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     化学物質国際対応ネットワークマガジン 第76号
          http://chemical-net.env.go.jp/
              2016/12/26配信
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このメールマガジンは、化学物質国際対応ネットワークのウェブサイトから
配信登録をされた方を対象にお送りしています。

第76号は、以下の内容をお送りいたします。
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【1】ベトナム 最新動向                 3E Company Japan
【2】ロシア  最新動向                 3E Company Japan
【3】米国   最新動向                 3E Company Japan
【4】中国   最新動向                ネットワーク事務局
【5】タイの化学物質管理政策最新動向セミナー      ネットワーク事務局
【6】あとがき                     ネットワーク事務局
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【1】ベトナム 最新動向
ドラフト化学品インベントリ リストの公表

 2016年9月15日、ベトナムの化学品庁及び商工省(MOIT)下の化学品データ対
応センター(CECHEDAR)が化学品のドラフトインベントリを公表しました。この
リストには3,023物質が収載されており、MOITは日本の経済産業省と連携して取
り組んでいます。パブリックコメントの第1段階は10月30日に締め切られました
が、引続きCECHEDARは化学物質の追加についての提案を受け入れています(※1)。
インベントリに化学物質を追加しようとする企業は、企業名、連絡先、化学物質
名及びCAS、HSコードなどを専用の書類(※2)に記載し、提出する必要がありま
す。
 ドラフトリストは、既存のベトナム化学品規制からの化学物質に加え、ベトナ
ム政府により通知され、登録された化学物質を収載しています。このインベント
リが完成すると、リストに収載されていない化学物質は新規化学物質として扱わ
れ、登録要件の対象となりえます。

既存の主なベトナム化学品規制には以下のような規制があります。

・政令108/2008/ND-CP号:化学品法諸条に関する細則及び施行ガイダンス
Decree 108/2008/ND-CP on Details and Guidance on the Implementation     
of a Number of Articles of the Chemical Law

・通達28/2010/TT-BCT号:化学品法及び政令108/2008/ND-CP号の詳細を定
める通達
Circular 28/2010/TT-BCT on Specifying a Number of Articles of the Law     
on Chemicals and Decree 108/2008/ND-CP

・政令26/2011/ND-CP号:政令108/2008/ND-CP一部条項の改正に関する政令
Decree 26/2011/ND-CP on Amending and Supplementing a Number of Articles     
in Decree 108/2008/ND-CP

・通達7/2013/TT-BCT号:工業分野における製品・商品生産用有害物質の使
用登録に関する通達
Circular 7/2013/TT-BCT on Providing for the Registration for Use of      
Hazardous Chemicals for Production of Products, Goods in the Industrial      
Field

・通達42/2013/TT-BCT号:工業用前駆物質の管理及び規制に関する通達
Circular 42/2013/TT-BCT on Management and Control of Precursors in      
Industrial Use

・政令38/2014/ND-CP号:化学兵器の開発、生産、貯蔵及び使用の禁止並び
に廃棄に関する条約の規制対象物質の管理に関する政令
Decree 38/2014/ND-CP on Management of Chemicals Subject to Control of      
the Convention on the Prohibition of the Development, Production,      
Stockpiling, Use and Destruction of Chemical Weapons

(※1) ドラフトインベントリに対する意見募集について
  http://vcerc.com/lay-y-kien-cho-ban-du-thao-danh-muc-hoa-chat-quoc-gia/

(※2)化学物質の提出用書式
  http://vcerc.com/wp-content/uploads/2016/09/Comments_for_Draft_Inventory.docx
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【2】ロシア 最新動向
化学品の安全性に関する技術規則の採択

 2016年10月7日、ロシア政府は化学品の安全性に関する技術規則を公表しました
(※3)。この法律は、ロシア市場における化学品の流通要件及び、化学物質の識
別、分類、登録、表示及び安全性のための規則を設定しています。2021年7月1日よ
り施行されます。
 国連GHS改定第3版と整合していますが、EU REACH規則とは対照的に、新たなロシ
ア化学品法は以前に調査された各物質に対して、新たな調査を実施する事を要求し
ていません。この規則により、新規化学物質の化学物質通達システムと化学物質の
登録システムが確立されます。2種類の化学物質の登録が定義されており、1つは新
規化学物質についてで、もう1つが登録されている化学物質についてです。またこの
規則は、表示に関するGOST(State Standard)31340-2013及びGOST 30333-2007を参
照しており、特定の種類の化学物質(発がん性物質、変異原性物質、生殖毒性物質、
慢性水生毒性物質など)の使用に関して閾値を設定しています(※4)。
 元々、このドラフトはユーラシア経済連合(EEU)全体の規則として提案されまし
たが、 EEUの公式ページにはまだ採用が保留されている規制として記載されています。
そのため、この法律はロシア連邦の領土にのみ適用されます。

(※3) ロシア政府の規制に関するサイト
  http://m.government.ru/docs/24857/

(※4)化学品の安全性に関する技術規則(PDF)
  http://government.ru/media/files/4tiWyMbEWxrnEziuZ6uyAk0HAhp1zAzM.pdf
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【3】米国 最新動向
改正TSCA下で審査される最初の化学物質の公表

 2016年11月29日、米国環境保護庁(EPA)は、改正有害物質管理法(改正TSCA)
の下で、潜在的な人の健康及び環境へのリスクを評価するために、2014 TSCA作業
計画から最初の10物質が選定されたことを発表しました(※5)。
 このリストは、2016年12月19日に連邦登録簿に掲載され、選定された化学物質と
評価プロセスの詳細が記載されます。
 改正TSCAには、2014 TSCA作業計画にある約90物質の、人の健康及び環境への潜
在的なリスクの評価が含まれており、今回公表された10物質は以下のとおりです(※6)。

・1,4-ジオキサン(1,4-Dioxane)
・1-ブロモプロパン(1-Bromopropane)
・アスベスト(Asbestos)
・四塩化炭素(Carbon Tetrachloride)
・環状脂肪族臭素クラスター(HBCD)(Cyclic Aliphatic Bromide Cluster (HBCD))
・塩化メチレン(Methylene Chloride)
・N-メチルピロリドン(N-Methylpyrrolidone (NMP))
・ピグメントバイオレット29
(Pigment Violet 29 (Anthra[2,1,9-def:6,5,10-d’e’f’]diisoquinoline-1,3,8,10(2H,9H)-tetrone))
・テトラクロロエチレン(Tetrachloroethylene (perchloroethylene) )
・トリクロロエチレン(Trichloroethylene (TCE))
 
EPAのロードマップは、2019年末までに少なくとも20物質のリスクアセスメントを
予定しています。

(※5)米国環境保護庁 ニュースリリース
  https://www.epa.gov/newsreleases/epa-names-first-chemicals-review-under-new-tsca-legislation

(※6)対象物質の詳細情報
  https://www.epa.gov/assessing-and-managing-chemicals-under-tsca/evaluating-risk-existing-chemicals-under-tsca
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【4】中国 最新動向
(1)国家安全生産監督管理総局が「第1回化学品物理危険性鑑定機関に関する
通知」を公表

 2016年11月24日、国家安全生産監督管理総局が「第1回化学品物理危険性鑑定機関
に関する通知」を公表しました(※7)。当該通知は、「化学品物理危険性鑑定及び
分類管理弁法」の関連規定に従って、第1回の化学品物理危険性認定機関、各機関の
認定項目及び測定可能な物性を公示したものです。中国安全生産科学研究院、国家安
全生産監督管理総局化学品登録センター(中国石油化工股フン有限公司青島安全工程
研究院)など11機関は第1回の化学品物理危険性鑑定機関となりました。

(※7)国家安全生産監督管理総局 公告 2016年第7号
  http://www.chinasafety.gov.cn/newpage/Contents/Channel_5330/2016/1124/278920/content_278920.htm

(2)上海市政府が「上海市危険化学品安全管理弁法(改正版)」を公表

 2016年11月3日、上海市政府は「上海市危険化学品安全管理弁法(改正版)」
を公表しました(※8)。改正版の管理弁法は2017年1月1日から正式に施行される予
定です。改正版の管理弁法では、危険化学品の生産、経営、貯蔵、輸送、使用、廃棄
危険化学品の処置などにおける19の行政管理部門の責任が細分化され、危険化学品の
安全管理への区人民政府、郷鎮人民政府、産業園区管理機関の所属地管理責任が明確
になりました。また、改正版の管理弁法では区域別の目次・リスト管理を提示し、各
地区、各種類の危険化学品への禁止、規制、管理の要求を設置し、それに応じる罰則
制度も規定されています。さらに、危険化学品関連の新規、改造、拡張プロジェクト
は原則、集中地域内のみで実施されますが、集中地域外で実施する場合には、区レベ
ルの人民政府が公聴会、専門家の検討会を開催する必要があると規定されています。

(※8)上海市政府「上海市危険化学品安全管理弁法(改正版)」の公表
  http://www.shanghai.gov.cn/nw2/nw2314/nw2315/nw4411/u21aw1172718.html
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【5】タイの化学物質管理政策最新動向セミナー
 平成28年12月8日に、化学物質国際対応ネットワークでは、タイの政府関係者を講
師とした「タイの化学物質管理政策に関するセミナー」を開催し、化学物質管理関連
法制度の最新動向について意見交換を行いました。
 タイの化学物質管理に関心を持つ約300名に御参加いただき、当日は会場からたく
さんの御質問をいただきました。盛況の内に閉会を迎えることができましたことを厚
く御礼申し上げます。
 講演資料(英語版、日本語版)を当ネットワークのウェブサイト(※9)に掲載し
ましたので、御利用ください。

(※9) 化学物質国際対応ネットワーク セミナー・ワークショップ資料
  http://chemical-net.env.go.jp/semi_bn_2016.html#sem2

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【6】あとがき

 本号では、ベトナム、ロシア、米国、中国に関する最新動向、タイの化学物質管
理政策に関するセミナー開催報告などについて特集いたしました。
 読者の皆さまより、記事内容に関する御意見、御要望を募集しております。
下記の「お問い合わせ」のページからお寄せください。どうぞよろしくお願いいた
します。

  http://chemical-net.env.go.jp/contact.html
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  環境省総合環境政策局環境保健部
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