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     化学物質国際対応ネットワークマガジン 第91号
          http://chemical-net.env.go.jp/
              2018/7/30 配信
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このメールマガジンは、化学物質国際対応ネットワークのウェブサイトから
配信登録をされた方を対象にお送りしています。

第91号は、以下の内容をお送りいたします。
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【1】ブラジル 最新動向                    Verisk 3E
【2】ケムセック(ChemSec) 最新動向              Verisk 3E
【3】ロシア 最新動向                     Verisk 3E
【4】米国 最新動向                      Verisk 3E
【5】SAICM 最新動向                      Verisk 3E
【6】中国 最新動向               ハニカム・テクノリサーチ
【7】台湾 最新動向               ハニカム・テクノリサーチ
【8】あとがき                     ネットワーク事務局
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【1】ブラジル 最新動向
化学品法案の最終ドラフトについてのすり合わせ

 2018年6月25日、環境省(MMA)のブラジル化学安全委員会(CONASQ)は、国家の
化学物質管理、特に人の健康と環境を危険にさらす可能性のある有害化学物質の規
制を目的としたドラフト案を検討するため、会合を開きました(※1)。化学物質
法のドラフト案では、既存化学物質の国家インベントリを作成し、化学物質の登録、
評価、管理を行うことを想定しています。
 環境省の環境品質部産業局長は、ブラジルには農薬、洗浄及び消毒剤、食品添加
物、医薬品、化粧品などの特定の用途を規制する規制制度と法令があるが、このド
ラフト案は、どの産業分野で使用されるかにかかわらず、一般的な工業用化学物質
の規則を提案しているものであると、コメントをしています。

(※1)ブラジル環境省のニュース(ポルトガル語)
http://www.mma.gov.br/index.php/comunicacao/agencia-informma?view=blog&id=3073

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【2】ケムセック(ChemSec) 最新動向
SIN listに6つの新しいエントリを追加

 2018年6月、ケムセック(ChemSec; International Chemical Secretariat)は
SIN (Substitute It Now!) listに6つの新しいエントリを追加しました(※2)。
6物質ともEUの非常に懸念される物質(SVHC)の候補リストに記載されています。

  1. エチレンジアミン(Ethylenediamine)、(ECHA加盟国によりSVHCと判断さ
    れ呼吸器感作性として分類)
  2. ベンゾ[ghi]ペリレン(Benzo[ghi]perylene)、(ECHA加盟国により生殖毒
    性とPBT/vPvBのSVHCと判断)
  3. ドデカメチルシクロヘキサシロキサン(Dodecamethylcyclohexasiloxane 
    (D6))、(ECHA加盟国により生殖毒性とPBT/vPvBのSVHCと判断)
  4. デカメチルシクロヘキサシロキサン(Decamethylcyclopentasiloxane (D5))、
    (ECHA加盟国により生殖毒性とPBT/vPvBのSVHCと判断)
  5. 1,2,4-ベンゼントリカルボン酸1,2-無水物(Benzene-1,2,4-tricarboxylic 
    acid 1,2 anhydride)、 (ECHA加盟国によりSVHCと判断され呼吸器感作性
    として分類)
  6. 水素化テルフェニル(Terphenyl hydrogenated)、(ECHA加盟国によりvPv
    BのSVHCと判断)

(※2)SIN listの更新情報(英語)
http://chemsec.org/business-tool/sin-list/sin-list-updates/

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【3】ロシア 最新動向
麻薬、向精神薬およびその前駆物質のリストに新しい物質を追加

 2018年6月22日、ロシア連邦(681/1998)の規制対象である麻薬、向精神薬およ
びそれらの前駆物質のリスト承認について、ロシアの主要な規制物質法の改正を公
表しました(※3)。この改正案により、ロシア政府は、新しいタイプの精神活性
物質を追加しました。ベンジルフェンタニルを含む、使用が禁止されている17物質
がリストIに追加され、リストIIとリストIIIには、8物質の新しい向精神薬が追加
されています。改正案は、ロシアでの使用が法的に禁止されている物質のリストを
含むDecree No 1002/2002も変更します。

(※3)ロシア政府決定(ロシア語)
http://pravo.gov.ru/laws/acts/49/554956.html

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【4】米国 最新動向
TSCAに基づく機密化学物質の一般名を作成するためのガイダンス

 2018年6月27日、米国環境保護庁(EPA)は、「有害物質規制法(TSCA)に基づ
く化学物質の機密情報の一般名を作成するためのガイダンス」を公表する旨の通知を
発表しました(※4)。
 TSCAは、EPAに対し、「特定の化学物質がTSCA通知で機密扱いとされている化学物
質に対して提供される構造的で記述的な一般名の決定に関するガイダンス」を発行
するよう義務付けています。一般名は、機密であると主張され、開示により請求者
の競争上の地位に大きな損害を与える可能性がある化学構造などの特徴を秘密にし
ながら、EPAのガイダンスに適合している必要があり、可能な限り具体的に化学構
造を記述しなければなりません。このガイダンス文書は、企業が上記の基準に合致
する名前を作成するのを支援するものです。このガイダンス文書へのコメントは、
2018年8月27日まで受け付けられています。

(※4)EPAガイダンス文書(英語)
https://www.epa.gov/sites/production/files/2018-06/documents/san6814_guidance_for_creating_tsca_generic_names_2018-06-13_final.pdf

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【5】SAICM 最新動向
化学物質管理における8つの新たな政策課題を公表

 国連(UN)の国際的な化学物質管理のための戦略的アプローチ(SAICM)は、医
薬品からエレクトロニクスまでのトピックについて決議が採択された8つの新たな
政策課題を特定しました(※5)。8つの政策課題は以下の通りです。
  · 塗料中の鉛
  · 製品中の化学物質
  · 電気および電子製品に含まれるライフサイクルを通した有害物質;
  · ナノテクノロジーおよび製造されたナノ材料
  · 内分泌かく乱化学物質
  · 環境中で難分解性の医薬品汚染物
  · ペルフルオロ化合物とより安全な代替え物質への移行
  · 非常に有害な農薬

 SAICMは、経済協力開発機構(OECD)や世界保健機関(WHO)などの組織と協力し
て、新たな政策課題を特定しています。これら課題について、懸念を特定し、必要
な対応について合意し、特定ステークホルダーに対して取るべき対応策について検
討を行うよう要請する必要があります。

(※5)SAICMの新たな政策課題と懸案事項(英語)
http://www.saicm.org/Implementation/EmergingPolicyIssues/tabid/5524/language/en-US/Default.aspx

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【6】中国 最新動向
「中華人民共和国規制管理化学品管理条例実施細則」の改正

 2018年7月2日、工業及び情報化部は、規制管理化学品の管理法を定めた「中華
人民共和国規制管理化学品管理条例実施細則」の改正を発表しました(※6)。今
回の改正は行政許可の手続き等の制度を見直すとともに、第二類規制化学品の詳細
管理規定を明示したものです。さらに、旧規定では規制化学品の保管及び運送など
が定められていましたが、その規定を削除し、危険化学品などの規定と整合性が確
保されました。この規定は2019年1月1日より実施されるものです。

(※6)工業及び情報化部(中国語)
http://www.miit.gov.cn/n1146285/n1146352/n3054355/n3057254/n3057264/c6245396/content.html

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【7】台湾 最新動向
「危険物品空運管理弁法」の改正草案に係る意見募集

 2018年6月27日、台湾交通部は危険貨物の運送管理を定めた「危険物品空運管理
弁法」の修正草案を発表しました(※7)。この修正草案について、空運危険貨物
を取り扱う航空関連業者に向けて、2018年6月27日から2018年8月26日まで意見を
募集しています。今回の改正では、危険貨物の取り扱い許可に係る有効期限及び再
申請手続きを追加され、また、外国籍航空機における現地の民間航空主管機関への
報告手続きが改正されました。

(※7)台湾交通部(中国語)
https://gazette.nat.gov.tw/egFront/detail.do?metaid=99834&log=detailLog

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【8】あとがき
 本号では、ブラジル、ケムセック、ロシア、米国、SAICM、中国、台湾の最新動向に
ついて特集いたしました。
 読者の皆さまより、記事内容に関するご意見、ご要望を募集しております。下記の
「お問い合わせ」のページからお寄せください。
 どうぞよろしくお願いいたします。

  http://chemical-net.env.go.jp/contact.html

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