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化学物質国際対応ネットワークマガジン 第90号
http://chemical-net.env.go.jp/
2018/6/27 配信
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このメールマガジンは、化学物質国際対応ネットワークのウェブサイトから
配信登録をされた方を対象にお送りしています。
第90号は、以下の内容をお送りいたします。
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【1】米国 最新動向 Verisk 3E
【2】国際がん研究機関(IARC) 最新動向 Verisk 3E
【3】オーストラリア 最新動向 Verisk 3E
【4】ブラジル 最新動向 Verisk 3E
【5】欧州化学物質庁(ECHA) 最新動向 Verisk 3E
【6】中国 最新動向 ハニカム・テクノリサーチ
【7】台湾 最新動向 ハニカム・テクノリサーチ
【8】あとがき ネットワーク事務局
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【1】米国 最新動向
米国EPA 改正TSCA第5条通知に関する所見を公表
2018年5月17日、米国環境保護庁(EPA)は、改正有害物質規制法(改正TSCA)第5条
(a)に基づき、2018年2月1日から2018年3月31日までに提出された製造前通知(PMNs)
の新しい所見の声明を発表しました(※1)。
この声明によると、PMNsの6つ化学物質の提出のレビューには必然性があり、改正TSCA
第5条(a)(3)(c)により、特定された化学物質は「健康や環境に対する危険性の不合理な
リスクを示す可能性はない」と結論づけています。案件番号ごとの決定の根拠を記した
文書は、当局のウェブサイトで入手できます。
· Polyurethane, polymer exemption flag (案件番号P-16-0415)
· Phosphinic acid, P,Palkyl-, salt( 案件番号P-18-0002)
· Dicarboxylic acids, polymers with substituted poly(substituted alkendiyl),
3-hydroxy2-(hydroxyalkyl)-2-alkylalkenoic acid, 5-substituted-1-(substituted
alkyl)-1,3,3- trialkyl carbomonocyle, alkanediol, alkanetriol, alcohol blocked
compounds with aminoalcohol, polymer exemption flag( 案件番号P-18-0021)
· Fatty acids, alkyl esters(案件番号P-18-0044 、18-0045)
· 2-Propenoic acid, telomers with Bu alc.-2-[(2-propen-1- yloxy)methyl]oxirane
reaction products, sodium bisulfite and sodium 2-hydroxy3-(2-propen-1-yloxy)-1-
propanesulfonate(1:1), sodium salts, peroxydisulfuric acid ([(HO)S(O)2]2O2)
sodium salt (1:2)-initiated(CAS No. 2118944-42-4、 案件番号P-18-0083)
(※1)官報:EPAの通知(英語)
https://www.gpo.gov/fdsys/pkg/FR-2018-05-17/pdf/2018-10579.pdf
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【2】国際がん研究機関(IARC) 最新動向
IARC モノグラフ第115号の公表
2018年5月25日、国際がん研究機関(IARC)は、IARCモノグラフ第115巻のオンラ
イン出版物を公表しました(※2)。この巻には以下のモノグラフが含まれています。
· ブロモプロパン
· メルカプトベンゾチアゾール
· クロロ-2-メチルプロペン
· N、N-ジメチルホルムアミド
· N、N-ジメチル-p-トルイジン
· ヒドラジン
· テトラブロモビスフェノールA
(※2)IARCオンライン(英語)
http://publications.iarc.fr/Book-And-Report-Series/Iarc-Monographs-On-The-Evaluation-Of-Carcinogenic-Risks-To-Humans/Some-Industrial-Chemicals-2018
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【3】オーストラリア 最新動向
化学物質インベントリ(AICS)に化学物質の追加と修正
2018年5月1日、オーストラリアの工業化学品(届出・審査)制度(NICNAS)は、
オーストラリア化学物質インベントリ(AICS)を更新するための告知No.C05を発表し
ました(※3)。この度、21の新規化学物質が追加されます。また、既にインベント
リに収載されている物質のうち重複があった1物質が削除され、12物質の名称が修正
されます。
(※3)NICNAS告知(英語)
https://www.nicnas.gov.au/news-and-events/chemical-gazette/numbers/2018/no.-c-05,-may-2018
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【4】ブラジル 最新動向
規制物質法の修正
ブラジル国家衛生監督庁(ANVISA)は、法令第344号(1998年5月12日制定)の特別
な管理下にある麻薬、向精神性、前駆物質およびその他の物質のリストを更新しました
(※4)。新しいリストは、2018年5月22日から適用されています。
附属書1のリストに収載されている特定の物質の抽出、製造、加工、頒布、輸送、準
備、取扱い、分別、輸入、輸出、包装については、認可が要求されます。この認可は、
ANVISAの事務局による特別許可の下で付与されます。
(※4)ANVISAの告示(ポルトガル語)
http://portal.anvisa.gov.br/documents/10181/4445460/RDC_227_2018_.pdf/841ed978-ccd4-4388-97d6-71753fe5534c
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【5】欧州化学物質庁(ECHA) 最新動向
表示と包装に関するドラフトCLPガイダンスの公表
2018年5月8日、欧州化学物質庁(ECHA)は、化学品の分類、表示、包装に関する
CLP規則(1227/2008/EC)に基づいた分類、表示および包装に関するガイダンスのドラ
フト版を発行しました(※5)。現在、このガイダンスは、引続き、ECHAのコンサル
テーション手続きに従ってこの目的のために形成されたパートナー専門家グループ
(PEG)によって検討されているところです。
(※5)ドラフトCLPガイドライン(Ver.4.0)(英語)
https://echa.europa.eu/documents/10162/23047722/clp_labelling_packaging_peg_draft_en/12ce40e8-c946-0e01-b728-14d64a4a9699
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【6】中国 最新動向
(1)広東検験検疫局が危険化学品の不合格率を発表、昨年より57%増加
2018年3月29日、広東検験検疫局は2017年の輸出入危険化学品の検査検疫検査を公
表しました。2017年、広東局管轄地域(深セン、珠海を含まず)において検査した輸出
入危険化学品は、合計36,888ロット、7,400万トンであり、内7,322ロット、2,084万
トンが不合格となりました。この不合格数は前年同期比でそれぞれ57%、87%増加と
なっています。
(※6)広東検験検疫局(中国語)
http://www.aqsiq.gov.cn/zjxw/dfzjxw/dfftpxw/201804/t20180402_515124.htm
(2)生態環境部固体廃棄物及び化学品管理技術センターが2018年新規化学物質環境
管理申告登録説明会を開催
2018年4月19日から2日間にわたり、生態環境部固体廃棄物及び化学品管理技術セ
ンターは「2018年新規化学物質環境管理申告登録説明会」を開催しました。議題は以
下のとおりです。
1. 新化学物質環境管理業務
2. 新化学物質環境管理法規政策の進捗
3. 新化学物質環境管理の概要
4. 常規、簡易、備案申告の技術審査要件及びFAQ
5. 新化学物質登記後の管理業務の紹介
6. 新化学物質申告の記入規範性要求
7. 新化学物質審議でよくある問題点の紹介
8. 化学物質試験の管理政策
9. 新化学物質環境管理登記証の変更資料の要求
10.新化学物質通常申告システムの説明
特に重要内容としては、新規化学物質環境管理弁法(7号令)を改訂し、「化学品
環境管理条例」を策定することに言及していることです。現在、当該条例を公表する
前段階である「審査段階」に入っています。また、当該説明会では、中国における試
験機関の現状も示され、試験機関の選択の重要性が強調されました。
(※7)生態環境部固体廃棄物及び化学品管理技術センター(中国語)
http://www.mepscc.cn/tabid/75/InfoID/2850/frtid/71/Default.aspx
(3)税関総署の一部規則改正に関する決定(税関総署第238号令)
2018年4月28日、旧国家質検総局の出入境検査検疫の職責は国務院機構改革によって
税関総署に組み込まれたことを発表しました。また、第十三期全国人民代表大会の第一
回会議で採決された「国務院機構改革方案の決定について」を着実に実行するため、税
関総署は、71件の規則の改正を行うことを決定しました。この改正は、組織改革により
影響を受ける規則を見直すことにあります。改正する規則の一部を以下に示します。
1.「中華人民共和国税関輸出入貨物申告管理規定」(税関総署令第103号公布。
税関総署令第198号、第218号と第235号に基づき改正)
2.「出入境検験検疫検査申告規定」(国家出入境検験検疫局令第16号公布。国家質
量監督検験検疫総局令第196号に基づき改正)
3.「輸入塗料検験監督管理弁法」(国家質量監督検験検疫総局令第18号公布)
4.「輸出入製品抜取検査検験管理弁法」(国家質量監督検験検疫総局令第39号公布)
5.「輸出入化粧品検験検疫監督管理弁法」(国家質量監督検験検疫総局令第143号公布)
(※8)税関総署(中国語)
http://www.customs.gov.cn/customs/302249/302266/302268/1809518/index.html
(4)江蘇省の化学工業団地で多くの上場企業の子会社が生産停止・整理処分となる
2018年5月9日に江蘇省灌南県が公表した「告知書」によると、灌河口での汚染問題
を受け、2018年4月28日から同年年5月10日にかけ、化学工業団地の全ての企業を生産
停止処分に処し、環境保護問題への自己検査、自己反省、そして完全な是正措置を要求
したとされています。それ以外にも、同年4月26日には、灌雲化学工業団地において全
面的に化学工業企業の生産を停止し、徹底的な環境保護検査をするように要求していま
す。また、これらの影響を受け、同省塩城市の響水生態化学工業団地においても、一部
の企業が生産停止に処せられています。
(※9)江蘇省灌南県 告知書(中国語)
http://huanbao.bjx.com.cn/news/20180509/896629.shtml
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【7】台湾 最新動向
(1)「危害性化学品表示及び周知規則」の一部改正草案
2018年3月31日、台湾労働部は、「危害性化学品表示及び周知規則(原題:危害性化
學品標示及通識規則)」の一部条文及び第12条附表4の改正草案を公告しました。この
草案は、監視管理化学品に対する監督管理を強化し、「化学兵器禁止条約」を履行し、
公民の安全保障及び環境保護を目的としています。
この 改正草案 では、危険有害性を有する成分のCAS番号もSDSに表示することが義務
付けられており、成分のCAS番号が表示できない場合は行政に秘密保護申請を実施しな
ければならない、とされています。
なお、「危害性化学品表示及び周知規則」の改正草案の意見募集期間は、公告日から
の60日以内と定められています。
意見の提出先は、以下のとおりです。
1) 受付機関:労働部職業安全衛生署(総合規格及び職業衛生組)
2) 住所:〒24219 新北市新荘区中平路439号南棟11階
3) 電話:02-8995-6666(内線8341)
4) ファックス:02-8995-6665
5) メールアドレス:chchou@osha.gov.tw
(※10)台湾労働部(中国語)
https://gazette.nat.gov.tw/egFront/detail.do?metaid=97727&log=detailLog
(2)「新規化学物質及び既存化学物質資料登録弁法」の新たな改正草案が公告
2018年3月27日、台湾環境保護署は、「新規化学物質及び既存化学物質資料登録弁法」
改正草案を公告しました。今回の改正では、労働部の「新規化学物質登記管理弁法」と
整合性を確保すること、そして106種の既存化学物質に対し、既存化学物質標準登録を義
務化することを明示したことが重要ポイントとなっています。なお、当該改正草案に関し
てパブリックコメントの募集は行われておりません。
(※11)台湾 環境保護署(中国語)
https://www.tcsb.gov.tw/cp-21-2737-ab826-1.html
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【8】あとがき
本号では、米国、IARC、オーストラリア、ブラジル、ECHA、中国、台湾の最新動向に
ついて特集いたしました。
読者の皆さまより、記事内容に関するご意見、ご要望を募集しております。下記の
「お問い合わせ」のページからお寄せください。
どうぞよろしくお願いいたします。
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■本マガジンは、平成30年度環境省請負業務に基づき、一般社団法人海外環境協力
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