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     化学物質国際対応ネットワークマガジン 第73号
          http://chemical-net.env.go.jp/
              2016/9/26配信
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このメールマガジンは、化学物質国際対応ネットワークのウェブサイトから
配信登録をされた方を対象にお送りしています。

第73号は、以下の内容をお送りいたします。
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【1】タイ 最新動向				    3E Company Japan
【2】欧州化学物質庁(ECHA)最新動向		    3E Company Europe
【3】中国 最新動向				    ネットワーク事務局
【4】あとがき					    ネットワーク事務局
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【1】	タイ 最新動向
(1)タイ既存化学物質インベントリの準備
 2016年6月30日に、工場局(DIW)よりタイ既存化学物質インベントリに関する
通達が出されました(※1)。既に膨大な有害物質、許可や通知が必要な化学物質
がタイ国内には流通していますが、タイ国内で未使用であった化学物質の管理の
ため、及び事業主が有害物質に関連する法令によって規制される化学物質リスト
を調べることを可能にするために、DIWはタイ既存化学物質インベントリを作成
しています。
 有害物質管理局への各種有害物質申請手続き(※2)に従い、準備中のタイ既存
化学物質インベントリ(※3)の化学物質が、既存化学物質として検討されています。

(※1)タイ既存化学物質インベントリに関する通達
  http://www.diw.go.th/hawk/law/haz/58-1.pdf
(※2)有害物質管理局への各種有害物質申請手続き
  http://eis.diw.go.th/haz/hazdiw/eservices.htm
(※3)タイ既存化学物質インベントリ
     (Preliminary of Thailand Existing Chemical Inventory)
  http://haz5.diw.go.th:8282/
[注]2016年9月現在、インベントリのWebサイトは非常に不安定でアクセス
しづらい状況ですが、リスト5.1、リスト5.4及びリスト5.5の化学物質が収載
されており、CASや化学物質名での検索のほか、各リスト一覧を閲覧することが
可能です。リスト5.6として届出された物質は、今のところリストとして公表
されておりません。

(2)タイ農業協同組合省 畜産振興局(DLD)により有害物質へのラベル表示
 タイにおいては工場局(DIW)や医薬品局(FDA)により有害物質へのGHSを実施する
ことが公表されていますが、2015年7月10日にDLD管理下の有害物質に対しても
GHSを実施する通達が公表されました(※4)。猶予期間終了後には、農業協同組合省
が管理する、リスト1.1中の物質を対象にGHSの対応が必要となります。

(※4)タイ農業協同組合省 畜産振興局 有害物質ラベルに関する通達
  http://www.chemtrack.org/BoardFile/F10-4-1.PDF

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【2】欧州化学物質庁(ECHA)最新動向
(1)新たな高懸念物質(SVHC)の提案 パブリックコメント募集中
 2016年9月6日 - ECHAは加盟各国より新たに高懸念物質(SVHC)として提案された
以下の6物質についてパブリックコメントを募集しています(※5)。募集締め切りは
2016年10月21日です。これらの物質がもし高懸念物質(SVHC)と認定された場合には、
将来的にREACH付属書 XIVの認可対象物質に指定される可能性があります。

・4,4'-イソプロピリデンジフェノール(ビスフェノールA)
(EC 201-245-8、CAS 80-05-7)
提案国:フランス
提案理由:生殖毒性(REACH57条c)

・分枝及び直鎖の4-ヘプチルフェノール[主にフェノールの4の位置で炭素数7の直鎖
及び/又は分岐したアルキル鎖が共有結合している物質で、UVCB物質及びwell-defined
物質(組成等が分かっている物質)の個々の異性体、及びその混合物のいずれをも含む]
提案国:オーストリア
提案理由:同等レベルの懸念を生じさせるような環境に対する深刻な影響をもたらす恐れ(57条f)

・4-tert-ブチルフェノール(EC 202-679-0、CAS 98-54-4)
提案国:ドイツ
提案理由:同等レベルの懸念を生じさせるような環境に対する深刻な影響をもたらす恐れ(57条f)

・1,2,4-ベンゼントリカルボン酸1,2-無水物(無水トリメリット酸; TMA)
(EC 209-008-0、CAS 552-30-7)
提案国:オランダ
提案理由:同等レベルの懸念を生じさせるような環境に対する深刻な影響をもたらす恐れ(57条f)

・ノナデカフルオロデカン酸(PFDA)並びにそのナトリウム及びアンモニウム塩
(EC -/CAS3108-42-7, EC 206-400-3/CAS 335-76-2, EC 221-470-5/CAS 3830-45-3)
提案国:スウェーデン
提案理由:生殖毒性(57条c)及びPBT(57条d)

・4-(1,1-ジメチルプロピル) フェノール(EC 201-280-9、CAS 80-46-6)
提案国:ドイツ
提案理由:同等レベルの懸念を生じさせるような環境に対する深刻な影響をもたらす恐れ(57条f)

(※5)新たな高懸念物質(SVHC)の提案に関するパブリックコメント
  https://echa.europa.eu/addressing-chemicals-of-concern/authorisation/substances-of-very-high-concern-identification

(2)『CLP規則に対応した表示と包装の手引き』の改定
 2016年9月6日 - ECHAが発行する『CLP規則に対応した表示と包装の手引き(Guidance
on labelling and packaging in accordance with Regulation (EC) No 1272/2008)』
が改定されました(※6)。
 第2版となる本手引きでは、主に、国連GHS文書改訂第4版に沿って改定がなされた
CLPの第4 ATP(Adaptation to Technical Progress、技術的進歩への適応のための改定)
及び、洗濯用パック型液体洗剤の表示と包装について定めたCLP改定(Regulation
 (EU) No 1297/2014)にあわせて内容が変更されました。さらに、混合物について危険
調剤指令(DPD)による表示及び危険物質指令(DSD)による成分の分類が有効であった
移行期間が終わり、CLPが完全実施に至ったことによる変更も加えられています。
 今後、CLP第8 ATPに沿ってさらに手引きを改定することを目指して作業中とのことです。

(※6)CLP規則に対応した表示と包装の手引き(第2版)
  https://echa.europa.eu/documents/10162/13562/clp_labelling_en.pdf/89628d94-573a-4024-86cc-0b4052a74d65

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【3】中国 最新動向
(1)遼寧省人民政府が「遼寧省環境保全十三五計画」を公表
 2016年8月1日、遼寧省人民政府は「遼寧省環境保全十三五計画」(第13次5か年
計画)を公表しました(※7)。
 遼寧省環境保全十二五計画(第12次5か年計画)の化学品管理関連の重点任務の実施
によって、2015年末現在で、鉛、水銀、クロム、カドミウム、ヒ素の排出量が2007年比
でそれぞれ39%、21%、44%、64%、82%削減されました。十二五計画の実施結果を踏
まえて、遼寧省環境保全十三五計画では以下のような化学品管理目標(抜粋)を挙げて
います。

・重金属、化学品、危険廃棄物など重点分野の環境リスク管理を強化する。
この目標を実現するために、遼寧省が以下のような環境保全対策を講じる予定です。

・環境リスクの予防と管理:
重金属汚染対策と地域の総合的な整備、化学品及びPOPs汚染対策、突発的な環境事件の
予防、早期警告体制の構築、危険廃棄物処理事業の利用、応急物資備蓄体制と専門応急
救援隊の整備、歴史的な負の遺産として残された放射性廃棄物の対策

(※7)遼寧省環境保全庁 遼寧省環境保全十三五計画
  http://www.ln.gov.cn/zfxx/zfwj/zhwjk/201607/P020160707543111335933.doc

(2)四川省安全生産監督管理局が「四川省危険化学品及び花火爆竹の重大事故
抑制の実施計画」を公表
 2016年7月25日、四川省安全生産監督管理局が「四川省危険化学品と花火爆竹重大
事故抑制の実施計画」を公表しました(※8)。当該計画に関連する政府機関及び事業者
に下記の対策を求めています。

 安全リスクと顕在危険を全面的に調査する。引火性、爆発性、毒性など危険性が高い
物質を生産、取扱い、保管する場所、及び事故の影響を受ける可能性がある混雑した場
所に対して徹底的に調査する。
 リスク管理、顕在危険への対策を厳格にする。省、市、県の安全監督部門はそれぞれ、
管轄エリア、企業の危険化学品、花火爆竹の重大な危険源の分布を示した電子地図、安
全リスクレベルの電子地図を作成する。
 応急対応能力を引き上げる。様々な事故への応急計画及び高リスク職場の現場処理計
画を改善し、年間総合計画又は特別計画の訓練を実施する。
 総合的な予防及び制御システムを構築する。自動化制御システムの改造を継続し、危
険化学品の重大な危険源のオンラインモニタリング及び事故の早期警告対策、危険化学
品タンクの本質的な安全強化対策を実施する。

(※8)四川省政府 四川省危険化学品及び花火爆竹の重大事故抑制の実施計画
  http://www.sc.gov.cn/10462/11855/12110/12120/2016/7/29/10390248.shtml

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【4】あとがき
 本号では、タイ、欧州化学物質庁、中国に関する最新動向について特集いたしま
した。
 読者の皆さまより、記事内容に関する御意見、御要望を募集しております。
 下記の「お問い合わせ」のページからお寄せください。
 どうぞよろしくお願いいたします。

  https://chemical-net.env.go.jp/contact.html

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