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化学物質国際対応ネットワークマガジン 第68号
http://www.chemical-net.info/
2015/10/7 配信
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※先日配信致しましたメールマガジン68号の【2】台湾 最新動向の中で
「台湾化学物質インベントリ(TCSI)に収載されている物質数が約10,000物質」と
掲載致しましたが、約100,000物質の間違いでした。ご迷惑をお掛けしましたこと
をお詫びするとともに、ここに訂正させていただきます。
このメールマガジンは、化学物質国際対応ネットワークのウェブサイトから
配信登録をされた方を対象にお送りしています。
第68号は、以下の内容をお送りいたします。
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【1】中国 最新動向
【2】台湾 最新動向
【3】カナダ 最新動向
【4】欧州化学物質庁(ECHA)最新動向
【5】日本環境省最新動向
【6】あとがき
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【1】 中国 最新動向
2015年9月2日、国家安全監督管理総局(SAWS)は、危険化学品目録の実施ガイ
ダンスならびに、目録に収載された全物質に関して義務付けられるGHS分類を公表
しました。
このガイダンスは、取り扱う混合物あるいは製品が目録に収載されているか否か
を調べる方法や、目録に収載された物質を製造・取り扱う事業者の許可証もしくは
危険化学品登録の必要性の有無について解説しています。
http://www.chinasafety.gov.cn/newpage/Contents/Channel_5330/2015/0902/2573
17/content_257317.htm
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【2】 台湾 最新動向
2015年9月9日、環境保護署は「新規化学物質及び既存化学物質登録作業ガイダ
ンス(第1版)」
(Guidance for New and Existing Chemical Substances Registration, August 2015)
を公布しました。このガイダンスは、2014年12月11日に施行された、台湾で製造・
輸入される化学物質に対する新規化学物質及び既存化学物質情報登録弁法に関して
解説しています。
また、同日、労働部は台湾化学物質インベントリ(TCSI)を更新しました。改正
毒性化学物質管理法(TCSCA)と改正職業安全衛生法(OSHA)で登録される物質のデ
ータベースがTCSIに一本化され、約100,000物質が収載されています。
ガイダンス:
http://tcscachemreg.epa.gov.tw/Epareg/content/login/DownloadList.aspx
更新されたTCSI:
https://csnn.osha.gov.tw/content/home/Substance_Home.aspx
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【3】 カナダ 最新動向
カナダ政府は、現在、既にカナダ環境保護法(CEPA)で評価されているフタル酸
ジブチル(DBP)、ブチルベンジルフタレート(BBP)、フタル酸ジ(2-エチルヘ
キシル)(DEHP)を含む、フタル酸14物質の複合ばく露による累積リスクについて意
見を募集しています。
意見募集の期限は2015年9月30日です。カナダ保健省は2016年夏にスクリーニング
評価案を、そして2017年にはスクリーニング評価ならびに累積リスクに関する報告書
の公表を予定しています。
http://www.chemicalsubstanceschimiques.gc.ca/group/phthalate/index-eng.php
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【4】欧州化学物質庁(ECHA)最新動向
(1)REACHに係る化学物質安全性報告書の実用ガイダンスの公表
2015年9月7日、ECHAは、川下ユーザー化学物質安全性報告書の作成に関する「実用
ガイダンス17:川下ユーザー化学物質安全性報告書の作成」(題は仮訳)を公表しまし
た。この実用ガイダンスは、既に公表されている「川下ユーザーのためのガイダンス」
のセッション5を補完するものです。サプライヤーによるばく露シナリオに川下ユー
ザーの物質の使用が包括されていない場合、サプライヤーは、川下ユーザー化学品安
全性報告書を作成することが出来ます。
この実用ガイダンスは以下について解説を行っています。
・物質に関する情報収集について
・化学物質安全性評価の実施について
・川下ユーザー化学物質安全性報告書の作成について
・報告書に関する顧客とのコミュニケーションについて
・ECHAへの報告について
http://echa.europa.eu/view-article/-/journal_content/title/how-to-prepare
-a-downstream-user-chemical-safety-report
実用ガイダンス17:
http://echa.europa.eu/documents/10162/13655/pg17_du_csr_final_en.pdf
川下ユーザーのためのガイダンス:
http://echa.europa.eu/documents/10162/13634/du_en.pdf
(2)分類とラベル表示(CLH)の意図の登録の更新
分類とラベル表示(CLH)に関して、意図の登録(Registry of intention)の更新
がありました。物質は以下のとおりです。
・チフェンスルフロンメチル(ISO) (CAS 79277-27-3)イギリス
・asulam-sodium (ISO) (EC 218-953-8、CAS 2301-17-2)イギリス
・tris(2-ethylhexyl) 4,4',4''-(1,3,5-triazine-2,4,6-triyltriimino)tribenzoate
(EC 402-070-1、CAS 88122-99-0)ドイツ
http://echa.europa.eu/web/guest/registry-current-classification-and-labelling-
intentions
(3)新たな高懸念物質(SVHC)の提案・パブリックコメント募集
2015年8月31日、ECHAは加盟国より新たに高懸念物質(SVHC)として提案された7
物質についてパブリックコメントを募集しました。募集は2015年10月15日までとなっ
ています。
・1,3-プロパンスルトン (EC 214-317-9、 CAS 1120-71-4) ECHA
・2-(2-ヒドロキシ-3,5-ジ-t-ブチルフェニル)-5-クロロベンゾト
リアゾール[別名:2-(3,5-ジ-tert-ブチル-2-ヒドロキシフェニ
ル)-5-クロロベンゾトリアゾール]ol-2-yl) (UV-327) (EC 223-383-8、CAS
3864-99-1)ドイツ
・2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-6-sec-ブチル-4-tert-
ブチルフェノール (UV-350) (EC 253-037-1、CAS 36437-37-3) ドイツ
・ジシクロヘキサン-1-イル=フタラート (EC 201-545-9、CAS 84-61-7) スウェー
デン
・ヘキサン-1,6-ジイル=ジアクリラート (EC 235-921-9、CAS 13048-33-4) ス
ウェーデン
・ニトロベンゼン (EC 202-716-0、CAS 98-95-3) オーストリア
・Perfluorononan-1-oic acid (2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,9-
heptadecafluorononanoic acid and its sodium and ammonium salts (EC 206-
801-3、CAS 375-95-1; CAS 21049-39-8; CAS 4149-60-4) スウェーデン
http://www.echa.europa.eu/addressing-chemicals-of-concern/authorisation/
substances-of-very-high-concern-identification
(4)殺生物性製品規則 第95条リストの施行
2015年9月1日をもって、殺生物性製品規則の第95条リストの該当する製品タイ
プに物資あるいは製造サプライヤー名が収載されていない限り、EU域内でその物質
を含む、もしくは関連物質を発生する物質を含む殺生物性製品を上市できなくなり
ました。今後、第95条リストは定期的に更新が予定されています。
http://echa.europa.eu/view-article/-/journal_content/title/the-article-95
-list-of-active-biocidal-substance-and-product-suppliers-becomes-enforceable
活性物質とサプライヤーのリスト:
http://echa.europa.eu/information-on-chemicals/active-substance-suppliers
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【5】日本環境省最新動向
(1)「SAICM国内実施計画の進捗状況について」の取りまとめを公表
「国際的な化学物質管理のための戦略的アプローチ(SAICM(サイカム))※」の
関係省庁連絡会議において、SAICM国内実施計画の実施状況を点検し、「SAICM国内
実施計画の進捗状況について」を取りまとめました。
(参考URL:http://www.env.go.jp/press/101439.html)
本報告書についてまとめられ、現在スイスのジュネーブで開催中(~10月2日(金)
まで)の第4回国際化学物質管理会議(ICCM4)にて情報発信されています。今後は、
ICCM4での議論等を踏まえ、関係省庁が連携して包括的な化学物質対策の確立と推進
に向けて引き続き取組が進められる予定です。なお、ICCM4の結果については化学物
質国際対応ネットワークマガジン第69号にてお伝えする予定です。
※ SAICM:「予防的取組方法に留意しつつ、透明性のある科学的根拠に基づくリス
ク評価手順と科学的根拠に基づくリスク管理手順を用いて、化学物質が、人の健康と
環境にもたらす著しい悪影響を最小化する方法で使用、生産されることを2020年まで
に達成する」との国際目標、いわゆるWSSD2020年目標の達成に向け、2006年の第1回
国際化学物質管理会議(ICCM1)で採択された国際戦略及び行動計画。
(2)環境省新パンフレットのご案内:
「水銀に関する水俣条約と日本の貢献 ~水俣・日本から世界へのメッセージ~」
平成25年10月に日本で採択された「水銀に関する水俣条約」の実施に向け、平成
27年6月に「水銀による環境の汚染の防止に関する法律」「大気汚染防止法の一部
を改正する法律」が成立するなど、包括的な水銀対策が進められているところです。
このような背景を受け、環境省において新パンフレット「水銀に関する水俣条約と
日本の貢献 ~水俣・日本から世界へのメッセージ~」(和・英)が作成されまし
た。水俣条約担保措置のポイント、水銀対策における国際協力、我が国の水銀関連技
術など、日本の水銀に関する取組がまとめられています。
日本語版及び英語版が環境省のホームページに掲載されております。
(日本語版)http://www.env.go.jp/chemi/tmms/suigin_pamphlet_20150914_JP.pdf
(英語語版)http://www.env.go.jp/chemi/tmms/suigin_pamphlet_20150914_EN.pdf
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【6】 あとがき
猛暑が過ぎ去り秋らしく過ごしやすくなってきたと思った矢先の天候不良で、体
調を崩されている方も多いと存じます。御自愛ください。
本号では、中国、台湾、カナダ、ECHA及び日本環境省に関する最新動向について
お届けしました。
読者の皆さまより、記事内容に関する御意見、御要望を募集しております。下記の
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どうぞよろしくお願いいたします。
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環境省総合環境政策局環境保健部
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→http://www.env.go.jp/chemi/kagaku/index.html
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