は整っているものの、省庁間 や他の部局との協力体制や役割分担が適切に行われておらず、制度の実施が適切に は行われていない現状がある。そのため、単一の中心的部局による適切な化学物質 管理運営が求められている。
2)ベトナム、タイ、インドネシア、カンボジア、シンガポール:化学物質管理法 制度の概要とGHS (Karon Armstrong、3M)  ベトナムでは、化学品法に基づいて化学物質管理が実施されている。GHSに関し ては、化学品法の中でGHSの適用を規定している。  タイでは、有害物質法に基づいて化学物質管理が実施されている。GHSに関して は、2012年2月1日に国連GHS第3版に準拠した法令が公布され、2012年3月に施行さ れている。物質の移行期間は2013年3月11日までで、混合物は2017年3月までである。  インドネシアでは、「危険及び有毒な物質の管理に関する政府法令(2001年 第74号)」、「健康にとって危険な物質の安全に関する保健大臣規則(1996年 第472号)」、「工業会社における有毒及び危険な物質の安全に関する工業大臣決 定(1985年第148号)」に基づいて化学物質管理が行われている。GHSに関しては、 国連GHS第2版に準拠した「化学品の分類及び表示に関する世界調和システムに関す る工業大臣規則 (2009 年第87号)」により規制している。物質については2010年 3月24日が強制的な移行期限であり、混合物については2013年12月までが自主的な 移行期限である。  カンボジアでは、環境保護と天然資源管理に関する法律、医薬品管理法、製品及 びサービスの品質及び安全に関する法律、農業関連製品の基準に関する政令により、 化学物質管理が行われている。GHSに関しては、2006年に導入されているが、理解 しているのは政府関係者及び利害関係者のみであり、産業界への周知が課題となっ ている。  シンガポールでは、環境保護管理(有害性物質)規制により化学物質管理が行わ れている。GHSに関しては、職場の安全・健康規則に基づき、工業用化学物質につ いてラベルとSDSが義務付けられている。
3)東南アジアにおける新規化学物質管理の実施と順守に関する産業界の教訓 (Jim Cox、Eastman Chemicals)  東南アジアで化学物質管理制度を遵守するためには、重要なことが4つある。 まず、サプライ・チェーンにおけるコミュニケーションが大切である。特に、3つ 以上の製造業者・輸入者等が関与する場合には、特に明確なコミュニケーションが 重要である。また、サプライ・チェーンのみではなく規制当局とのコミュニケーシ ョンも必要な時がある。さらに、各対象国における物質についての定義および物質 リストの確認についても重要である。
(以上)
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