━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
化学物質国際対応ネットワークマガジン 第97号
http://chemical-net.env.go.jp/
2019/1/29 配信
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
このメールマガジンは、化学物質国際対応ネットワークのウェブサイトから
配信登録をされた方を対象にお送りしています。
第97号は、以下の内容をお送りいたします。
─────────────────────────────────────
【1】ブラジル 最新動向 | Verisk 3E |
【2】欧州ECHA 最新動向 | Verisk 3E |
【3】欧州 最新動向 | Verisk 3E |
【4】南アフリカ 最新動向 | Verisk 3E |
【5】韓国 最新動向 | Verisk 3E |
【6】中国 最新動向 | ハニカム・テクノリサーチ |
【7】台湾 最新動向 | ハニカム・テクノリサーチ |
【8】環境省からのお知らせ | 環境省 |
【9】あとがき | ネットワーク事務局 |
─────────────────────────────────────
【1】ブラジル 最新動向
規制物質リストを改正
ブラジル国家衛生監督庁(ANVISA)は、官報第238号(2018年12月12日)において、
2018年12月10日付けの理事会(RDC; Resoluçãoda Diretoria Colegiada)第254号の
決議を発表し、1998年5月12日の第344条の特別管理下にある、麻薬、向精神薬、前
駆物質およびその他の物質のリストを更新しました(※1)。この新しいリストは
2018年12月12日より適用されています。
以下の物質が附属書1のリストに追加され、法的文書ではリストF2の付録16が変
更されています。
・25B-NBOH (List F2)
・25C-NBOH (List F2)
・25E-NBOH (List F2)
・25H-NBOH (List F2)
附属書1に収載されている特定の物質を抽出、生産、製造、加工、配給、輸送、
準備、取扱い、分別、輸入、輸出、加工、梱包、または再梱包するためには認可が
必要です。これらの許可は、ANVISA事務局により与えられます。
(※1)ブラジル国家衛生監督庁官報(ポルトガル語)
http://portal.anvisa.gov.br/documents/10181/2718376/RDC_254_2018.pdf/3603abb1-ce17-4139-b6d1-09b6f4ad8703
─────────────────────────────────────
【2】欧州ECHA 最新動向
REACH登録のコンプライアンスチェックを開始
2019年1月9日、欧州化学物質庁(ECHA)は、EU全体の執行プロジェクトREACH E
N FORCE(REF-7)の一環として、REACH登録義務の遵守を確認するための検査を実施
することを発表しました(※2)。本プロジェクトは、最終登録期限が2018年に経
過したことを踏まえて、輸入者および製造業者がその物質を登録する義務をEU全域
で確実に実施することを目的としています。
検査内容には以下の内容が含まれます。
・登録の技術一式書類
・必要に応じて、登録書類が更新されたかどうか
・登録に関連するその他の業務
・中間体として登録されている物質、特に中間体の定義を満たしているかどうか、
そして厳密に管理された条件下で製造および使用されているかどうか
・ポリマー中のモノマーとして登録されている物質
(※2)欧州化学物質庁ニュース(英語)
https://echa.europa.eu/-/upcoming-inspections-to-check-compliance-with-reach-registration-obligations
─────────────────────────────────────
【3】欧州 最新動向
CLP規制について第14次ATPを世界貿易機関に通知
2018年12月12日、欧州委員会は、世界貿易機関(WTO)に、技術的および科学的進
歩への第14次ATP(Adaptation to Technical Progress)をCLP規則(EC/1272/2008)
に導入するという貿易の技術的障害(TBT; Technical Barriers to Trade)に関す
る協定に従った立法案を提出しました(※3)。
具体的には、第14次ATP案では、28物質の調和された分類およびラベル表示の新規
追加と改訂、および2物質の削除によるCLP附属書VI表3を更新しています。また、二
酸化チタンを含む混合物のための特定の表示義務を確立するために、附属書IIとIII
が修正されています。さらに、既存のエントリの分類(ピッチ、コールタール、高
温)に修正が加えられています。
(※3)WTOへのTBT通知(英語)
https://docsonline.wto.org/dol2fe/Pages/FE_Search/FE_S_S009-DP.aspx?language=E&HasEnglishRecord=True&HasFrenchRecord=True&HasSpanishRecord=True&CatalogueIdList=250860,250824,250823,250822,250821,250728,250653,250654,250610,250569,250592,250568,250536,250538,250465,250403,250404,250382,250380,250381,250343,250344,250303,250304,250319,250196,248351,246854,241964,235123,233803,230913&CurrentCatalogueIdIndex=18&FullTextHash=371857150
─────────────────────────────────────
【4】南アフリカ 最新動向
GHSを採用した有害化学物質規則草案を発表
2018年11月、南アフリカは、有害化学物質に関連した規則草案(HCA: Draft regu
lations on hazardous chemical agents)を発行しました(※4)。この規則は、1
995年の有害化学物質規則に代わるものであり、南アフリカが調印している国連(UN)
の化学品の分類および表示に関する世界調和システム(GHS)の適用を予定していま
す。
規制草案では、製造者と輸入者に以下の分類に関する義務を定めています。
製品を職場に提供する前に、GHS、危険物輸送モデル規則第1巻および第2巻に関
する国連勧告、および国際海事機関(IMO: International Maritime Organization)
国際海上危険物コード(IMDG; International Maritime Dangerous Goods)の関連
要件に従ったHCAの安全データシート(SDS)を作成することを、製造業者と輸入業
者に義務付けています。
規制草案では、有害化学物質の製造業者および輸入業者が、最新バージョンのGHS
の分類、表示、およびSDSフォーマットに従っていることを確認することが求められ
ています。
(※4)南アフリカ有害化学物質規則草案(英語)
https://www.gov.za/sites/default/files/gcis_document/201810/draftregforhazardousregulations.pdf
─────────────────────────────────────
【5】韓国 最新動向
CMRに該当する化学物質登録化学物質を指定
2018年12月28日、韓国環境省(MOE)は、発がん性物質、変異原性物質、または生
殖毒性物質(CMR)に該当する364物質を2021年12月31日までの登録対象として指定
するMOE公告2018-232号を発行しました(※5)。この364物質のCMRを製品中に含有
する場合、期日までの登録が必要となります。
(※5)韓国環境省公告(韓国語)
http://www.me.go.kr/home/web/law/read.do?pagerOffset=40&maxPageItems=10&maxIndexPages=10&searchKey=lawTitle&searchValue=&menuId=71&orgCd=&condition.typeCode=admrul&typeCode=admrul&lawSeq=1157
─────────────────────────────────────
【6】中国 最新動向
(1)商務部・税関総署
「両用(転用可能)物質と技術輸出入許可書管理目録」の調整についての公告
2018年12月29日、商務部および税関総署は公告2018年第104号により「両用(転用
可能)物質と技術輸出入許可書管理目録」を発表しました。2017年に発表された「
両用(転用可能)物質と技術輸出入許可書管理目録」と比較し、内容の大きな変更
はなく、細部の変更は以下のとおりとなっています。(※6)
1.一部の規制物質の計量単位を修正。
2.新たな税関HSコードに従った、規制物質の名称とHSコード番号の規定。
上記の公告は2019年1月1日から正式に施行され、同時に商務部と税関総署が2017
年第93号公告で発表した「両用(転用可能)物質と技術輸出入許可書管理目録」は
廃止されました。
(※6)商務部・税関総署の公告(中国語)
http://www.mofcom.gov.cn/article/b/e/201812/20181202821810.shtml
(2)生態環境部
「化学物質環境リスク評価および管理条例意見募集稿」のパブリックコメントの募集
2019年1月8日、生態環境部弁公庁は、「化学物質環境リスク評価および管理条
例意見募集稿」に関するパブリックコメントの募集について公告しました。本条例
に従い、今後、中国において既存化学物質に対する規制が始まることを推測できま
す。公告内容は以下のとおりです。
関連組織各位:
化学物質環境リスクを評価および管理し、環境安全を保護し、公衆の健康を保証
し、また、高い質の経済発展を促進するため、「中華人民共和国環境保護法」およ
び「水汚染防止計画」などの関連要件に基づき、生態環境部は、「化学物質環境リ
スク評価および管理条例(意見募集稿)」を起草し、個々に意見を公募します。意
見の締め切りは、2019年2月20日です。
(※7)生態環境部(中国語)
http://www.mee.gov.cn/xxgk2018/xxgk/xxgk06/201901/t20190111_689258.html
─────────────────────────────────────
【7】台湾 最新動向
(1)行政院環境保護署・交通部
「毒性化学物質運輸管理弁法」の改正についての公告
2018年12月18日、行政院環境保護署および交通部は、「毒性化学物質運輸管理弁
法」の改正を公告しました。本改正は、電子送り状にて申告することを中心とした
改正を行うとともに、リアルタイムの追跡システムの機能拡張により、毒性化学物
質の運輸車両装置機能を向上させ、運輸業者の応急対応および災害防止作業を強化
するための内容となっています。(※8)
(※8)行政院環境保護署・交通部(中国語)
https://gazette.nat.gov.tw/egFront/detail.do?metaid=103488&log=detailLog
(2)行政院環境保護署
「毒性化学物質管理法」の改正
2018年12月21日、「毒性化学物質管理法」改正案が第三読会を通過したことが発
表されました。本法は、名称を「毒性および懸念化学物質管理法」に変更し、近い
うちに総統に提出して公布後、施行されます。今回の法改正は、管理すべき物質数
を増やし、事故処理の強化、協力体制の構築および将来的な財政考慮など、各業界
が注目する問題に対して、全体的に補強する内容となっています。注目すべき点は
以下のとおりです。(※9)
1.「懸念化学物質」の新規追加
2.「事故防止および緊急対応」の章を別途追加
3.「国家化学物質管理会議」の設置
4.基金の設立
5.事故時の事業者の通報に係る時間の短縮化
6.毒性および懸念化学物質のインターネットによる売買の禁止
7.不法に得た利益の追徴と内部告発者(whistleblower)条項などの追加
(※9)行政院環境保護署(中国語)
https://www.tcsb.gov.tw/cp-21-3231-c85c6-1.html
(3)労働部
「優先管理化学品の指定および運用管理弁法」の規制化学物質リストの新規追加
2018年12月27日、労働部は、「優先管理化学品の指定および運用管理弁法」(以
下、本弁法という)第2条第2号に適用する第2段階規制化学物質リストの新規追加を
公告しました。本法は、2019年4月1日より発効します。公告内容は以下のとおりで
す。(※10)
1.本リストの付表1に、発がん性物質区分1、生殖細胞変異原性物質区分1また
は生殖毒性物質区分1の合計90の化学物質を収載。また、付表1に収載される
化学物質を1%以上含有する混合物も優先管理化学品として管理される。
2.本リストの付表2に、物理的危険性または健康有害性を有する合計482の化学物
質を収載。付表2に収載される化学物質またはそれを含有する混合物(含有量
を問わず)に対し、危険有害性分類および最大取扱量が本弁法の規定に該当す
る場合、優先管理化学品として管理される。
(※10)行政院公報(中国語)
https://gazette.nat.gov.tw/egFront/detail.do?metaid=103920&log=detailLog
(4)台湾総督府
「毒性および懸念化学物質管理法」を正式公布
2019年1月16日、台湾総統府は「毒性化学物質管理法」を正式に「毒性および懸
念化学物質管理法」に変更すること、かつ改正後の全条文を公布しました。
「国家化学物質管理会議」の設置、不法に得た利益の追徴、および告発者に関す
る条項などを発効しました。
上記を除く、毒性化学物質、懸念化学物質および物質登録制度の監督管理措置等
に関する更新や改訂内容は一年の猶予期間が設けられるため、正式発効日は、2020
年1月16日となります。(※11)
(※11)台湾総督府(中国語)
https://www.president.gov.tw/Page/78
─────────────────────────────────────
【8】環境省からのお知らせ
【★環境省化学物質審査室では、化学物質審査規制法の施行等を担当する職員
(化学物質審査等専門員)を募集しています。★】
職務内容:化学物質審査規制法(化審法)の施行に伴う工業用化学物質の審査・
確認など
勤務地: 環境省大臣官房環境保健部環境保健企画管理課化学物質審査室
(東京都千代田区霞が関1-2-2 中央合同庁舎第5号館)
応募方法:応募される方は、(a)履歴書(写真貼付)、(b)職務経歴書、
(c)志望理由(1,600字以内)を以下URL記載の書類提出先まで郵送又は持参の
いずれかの方法で提出してください。いずれも様式は問いません。職務経歴書は、
これまでの職歴を主な担当業務の内容とともに、時系列で記述して下さい。
応募〆切は、平成31年2月20日(水)(必着)といたします。
応募のあった方から順次書類選考を行い、面接を行うことが決まった方のみ、面
接日時を電話等でご連絡いたします。
この他、必要と考えている条件・資格・経験等や勤務条件などは以下のURLを御
確認ください。
化学物質の審査に対する関心と、環境省職員として働く熱意のある皆さまのご応募
をお待ちしております。
化学物質審査等専門員(期間業務職員)採用情報
http://www.env.go.jp/guide/saiyo/cat_x4/index.html
─────────────────────────────────────
【9】あとがき
本号では、ブラジル、欧州ECHA、欧州、南アフリカ、韓国、中国、そして台湾の最
新動向について特集いたしました。
読者の皆さまより、記事内容に関するご意見、ご要望を募集しております。下記の
「お問い合わせ」のページからお寄せください。
どうぞよろしくお願いいたします。
http://chemical-net.env.go.jp/contact.html
─────────────────────────────────────
■本マガジンは、平成30年度環境省請負業務に基づき、一般社団法人海外環境協力
センターが運営しております。
一般社団法人海外環境協力センター(OECC)
→
http://www.oecc.or.jp/
環境省総合環境政策局環境保健部
→
http://www.env.go.jp/chemi/index.html
化学物質審査規制法ホームページ(環境省化学物質審査室)
→
http://www.env.go.jp/chemi/kagaku/index.html
■原則として、毎月1回の配信を予定しています。
メールの配信については、回線上の問題(メールの遅延、消失)等により
届かなかった場合の再送は行いませんので、予めご承諾の上、ご利用ください。
■化学物質国際対応ネットワークマガジンバックナンバーは、下記ウェブサイトを
御覧ください。
→
http://chemical-net.env.go.jp/mailmg_bn.html
■本メールマガジンの配信停止・配信先e-mailアドレスの変更及びご意見・ご要望
等は、以下のウェブサイトよりご連絡ください。
→
http://chemical-net.env.go.jp/contact.html
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
発行元:一般社団法人海外環境協力センター
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ページの先頭に戻る↑