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特定化学物質規制の現状と課題

  1. このコラムは、医薬・農薬・化学物質の研究開発業務に幅広く携わってこられた(株)住化技術情報センターの宇和川賢氏及び農薬・防疫薬のばく露評価とリスクアセスメントの専門家である同センターの大西純一氏に豊富な経験に基づき執筆いただいたものです。
  2. このコラムに記載されている内容に関し、法的な対応等を保障するものではありませんのでご了承ください。
  3. このコラムについてのご意見・ご感想を下記までお寄せ下さい。今後の参考にさせていただきます。なお、いただいたご意見は、個人情報等を特定しない形で当ネットワークの情報発信に活用(抜粋・紹介)する場合もあります。あらかじめご了承下さい。

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  化学物質国際対応ネットワーク事務局(chemical-net@env.go.jp

目次

第1回

はじめに

  新シリーズとして、特に注目される化学物質の規制動向等について、概要をご紹介したいと思います。

  第1回は、マイクロビーズ・マイクロプラスチックに関連した欧州における海洋汚染や廃棄に対する取り組み、欧州各国の規制動向、その他に台湾の規制動向について、また、フタル酸エステル類の米国における消費者製品の規制、その他にGHS分類に関連した各国の法規制動向を紹介します。

  • マイクロビーズ・マイクロプラスチック
  • フタル酸エステル類
  • その他:GHS分類に関連した各国の法規制動向

  新シリーズでは、今回のマイクロビーズ・マイクロプラスチック、フタル酸エステル類の他、特定化学物質として、ナノマテリアル、ビスフェノール類、内分泌かく乱物質、化粧品等に含まれる香料、保存剤等についても、順次、ご紹介したいと思っています。

1.マイクロビーズ・マイクロプラスチック

1)欧州の動向

■漂流・漂着ゴミ(使い捨てのプラスチックおよび漁具)に関する意見募集

<概要>

  2017年12月15日、欧州委員会は、漂流・漂着ゴミ、特に使い捨てのプラスチックおよび漁具に関する意見募集を開始した。意見募集期間は2017年12月15日〜2018年2月12日である。

  プラスチックは我々の経済において重要な原料であり、毎日の生活の多方面に存在するが、再使用やリサイクルの相対的な割合が低く、海岸ゴミの85 %はプラスチックである。 これらのプラスチック製品の61%が使い捨て製品であり、20 %が釣り関係の製品である。

  海岸でゴミとして見つかった使い捨て製品は、吸い殻、飲料水ボトルとそのフタ・栓、綿棒、生理用ナプキン(90 %がプラスチック)、袋、ポテトチップス袋等のお菓子の包み紙、ストローやかく拌棒、風船、食品容器、カップとそのフタ、ナイフ、フォーク、スプーンなどの食器であり、使い捨てゴミの約3/4を占めている。

  さらに、漁業および水産養殖分野のプラスチック廃棄物、特に事故により紛失した漁具(例えば、気象条件が原因)または、もはや使用に適さない場合に放棄された漁具も問題である。

  欧州委員会はプラスチック戦略として、使い捨てプラスチック品および紛失あるいは放棄された漁具を含む漂流・漂着ゴミの対策に取り組む予定であり、今回の意見募集は、基本知識の把握や将来の政策指針作成に活用することを目的としている。

<参考資料>

・Reducing marine litter: action on single use plastics and fishing gear
https://ec.europa.eu/info/consultations/reducing-marine-litter-action-single-use-plastics-and-fishing-gear_en#questionnaire(英語)

■欧州JRCは潜在的な海洋環境汚染物質のリストを公開

<概要>

  2018年1月3日、欧州委員会の共同研究センター(JRC)は、海洋環境における潜在的な化学汚染物質のリストを公開した。※1

  懸念される物質は、関連するグローバル条約(ストックホルム条約、ロッテルダム条約、バーゼル条約等)、欧州の法律(水枠組指令(WFP)、REACH規則、CLP規則、バイオサイド規則等)、欧州の海域の取り組み(バルセロナ条約、黒海汚染防止条約、OSPAR条約等)およびその他(北極圏監視プログラム(AMAP)、JRCの海洋関連汚染物質リスト、US EPA優先物質リスト、EUデータベース等)から集められた化学物質のリストから選択され、2,700以上の物質(または物質群)から構成されている。

  マイクロビーズ・マイクロプラスチックはリストに掲載されていない。

  ただし、AMAPの活動を紹介し、AMAPが新たなモニタリング対象として懸念される化学物質に、マイクロプラスチックが含まれていることを紹介している。

<北極圏監視プログラム (AMAP)※2>

  AMAPは、北極理事会(Arctic Council)のワーキンググループの1つであり、汚染と気候変動問題に関する北極地方の状況の監視と評価を実施している。 この活動(AMAP Trends and Effects Monitoring Programme、ATEMP)、北極環境のすべての区画における汚染物質を監視するもので、対象となる物質は、POPs(アルドリン、ディルドリン、PCBs、トキサフェンなど)、重金属、放射性物質、石油由来の炭化水素などである。

  対象物質は主に国際的に規制されている化合物であるが、さらに新たな監視対象物質として、臭素化難燃剤、塩素化難燃剤、塩素化パラフィン、現行の農薬、ハロゲン化天然製品、ヘキサクロロブタジエン(HCBD)、有機燐酸塩系難燃剤(PFR)、有機スズ、ペンタクロロフェノール(PCP)、ペル - およびポリフルオロアルキル物質(PFAS)、医薬品およびパーソナルケア製品(PPCP)、フタル酸エステル類、プラスチックとマイクロプラスチック、ポリ塩素化ナフタレン(PCN)、PAH類、シロキサン類、および意図せずに生成されたPCB等が検討されている。

<参考資料>

※1 Potential chemical contaminants in the marine environment - An overview of main contaminant lists - Study
https://publications.europa.eu/en/publication-detail/-/publication/63c501eb-f1cb-11e7-9749-01aa75ed71a1/language-en/format-PDF/source-59799555(英語)
※2 Arctic Monitoring and Assessment Programme (AMAP)
https://www.amap.no/(英語)

■ECHAはオキソプラスチックおよびマイクロプラスチックの使用制限について検討を開始

<概要>

  2018年1月17日、欧州化学品庁(ECHA)は、欧州委員会の要請に基づき、オキソプラスチックおよびあらゆる種類の消費者製品または専門家用の製品に意図的に添加したマイクロプラスチック粒子の制限案の作成を開始した。※1

  これは、2018年1月16日に公表された欧州委員会のプラスチック戦略に従ったもので、オキソプラスチックおよび意図的に添加したマイクロプラスチック粒子の制限が記載されている。※2

・オキソプラスチック

オキソプラスチック/オキソ分解性プラスチックは、特定の条件下でプラスチックの酸化を促進する添加剤を含むもので、農業用フィルム、ゴミ袋と買い物袋、食品包装、および埋立地のカバーなどの用途に使用される。それらは、非常に小さな粒子に分解可能であり、潜在的にマイクロプラスチックによる環境汚染に寄与する。

・マイクロプラスチック

マイクロプラスチックスは、サイズが5 mm以下の水不溶性の合成ポリマーである。海中に溜まり、サイズが小さいため海洋生物に簡単に摂取され、食物連鎖に入る。また、大気中でもマイクロプラスチックが検出され、飲料水、塩や蜂蜜などの食品からも検出されているが、ヒト健康への影響は未だ不明である。化粧品、洗剤および塗料などの特定の消費者製品に意図的に添加されている。

<参考資料>

※1 ECHA to consider restrictions on the use of oxo-plastics and microplastics
https://echa.europa.eu/-/echa-to-consider-restrictions-on-the-use-of-oxo-plastics-and-microplasti-1(英語)
※2 Plastic Waste: a European strategy to protect the planet, defend our citizens and empower our industries
http://europa.eu/rapid/press-release_IP-18-5_en.htm(英語)
http://ec.europa.eu/environment/circular-economy/pdf/plastics-strategy.pdf(英語)

2)欧州各国の動向

■英国(ウェールズ)

化粧品・パーソナルケア製品におけるマイクロビーズの禁止案を公表

<概要>

  英国(ウェールズ)は、2017年10月16日〜2018年1月8日の期間、マイクロビーズを含有する化粧品およびパーソナルケア製品の製造および販売を2018年6月30日に禁止する提案に関する意見募集を実施した。※1
また、2018年1月29日、法案(The Environmental Protection (Microbeads) (Wales) Regulations 2018)を公表した。※2

  英国(ウェールズ、イングランド、スコットランド、北アイルランド)では、2018年6月末までにマイクロビーズの禁止を実施することを目標にしている。※3
なお、イングランドでは、2018年1月1日に製造が禁止され、6月30日に販売も禁止される予定であり、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドは、2018年6月30日に製造および販売を禁止する予定である。

<参考資料>

※1 Proposals for implementing and enforcing a ban in Wales on the manufacture and sale of cosmetics and personal care products containing plastic microbeads
http://gov.wales/about/cabinet/decisions/2017/jul-sep/environment/lg2688/?lang=en(英語)
※2 The Environmental Protection (Microbeads) (Wales) Regulations 2018
http://ec.europa.eu/growth/tools-databases/tris/en/search/?trisaction=search.detail&year=2018&num=42(英語)
※3 Proposals to ban the use of plastic microbeads in cosmetics and personal care products
http://gov.wales/about/cabinet/decisions/2017/jul-sep/environment/lg2688/?lang=en(英語)

■英国(イングランド)

マイクロビーズを含む化粧品およびパーソナルケア製品の製造・販売を禁止

<概要>

  2017年12月19日、マイクロビーズを含む化粧品およびパーソナルケア製品の製造・販売禁止に関する法規制が公布された。

  使用後に洗浄するタイプ(rinse-off)の化粧品やパーソナルケア製品について、マイクロビーズの使用が禁止され、2018年1月9日からマイクロビーズを含有する製品の製造禁止、7月9日以降は製品の販売が禁止される。

  この規則では、マイクロビーズは5 mm以下の水に不溶な固体プラスチック粒子と定義されている。

<参考資料>

・2017 No.1312 The Environmental Protection (Microbeads) (England) Regulations 2017
http://www.legislation.gov.uk/uksi/2017/1312/pdfs/uksi_20171312_en.pdf(英語)
・Press release
World-leading microbeads ban takes effect Today the government's ban on microbeads in cosmetics and personal care products comes into effect.
https://www.gov.uk/government/news/world-leading-microbeads-ban-takes-effect(英語)

■デンマーク

マイクロプラスチックの現状と課題に関する報告書を公表

<概要>

  2018年1月10日、デンマーク環境保護局はマイクロプラスチックに関する各種の論文を集約し、マイクロプラスチックの現状と課題に関する報告書を作成した。

・マイクロプラスチックの発生源

  報告書では、マイクロプラスチックの発生源に関する情報が少ないことを指摘している。車のタイヤを例として取り上げ、自動車タイヤから放出されるマイクロプラスチックは、理論的計算に基づくと最大の発生源であり、水生環境中の60 %に相当する可能性を示唆している。しかし、粒子が非常に小さく未だに誰も測定していない。

・マイクロプラスチックの定義および分析法

  一般に、直径が5 mmより小さいすべてのプラスチック片として定義されている。しかし、マイクロプラスチックの多くは1 mmよりはるかに小さくμm単位のものであり、蜂蜜、ビール、砂糖、魚および飲料水等、多く食品等からも検出されている。 また、これらを正確に測定する分析方法の確立が必要である。特に20 μm以下の粒子について信頼できる測定法の確立が望まれる。

・環境挙動や環境影響

  発生源である工場や生活の場から環境中への移行、雨水の影響等、環境挙動に関する情報が不足している。また、環境生物に対する影響について、マイクロプラスチックの多様性、生態系の多様性等、問題は複雑である。

<参考資料>

http://mfvm.dk/nyheder/nyhed/nyhed/vi-ved-alt-for-lidt-om-mikroplast/?utm_medium=email&utm_source=fvm_nyhedsmail&utm_campaign=vi-ved-alt-for-lidt-om-mikroplast&cHash=63bbb494f782195cbabf20bd671c37d1(デンマーク語)
http://mst.dk/media/143341/partnerskab-om-mikroplast-i-spildevand-2017.pdf(デンマーク語)

3)その他

■台湾:マイクロビーズの禁止に対応した試験方法を公表

<概要>

  2017年11月14日、台湾環境保護署は、化粧品やパーソナルクレンジングケア製品のプラスチックマイクロビーズの有無を判断するための試験方法を発表した。※1

  マイクロビーズを含む化粧品の製造・輸入ならびに販売・使用は、それぞれ2018年1月および7月から禁止される※2ことに対応したものである。

  本試験方法に関する概要は以下の通りである。
  ・対象物質:直径0.05 mm〜5 mmのプラスチック粒子
  ・対象製品:化粧品およびを含むパーソナルケア製品(シャンプー、フェイスメイク洗浄剤、バス化粧品、石?類、磨き粉、歯磨き粉等)
  ・分析機器:フーリエ変換赤外分光計(FTIR)またはラマン分光計

<参考資料>

※1 行政院環境保護署公告:訂定「化粧品及個人清潔用品中含塑膠微粒材質之定性檢測方法(NIEA M907.00B)」
http://gaz.ncl.edu.tw/detail.jsp?sysid=E1727682(中国語)
※2 行政院環境保護署公告:訂定「限制含塑膠微粒之化粧品與個人清潔用品製造、輸入及販賣」
http://gazette.nat.gov.tw/egFront/detail.do?metaid=92762&log=detailLog(中国語)
http://gaz.ncl.edu.tw/detail.jsp?sysid=E1720135(中国語)

2.フタル酸エステル類

■米国:米国消費者安全委員会は子供製品中のフタル酸エステル5種類を禁止

<概要>

  2017年10月20日、消費者安全委員会は0.1%を超える下記のフタル酸を含む子供玩具、子供用ケア製品を禁止する最終規則を公表した。この規則は、2018年4月25日に有効となる。※1

・法規制 :消費者製品安全性改善法(CPSIA)
・対象物質:フタル酸エステル類
・用途  :子供玩具、子供用ケア製品
    ・diisobutyl phthalate (DIBP、CAS No. 84-69-5)
    ・di-n-pentyl phthalate (DnPP or DPENP、CAS No. 131-18-0)
    ・di-n-hexyl phthalate (DnHP or DHEXP、CAS No. 84-75-3)
    ・dicyclohexyl phthalate (DCHP、CAS No. 84-61-7)
    ・diisononyl phthalate (DINP、28553-12-0, 68515-48-0)

  CPSIAでは、既に0.1%を超えるdi(2-ethylhexyl) phthalate (DEHP), dibutyl phthalate (DBP), butyl benzyl phthalate (BBP)を含む子供玩具、子供用ケア製品が禁止されている。※2

    ・di-(2-ethylhexyl) phthalate (DEHP)
    ・dibutyl phthalate (DBP)
    ・benzyl butyl phthalate (BBP)

  また、0.1%を超えるdiisononyl phthalate (DINP)、diisodecyl phthalate (DIDP)またはdi-n-octyl phthalate (DNOP)を含む口に入れる子供玩具および子供ケア製品は暫定的に禁止されている。※2
今回の改訂では、DINPの暫定禁止は子供玩具全体に拡大し、永久禁止となった。一方、DIDPとDNOPの暫定禁止は抗アンドロゲン作用がないとして解除されている。

<参考資料>

※1 Prohibition of Children's Toys and Child Care Articles Containing Specified Phthalates
https://www.regulations.gov/document?D=CPSC_FRDOC_0001-0916(英語)
https://www.cpsc.gov/content/cpsc-prohibits-certain-phthalates-in-children%E2%80%99s-toys-and-child-care-products(英語)
※2 Consumer Product Safety Improvement Act of 2008 (CPSIA) (pdf), Pub. L. No. 110-314, 122 Stat. 3016 (August 14, 2008).
https://www.cpsc.gov/s3fs-public/pdfs/blk_pdf_cpsia.pdf(英語)
https://www.cpsc.gov/Business--Manufacturing/Business-Education/Business-Guidance/Phthalates-Information(英語)

■米国:IFRAは使用成分リストに5種類のフタル酸類を追加

<概要>

  2017年12月8日、国際香粧品香料協会(IFRA)は香料産業界で現在使用している成分リストに、5種類のフタル酸エステル類を追加した。

    ・dimethyl phthalate (DMP),
    ・di(2-ethylhexyl) phthalate (DEHP),
    ・dibutyl phthalate (DBP) ,
    ・dioctylphthalate,
    ・Bis(2-ethylhexyl) terephthalate

  IFRAは、2010年以来、クリーニング製品、ヘアケア製品、自動車の手入れ用品、研磨剤、床メンテナンス用の製品について、製造業者が使用する成分リストをウェブサイトで公表している。
リストは毎年実施されるIFRAの使用量調査に基づいており、現在は、2016年度の調査に基づいて3999物質が公開されている。
この取組みは、カナダ消費者用特殊製品協会(CCSPA)、米国消費者用特殊製品協会(CSPA)、米国クリーニング協会(ACI)が主導している。

<参考資料>

http://www.ifraorg.org/en-us/ingredients#.WjkttVSFjos(英語)
https://www.womensvoices.org/2017/12/08/are-phthalates-dbp-and-dehp-back-in-fragrance/(英語)
http://fragrancesafetypanel.org/(英語)

3.その他の情報(GHS分類に関連した法規制動向)

■コスタリカ

2017年8月17日
国連GHS改訂第6版に準拠したGHS分類を導入

<概要>

  コスタリカ保健省は、国連GHS改訂第6版に準拠したGHS分類を導入し、危険有害物質の登録、輸入および管理に関する技術規則を公表した。
除外品目、ラベル表示、SDS作成等が示されている。なお、5年間の移行期間が設けられている。

<参考資料>

http://www.pgrweb.go.cr/scij/Busqueda/Normativa/Normas/nrm_texto_completo.aspx?param1=NRTC&nValor1=1&nValor2=84341&nValor3=108773&strTipM=TC#ddown(スペイン語)
http://www.pgrweb.go.cr/scij/Busqueda/Normativa/Normas/nrm_texto_completo.aspx?param1=NRTC&nValor1=1&nValor2=85223&nValor3=110162&strTipM=TC(スペイン語)
https://www.stis.co.jp/service/ghs_sds.html(日本語)

■スウェーデン

2017年9月14日
欧州 CLP規則に関する検査プロジェクトを開始

<概要>

  欧州では、CLP規則に従ったラベル表示に関する移行期間が終了し、2017年6月1日から、市場のすべての化学製品は、CLP規則に従ってラベルを表示しなければならない。
旧法に準拠したラベルを表示した製品については市販できず、新たにCLP規則に従って再分類・再ラベル表示が必要となる。
スウェーデン化学品庁(KEMI)では、検査プロジェクトを開始し、CLP規則に従った警告ラベル等のチェックを始める。

<参考資料>

https://www.kemi.se/nyheter-fran-kemikalieinspektionen/2017/nu-startar-vart-samverkansprojekt-om-clp-markning-i-handeln/#(スウェーデン語)
https://www.stis.co.jp/service/ghs_sds.html(日本語)

■ニュージーランド

2017年10月3日
有害物質の分類、ラベル表示等の管理方法を変更

<概要>

  ニュージーランドEPAは「有害物質および新生物法1996」に基づく有害物質の管理について、新たな通達を発表した。
国連GHS改訂第5版に準拠したGHS分類、ラベル表示、SDS作成等に関する通達も含まれている。
・Hazardous Substances (Classification) Notice 2017
・Hazardous Substances (Labelling) Notice 2017
・Hazardous Substances (Safety Data Sheets) Notice 2017
これらの通達は2017年12月1日に発効する。
ただし、既存物質については用途等により2〜3年の移行期間が設けられており、2021年12月1日からはすべての物質が完全に適合することになる。

<参考資料>

https://www.epa.govt.nz/industry-areas/hazardous-substances/rules-for-hazardous-substances/epa-notices-for-hazardous-substances/(英語)
https://www.stis.co.jp/service/ghs_sds.html(日本語)

■ベトナム

2017年10月9日
国連GHS改訂第2版に準拠した分類等の化学品法細則および施行ガイダンス改訂

<概要>

  化学品法の細則および施行ガイダンスに関する政令の改定が公布された。
対象となる1156物質(付録にリストあり)の製造、輸入、販売について、化学物質の安全性を確保するための、防止計画と措置、化学施設の安全確保、化学物質の分類・安全性データシート等が必要になる。また、作業者の訓練についても規定されている。
化学物質の分類では、国連GHS改訂第2版に準拠した分類となっている。
2017年11月25日から施行される。

<参考資料>

https://thuvienphapluat.vn/van-ban/Tai-nguyen-Moi-truong/Nghi-dinh-113-2017-ND-CP-huong-dan-Luat-hoa-chat-346246.aspx#(ベトナム語)
https://www.stis.co.jp/service/ghs_sds.html(日本語)

■韓国

2017年10月18日
GHS分類に基づいて登録時の提出データを軽減(案)

<概要>

  K-REACHでは化学物質の有害性の有無に関係なく、一律に試験データの提出が求められる。
負担軽減のため、GHS分類に基づいて有害性があると分類されていない物質については、登録時の提出資料が軽減される。
ただし、有害性があると分類されていない物質について、その後に有害性が確認された場合には、追加データが要求される。
一方、GHS分類により急性毒性(区分1〜4)、発がん性(区分1A 、1B、2)等の健康・環境有害性に区分される物質については、現行のすべてのデータが要求される。

<参考資料>

http://www.me.go.kr/home/web/board/read.do?pagerOffset=0&maxPageItems=10&maxIndexPages=10&searchKey=&searchValue=&menuId=286&orgCd=&boardId=819540&boardMasterId=1&boardCategoryId=&decorator=(ハングル語)
https://www.stis.co.jp/service/ghs_sds.html(日本語)

■チリ

2017年11月13日
国連GHS改訂第6版に準拠したGHS分類を導入

<概要>

  チリ保健省は、GHSを採択し、危険有害物質の製造、輸入、保管、輸送等に関する化学物質の安全性問題に取り組む意向を、WTO(World Trade Organization、世界貿易機構)に通知した。
国連GHS改訂第6版に準拠したGHS分類が採用され、各項目の分類基準、混合物の裾切り値等、GHS分類に関する詳細な手順が示されている。

<参考資料>

https://members.wto.org/crnattachments/2017/TBT/CHL/17_5048_00_s.pdf(スペイン語)
https://www.stis.co.jp/service/ghs_sds.html(日本語)

■コロンビア

2017年11月29日
国連GHS改訂第6版に準拠したGHS分類を導入

<概要>

  コロンビア労働省は、GHSを採択し、危険有害物質の製造、輸入、保管、輸送等に関する化学物質の安全性問題に取り組む意向を、WTO(World Trade Organization、世界貿易機構)に通知した。
危険有害性については、国連GHS改訂第6版に準拠したGHS分類が採用され、分類に用いるデータについてはOECDのGLP(Good Laboratory Practice)等、データの信頼性が求められている。

<参考資料>

https://members.wto.org/crnattachments/2017/TBT/COL/17_5322_00_s.pdf(スペイン語)
https://www.stis.co.jp/service/ghs_sds.html(日本語)

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第2回 「ナノマテリアル・ビスフェノールA等」

はじめに

  新シリーズの第2回目は、ナノマテリアルに関連したトピックスとして、OECDにおける銀ナノ粒子の危険有害性、欧州における規制動向について、また、ビスフェノールAの規制動向等、その他GHS分類に関連した各国の法規制動向を紹介します。

  • ナノマテリアル(OECD、欧州、スイス)
  • ビスフェノールA(欧州:ECHA、加盟国委員会、EFSA、欧州委員会)
  • その他:GHS分類に関連した各国の法規制動向(フィリピン、デンマーク、ベトナム、欧州、日本、カナダ)

1.ナノマテリアル

■OECD

2017年10月16日
銀ナノ粒子の危険有害性に関する概要を公表

<概要>

  OECDでは環境健康安全プログラム(Environment, Health and Safety Programme、EHS)の下で化学品の安全性に関する議論が進められ、さらにナノマテリアルについては、2006年に工業ナノマテリアル作業部会(Working Party on Manufactured Nanomaterials、WPMN)が設置され、工業ナノマテリアルの試験と評価、リスク評価と規制、ばく露計測とばく露低減、環境上持続可能なナノテクノロジーの利用等が議論されている。

  2017年の10月に活動の一環として、銀ナノ粒子の有害性に関するまとめが公表された。
  以下に概要を示す。

○急性毒性

・急性経皮毒性:OECDテストガイドラインTG402に準拠した急性経皮毒性試験において、雌雄のラットにおけるLD50値は2,000 mg/kg体重以上であった。

・急性経口毒性:OECDテストガイドラインTG423に準拠した急性経口毒性試験において、死亡や異常所見は認められず、雄ラットのLD50値は2,000 mg/kg体重以上であった。

○刺激性/腐食性

・皮膚刺激性: OECDテストガイドラインTG404に従って皮膚刺激試験を実施した(GLP試験)。雌雄3匹のウサギに0.5 mL/6 cm2を4時間ばく露した。雌雄のウサギともに皮膚刺激性は認められなかった。

・眼刺激性:OECDテストガイドラインTG405に従って眼刺激性試験を実施した(GLP試験)。雄3匹のウサギに、片方の眼に0.1 mL/眼(0.02 g/眼)で被験物質をばく露し、もう一方の眼は未処置のままとした結果、眼刺激性は認められなかった。

○皮膚感作性

・OECDテストガイドラインTG406に従って皮膚感作性試験を実施した(GLP試験)。モルモット(雄20匹/用量)の皮膚に、被験物質を0.4 mL/2.5 cm×2.5 cmで閉塞パッチ処理した。惹起24および48時間後において、いずれの処置群においても皮膚反応は観察されなかった。

・他のOECDテストガイドラインTG406試験では、モルモット(雄20匹/用量)に、被験物質の0.1 mL(20.48 %)を皮内投与し、2×4 cm2に閉塞パッチした。20匹中の1匹で惹起24または48時間後にグレード1の紅斑が認められたが(5 %)、他の皮膚反応は認められなかった。

○反復投与毒性 (経口)

・OECDテストガイドラインTG422に準拠して反復投与毒性・生殖発生毒性併用試験を実施した(GLP試験)。Sprague-Dawley系ラット(50匹/性/用量)に、被験物質の0、62.5、125および250 mg/kg体重/日を、1日1回42日間(雄は交配前の14日間、交配中の14日間、交配後の14日間。雌は交配前の14日間、交配および妊娠中および授乳後4日目まで)経口投与した。親動物の反復投与毒性NOAELは250 mg/kg体重/日以上と考えられた。

・OECDテストガイドラインTG407に従って反復経口投与毒性試験を実施した(GLP試験)。Sprague-Dawley 系ラット(10匹/性/用量)に、被験物質の0、30、100および1,000 mg/kg体重/日を、28日間投与した。強力な腸内分泌促進作用が見られ、腸粘膜の異常なムチン組成が誘導された。

・OECDテストガイドラインTG408に従って反復経口投与毒性試験を実施した(GLP試験)。F344ラット(10匹/性/用量)に、被験物質の0、30、125および500 mg/kg体重/日を90日間投与した。LOAELは125 mg/kg体重/日、NOAELは30 mg/kg体重/日以下であった。

・OECDテストガイドラインTG407(非GLP試験)に従ってSprague-Dawley系ラット(5匹/性/用量)に、被験物質の0、25、100および400 mg/kg体重/日を飲料水に混入して28日間投与した。毒性はいずれの投与群でも認められなかった。

・OECDテストガイドラインTG408に従って反復経口投与毒性試験を実施した(非GLP試験)。 Sprague-Dawley系ラット(10匹/性/用量)に、被験物質の0、25、100および400 mg/kg体重/日を飲料水に混入して90日間投与した。毒性はいずれの投与群でも認められなかった。

○反復投与毒性(吸入)

・OECDテストガイドラインTG412に従って反復吸入ばく露毒性試験を実施した(GLP試験)。Sprague-Dawley系ラット(10匹/性/用量)に、被験物質として銀ナノ粒子1.2×10E4、1.2×10E5、および1.2×10E6 粒子/ cm3の濃度で、6時間/日、5日間/週、28日間ばく露した。ラットにおいて、いずれの銀ナノ粒子用量でも有意な健康影響は認められなかった。一方、肺の銀濃度は、銀ナノ粒子吸入後に用量依存性に増加した。NOAELは1.2×10E4粒子/cm3であった。

・OECDテストガイドラインTG413に従って反復吸入ばく露毒性試験を実施した(GLP試験)。Sprague-Dawley系ラット(10匹/性/用量)に、0、0.6×10E6 粒子/cm3(49 μg/m3)、1.4×10E6 粒子/ cm3(133 μg/ m3)および3.0×10E6 粒子/cm3(515 μg/m3)の濃度で、6時間/日、5日間/週で、90日間ばく露した。NOAELは1.0×10E6 粒子/cm3(100 μg/ m3)であった。

○遺伝毒性(in vitro)

・Ames試験:OECDテストガイドラインTG471に従って細菌を用いた復帰突然変異試験を実施した(GLP試験)。菌株は、ネズミチフス菌(TA1535、TA1537、TA98及びTA100)および大腸菌(WP2uvrA)を使用した。細胞毒性は、代謝活性化(S9ミックス処理)において0.63 μL/プレート以上(TA98およびTA1537)、1.25 μL/プレート(TA100、TA1535 及びWP2uvrA)、代謝活性化なし(S9ミックスなし)では、0.16 μL/プレート以上(TA100)、0.31 μL/プレート(TA98、TA1535、TA1537及びWP2uvrA)で認められたが、銀ナノ粒子は、ネズミチフス菌(TA 1535、TA1537、TA 98及びTA 100)及び大腸菌(WP2uvrA)株では変異原性を示さなかった。

・染色体異常試験:OECDテストガイドラインTG473に従ってチャイニーズハムスター卵巣線維芽細胞(CHO-K1細胞)を用いたin vitro染色体異常試験を実施した(GLP試験)。細胞毒性は、代謝活性化において0.156 μL/ ml、代謝活性化なしでは0.078 μL/mL(6時間)及び0.078 μL/ mL(24時間)で認められたが、銀ナノ粒子はCHO-K1細胞において代謝活性化の有無に関係なく染色体異常を示さなかった。

○遺伝毒性(in vivo)

・小核試験(経口投与):OECDテストガイドラインTG474に従って骨髄細胞を用いた小核試験の経口投与試験を実施した(GLP試験)。Sprague-Dawley系ラット(10匹/性/用量)に、銀ナノ粒子の0、30、300、1000 mg/kg体重/日を28日間投与した。LOAELは300 mg/kg体重/日、NOAELは30 mg/kg体重/日であった。銀ナノ粒子の経口投与において小核の発生頻度の増加はなく、本試験において遺伝毒性はないことが示された。

・小核試験(吸入ばく露):OECDテストガイドラインTG474に従って骨髄細胞を用いた小核試験の吸入ばく露試験を実施した(GLP試験)。Sprague-Dawley系ラット(10匹/性/用量)に、銀ナノ粒子を0.7×10E6 粒子/cm3、1.4×10E6 粒子/cm3、2.9×10E6 粒子/ cm3の濃度で、6時間/週、5日間/週、13週間ばく露した。LOAELは125 mg/kg体重/日、NOAELは30 mg/kg体重/日であった。この結果から、銀ナノ粒子の90日間吸入ばく露において雌雄ラットの骨髄に遺伝毒性を誘発しないことが示された。

○生殖毒性

・OECDテストガイドラインTG422に従って反復投与毒性・生殖発生毒性併合試験を実施した(GLP試験)。Sprague-Dawley系ラット(50匹/性/用量)に、0、62.5、125および250 mg/kg体重/日を42日間経口投与した(雄は交配前14日間、交配中14日間および交配後14日間、雌は交配前14日間、交配および妊娠中、および授乳4日目まで)。親動物の一般毒性NOAELは250 mg/kg体重/日以上、仔動物NOAELは250 mg/kg体重/日以上であった。

<参考資料>

・SILVER NANOPARTICLES: SUMMARY OF THE DOSSIER Series on the Safety of Manufactured Nanomaterials No. 83
http://www.oecd.org/officialdocuments/publicdisplaydocumentpdf/?cote=env/jm/mono(2017)31&doclanguage=en(英語)

■欧州

2018年1月12日
EFSAは食品におけるナノマテリアルのリスク評価ガイダンス案を公表

<概要>

  欧州食品安全機関(European Food Safety Authority、EFSA)は、食品および飼料におけるナノマテリアルおよびナノテクノロジー利用におけるリスク評価に関するガイダンス(パート1: ヒトおよび動物の健康)案を公開し意見募集を開始した(意見募集は、3月4日に締切られた)。ガイダンスは、新規食品、食品接触材料、食品および飼料添加物、農薬など、EFSAに関連する分野を対象としている。※1

  このガイダンスは、2011年に公表したガイダンスについて、その後のナノマテリアルのばく露評価と有害性に関する新たな研究を含む科学的発展を反映して改訂したものである。

  このガイダンスは以下を対象としている。

1. 新規食品規制(EU)No 2015/2283および消費者への食品情報提供規則(EU)No 1169/2011に準拠し、1〜100 nmの粒子サイズを有するナノマテリアル。※2

2. ナノスケールを超える(100 nmを超える)粒子を含む材料であるがナノスケールの特徴を維持している材料。

3. サイズ範囲1〜100 nmの粒子が50 %未満の物質で、ナノマテリアルとして設計されていない材料。

4. 同じ元素組成の物質でも、異なる製造プロセスにより異なる形状、サイズ、結晶形態、表面特性が現れるナノマテリアル。

5. 天然材料から作られたナノスケールの物質。

  また、ナノマテリアルは、細胞内ではライソゾーム(細胞内小器官の一つで水解小体とも呼ばれる)に取込まれて分解することから、有害性評価においてもナノマテリアルの特性を考慮すべきである。即ち、遺伝毒性に関する細菌を用いた変異原性試験等は、ライソゾームが欠落する細菌を用いた試験であるため、ナノマテリアルの有害性評価には不適切と思われ、哺乳動物細胞を用いて評価すべきである等、有害性については、in vivo / in vitro等の安全性研究に関する検討や、リスク評価や不確実性分析へのアプローチが提案され、この分野におけるさらなる研究の必要性を提言している。

<参考資料>

※1 Public consultation: guidance on nanomaterials
http://www.efsa.europa.eu/en/press/news/180112(英語)
http://www.efsa.europa.eu/en/consultations/call/180112(英語)
※2 食品や消費者への食品情報提供に関する規制(EU)No 2015/2283および(EU)No 1169/2011
http://eur-lex.europa.eu/legal-content/en/TXT/?uri=CELEX%3A32015R2283(英語)
http://eur-lex.europa.eu/legal-content/EN/ALL/?uri=CELEX%3A32011R1169(英語)

■スイス

2018年1月31日
化学品政令(ChemO)にナノマテリアルの情報開示に関する要件を規定

<概要>

  連邦理事会は、化学品政令(ChemO)の改正を承認し、工業ナノマテリアルの情報開示に関する要件が規定された。

  ナノマテリアルの情報としては、ナノマテリアルの組成、粒子の形状およびその平均サイズ、また、情報が利用可能な場合、粒度分布、比表面積、結晶構造、凝集状態、表面の被覆、および市場における年間取扱量が必要とされ、安全データシート(SDS)について、ナノマテリアルを含有する製剤では、ナノマテリアルの組成、粒子の形状および平均サイズの記載が要求されている。

<参考資料>

https://www.anmeldestelle.admin.ch/chem/fr/home/themen/recht-wegleitungen/revisionen-des-chemikalienrechts/aenderungen-chemikalienverordnung-und-biozidprodukteverordnung-2018.html(フランス語)

2.ビスフェノールA

■欧州

2017年10月17日
ビスフェノールSが環境中に広範に存在することが明らかに

<概要>

  Wuら(2018)は、bisphenol A (BPA)の代替であるbisphenol S (BPS)が環境中のいたるところに存在し、世界中で検出されているという内容の論文を発表した。BPSは、水、底質、汚泥、室内のゴミや空気、消費者製品、ヒトの尿などでは、BPAよりも低濃度であった。一方、水生環境、特に水中ではBPSはBPAとほぼ同等レベルであった。BPSはBPAと類似構造であり、内分泌かく乱化学物質として動物やヒトの生殖系、内分泌系、神経系への影響が懸念されている。BPSのヒトばく露の発生源は主に食品であり、バーソナルケア製品の寄与は少ない。※1

  2016年、ECHA(欧州化学品庁)の加盟国委員会は、登録業者に追加試験の実施を要求した。その中には、ラットおよび魚の拡張一世代生殖毒性試験、ばく露データとばく露アセスメントなどが含まれている。提出期限は2018年9月20日である。※2
  また、ECHAは欧州委員会の要請を受けて、レシ−ト用感熱紙中に使用される各年度のBPA、BPSなどの販売量に関する調査を継続している。※3

<参考資料>

※1 Wu LH. et al. (2018) Occurrence of bisphenol S in the environment and implications for human exposure: A short review. Science of the Total Environment. 615; 87-98.
http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0048969717325457(英語)
※2 Decision on Substance Evaluation Pursuant to Article 46(1) of Regulation (EC) NO 1907/ 2006 For 4,4’-sulfonyldiphenol, CAS No 80-09-1 (EC No 201-250-5)
https://echa.europa.eu/documents/10162/776a7a2e-1526-430a-8630-70163473dfc0(英語)
※3 Use of Bisphenol A and its alternatives in thermal paper in the EU 2014-16
https://echa.europa.eu/documents/10162/22863068/bpa_entry_en.pdf/6b1d66d4-6a1d-c1c4-e628-4a8a768f274a(英語)

■欧州

2017年12月14日
加盟国委員会はBPAの環境に対する内分泌かく乱特性に同意

<概要>

  ドイツはBPAについて、他の高懸念物質(SVHC、Substances of Very High Concern)と同様に、環境に対して重大な内分泌かく乱作用を及ぼす科学的証拠があるとして、SVHCとして特定することを提案し、加盟国委員会はこの提案に同意した。

  BPAは、魚類、両生類に内分泌かく乱作用を及ぼし、個体群の安定性および個体の増加に影響を及ぼす。内分泌かく乱を介した影響は、急性毒性、全身毒性、麻酔作用よりも低濃度で生じる。

  BPAは既に、ヒト健康に対する生殖毒性と内分泌かく乱特性によりSVHCの候補リストに掲載されている。

<参考資料>

https://echa.europa.eu/identification-of-svhc/-/substance-rev/18101/term(英語)
https://echa.europa.eu/documents/10162/13638/svhc_msc_support_document_bisphenol_a_en.pdf(英語)
https://echa.europa.eu/documents/10162/81862f4e-92bc-6f64-9a01-42565b526022(英語)

■欧州

2017年12月14日
EFSAはBPAのハザードアセスメントの再評価の準備完了

<概要>

  欧州食品安全機関(EFSA)は、一般食品法規則(Regulation(EC) No.178/2002)の下で2018年に実施するBisphenol A(BPA、CAS No. 80-05-7)のハザードアセスメントについて、新規計画の準備を完了した。

  評価の目的は、現在、暫定耐容1日摂取量(TDI)として4 μg/kg体重/日が設定されているが、新規の科学的証拠に基づいて改訂する必要があるか否かを評価することである。

<参考資料>

http://www.efsa.europa.eu/en/press/news/171214(英語)
http://www.efsa.europa.eu/sites/default/files/1354e.pdf(英語)
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.2903/sp.efsa.2017.EN-1355/epdf(英語)

■欧州

2018年2月12日
食品接触材料中のBPAを制限

<概要>

  欧州委員会は、「食品に接触することを意図するプラスチック材料及び製品に関する規則(プラスチック規則(Regulation (EU) No 10/2011)」の改定に関する「2018年2月12日付け委員会規則(EU) 2018/213」を官報で公布した。

  この改定により、材料およびアーティクルに塗布されるワニスおよびコーティング剤からの移行限度値が0.6 mg BPA/kg食品から0.05 mg BPA/kg食品に変更された。

  ただし、この移行限度値は乳幼児に対する製品には適用されない。即ち、乳児用調製粉乳、その後の乳幼児用ミルク、加工されたシリアル食品、ベビーフード、乳児および幼児対象の医療用食品と接触することを意図した材料および製品に塗布するワニスやコーティング剤についてはBPAが含まれないこととされている。また、ポリカーボネート製の幼児用哺乳瓶の製造は禁止される。

  この改定は、公布後20日で有効となり、2018年9月6から適用される。

<参考資料>

・COMMISSION REGULATION (EU) 2018/213 of 12 February 2018 on the use of bisphenol A in varnishes and coatings intended to come into contact with food and amending Regulation (EU) No 10/2011 as regards the use of that substance in plastic food contact materials
http://eur-lex.europa.eu/legal-content/EN/TXT/HTML/?uri=CELEX:32018R0213&from=EN(英語)

3.その他の情報(GHSに関連した法規制動向)

■フィリピン

2017年11月28日
SDSが必要な高生産量化学物質(High volume chemicals)のリストを公表

<概要>

  フィリピン環境管理局は、高生産量化学物質(High volume chemicals、HVCs)へのGHS適用に関するガイドライン(EMB Memorandum Circular 010、EMB MC-2017-010)を公表した。

  HVCsは年間500トン以上の製造、輸入、販売される化学物質と定義され、GHSに従ったSDSの交付が必要となる。本ガイドラインには、対象となる232物質が掲載されている。

<参考資料>

https://chemical.emb.gov.ph/?attachment_id=388(英語)
https://chemical.emb.gov.ph/wp-content/uploads/2017/12/MC-2017-010_GUIDELINES-IN-THE-IMPLEMENTATION-OF-GHS-CLASSIFICATION-AND-LABELLING-REQUIREMENTS-FOR-HVCs.pdf(英語)
https://www.stis.co.jp/service/ghs_sds2017.html(日本語)

■デンマーク

2017年12月22日
予測手法を用いた54,000物質の危険有害性分類を公開

<概要>

  デンマーク環境保護庁は、危険有害性データが不足している約54,000物質について、(定量的)構造活性相関((Q)SAR)による予測手法を用いた危険有害性分類の結果を公表した。

  これは、自己分類のための指標となる分類であり、@EU分類(CLP)がある場合はそれに従うこと、A全ての信頼性のあるデータ(試験データ等)がある場合は信頼性のあるデータと合わせて証拠の重みにおいて使用すること、B信頼性のあるデータがない場合に使用することを推奨している。

  対象となる危険有害性指標は、「急性経口毒性」「皮膚刺激性」「皮膚感作性」「変異原性」「発がん性」「繁殖毒性」「水生生物毒性」である。危険有害性に関する分類結果は、データベースとして検索可能である。また、予測手法に関する概要も公開されている。

<参考資料>

http://mst.dk/kemi/kemikalier/stoflister-og-databaser/vejledende-liste-til-selvklassificering-af-farlige-stoffer/(デンマーク語)
http://mst.dk/kemi/kemikalier/stoflister-og-databaser/vejledende-liste-til-selvklassificering-af-farlige-stoffer/clp/(デンマーク語)
https://www.stis.co.jp/service/ghs_sds2017.html(日本語)

■ベトナム

2017年12月28日
SDS作成に関するガイダンスを公表

<概要>

  ベトナム商工省(MOIT)は、SDSの作成に関するガイダンス等(Circular No 32/2017 / TT-BCT)を公表した。

  このガイダンスは、化学品法の細則及び施行ガイダンスに関する政令(Decree 113/2017/ND-CP)に従ったSDS作成等を実施するための通達で、国連GHS改訂第2版に準拠したGHS分類、SDS作成が示されている。

<参考資料>

・Circular No 32/2017 / TT-BCT
https://thuvienphapluat.vn/van-ban/Tai-nguyen-Moi-truong/Thong-tu-32-2017-TT-BCT-huong-dan-Luat-Hoa-chat-va-Nghi-dinh-huong-dan-luat-hoa-chat-363171.aspx(ベトナム語)
・Decree 113/2017/ND-CP
https://thuvienphapluat.vn/van-ban/Tai-nguyen-Moi-truong/Nghi-dinh-113-2017-ND-CP-huong-dan-Luat-hoa-chat-346246.aspx(ベトナム語)
https://www.stis.co.jp/service/ghs_sds2017.html(日本語)

■欧州

2018年2月20日
混合物の分類・表示に関するチェックを開始

<概要>

  EUおよびEEA加盟国は、混合物の分類および表示が、混合物の安全性データシートに示されている情報と一致するかどうかをチェックするプロジェクトを開始した。(2018年1月に開始)

  このプロジェクトはREACH-EN-FORCE-6(REF-6)に基づくもので、31か国が参加する予定である。チェックは2018年末まで継続され、検査結果は2019年第4四半期に公開される予定である。

<参考資料>

https://echa.europa.eu/-/inspectors-begin-controls-of-classification-and-labelling-of-mixtures(英語)
https://echa.europa.eu/about-us/who-we-are/enforcement-forum(英語)
https://www.stis.co.jp/service/ghs_sds.html(日本語)

■日本

2018年3月31日
政府向け及び事業者向けGHS分類ガイダンスの改訂

<概要>

  政府向け及び事業者向けGHS分類ガイダンス「平成25年度改訂版(Ver.1.0)」について、「JIS Z 7252:2014」を反映して改訂され、「平成25年度改訂版(Ver1.1)」が公表された。

  今回の改訂は、「平成25年度改訂版(Ver.1.0)」が「JIS Z 7252: 2014」の改訂作業中に策定されたため、一部反映されていない部分があったことから加筆・修正されている。

<参考資料>

http://www.meti.go.jp/policy/chemical_management/int/ghs_tool_01GHSmanual.html(日本語)
https://www.stis.co.jp/service/ghs_sds.html(日本語)

■カナダ

2018年4月4日
有害製品規則の有害成分濃度に関する表示方法を改正

<概要>

  カナダ政府は、有害製品規則(Hazardous Products Regulations、HPR)の有害成分濃度に関する表示方法を改正した。(Amending the HPR: SOR/2018-68)。これは企業のCBIを考慮したもので、企業は有害成分の濃度値を保護するために、SDSに規定の濃度範囲で表示することができる。

  13段階の表示が可能になる。

  (a) from 0.1 to 1%、(b) from 0.5 to 1.5%、(c) from 1 to 5%、(d) from 3 to 7%、(e) from 5 to 10%、(f) from 7 to 13%、(g) from 10 to 30%、(h) from 15 to 40%、(i) from 30 to 60%、(j) from 45 to 70%、(k) from 60 to 80%、(l) from 65 to 85%、(m) from 80 to 100%.

<参考資料>

http://gazette.gc.ca/rp-pr/p2/2018/2018-04-18/html/sor-dors68-eng.html(英語)
https://www.stis.co.jp/service/ghs_sds.html(日本語)

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第3回 「マイクロプラスチック・マイクロビーズ等」  new

はじめに

  新シリーズの第3回目では、マイクロプラスチック・マイクロビーズに関連したトピックスとして、欧州各国における規制動向について、また、フタル酸エステル類、ペルフルオロ化合物の規制動向等、その他にGHS分類に関連した各国の法規制動向を紹介します。

  • マイクロプラスチック・マイクロビーズ
  • フタル酸エステル類
  • ペルフルオロ化合物
  • その他:GHS分類に関連した各国の法規制動向

1.マイクロプラスチック・マイクロビーズ

1)欧州

■ECHAはマイクロプラスチックに関する情報を収集
   2018年3月1日

<概要>

  欧州化学物質庁(ECHA)は意図的に添加されたマイクロプラスチックについて、使用等が制限された場合の影響を評価するための情報収集を開始した。

  特に、マイクロプラスチック粒子の使用状況、代替品の検討状況、マイクロプラスチックを意図的に添加した製品を制限した場合のコスト等への影響について情報提供を呼び掛けている。
  期限は、2018年5月11日とされている。

  なお、マイクロプラスチックについて、水に不溶性の合成ポリマーで、粒子径は5mm以下のものと定義している。

<参考資料>

・Call for evidence on possible restriction of microplastics
https://echa.europa.eu/-/call-for-evidence-on-possible-restriction-of-microplastics(英語)

2)欧州各国の動向

(1)ノルウェー

■人工芝から放出されるマイクロプラスチックの排出削減を検討
   2018年2月19日

<概要>

  ノルウェーの気候・環境大臣(Minister of Climate and Environment)は、人工芝から放出されるマイクロプラスチックの拡散を減らすための法規制案の作成を環境部に要請した。

  人工芝を構成するゴム顆粒はマイクロプラスチックの排出源として懸念されている。
  ノルウェーには約1600の人工芝トラックがあり、そのほとんどが自動車タイヤを原料とした再生ゴム顆粒により製造された人工芝を使用している。これらは滑り防止とともに、足や膝への負荷軽減による怪我に対するリスク軽減を目的としている。

  一方で、ゴム顆粒による環境問題が懸念されることから、ノルウェー環境局は、ゴム顆粒が工場から外部に漏出しないような対策や、屋外施設やその周辺環境の整備、また、人工芝について、河川等の水域における脆弱な生態系を考慮した特別な規制要件の設定等を検討している。

<参考資料>

・Kommer krav for ? redusere utslipp av mikroplast fra kunstgressbaner
https://www.regjeringen.no/no/aktuelt/kommer-krav-for-a-redusere-utslipp-av-mikroplast-fra-kunstgressbaner/id2590070/(ノルウェー語)

■道路で発生するマイクロプラスチックに関する報告書
   2018年4月4日

<概要>

  ノルウェー環境庁(NEA)は、道路で発生するマイクロプラスチックを回収し、排水路への侵入を防止するための対策について報告書を公表した。

  道路で発生するダストは、タイヤのゴム、道路のアスファルト舗装を補強するために使用されるポリマー、道路標識等のマーキング塗料に使用される熱可塑性エラストマーに由来するマイクロプラスチック粒子である。
  これらの大部分は、降雨により道路および道路周辺から流出し、家庭用の排水処理場に流入すると考えられるが、現在の処理施設では、マイクロプラスチックを除去することは困難である。

  今後、これらの施設に流入する道路雨水中のマイクロプラスチック量、排水処理場における処理量や除去メカニズム等について、より詳細に検討する必要がある。

<参考資料>

・Microplastics in road dust ? characteristics, pathways and measures (Publications News)
http://www.miljodirektoratet.no/no/Publikasjoner/2018/April-2018/Microplastics-in-road-dust--characteristics-pathways-and-measures/(英語)
・Microplastics in road dust ? characteristics, pathways and measures (Report)
http://www.miljodirektoratet.no/Documents/publikasjoner/M959/M959.pdf(英語)

(2)スウェーデン

■化粧品およびその他の化学製品におけるマイクロプラスチックに対する政府の役割について
   2018年2月18日

<概要>

  スウェーデン化学物質庁(KEMI)は、化粧品およびその他の化学製品におけるマイクロプラスチックに対する政府の役割に関する報告書を公表した。

  2018年2月1日、スウェーデン政府は、リンスオフ(使用後に洗浄するタイプ)化粧品やパーソナルケア製品へのマイクロプラスチックの使用を禁止したが、この法規制はすべてのマイクロプラスチックをカバーするものではない。
  スウェーデンの水環境を保護するためには、さらに規制を強化する必要性について、他の化学製品中のマイクロプラスチックに関する調査が必要である。また、化粧品や化学製品におけるマイクロプラスチックに関する規制は、欧州レベルで行われるべきであり、環境への懸念について、国家における制限を撤廃して、欧州域の課題として制限エリアを拡大することを提案している。

  また、マイクロプラスチックの評価について、現在マイクロプラスチックは5mm以下の水に不溶な固体プラスチック粒子と定義されているが、化粧品や化学製品に用いられているポリマーに関する情報が不足しており、特に、ポリマーの組成、化学的性質、水への溶解性およびサイズ等の特性に関する情報を収集し、規制すべきポリマー、代替となり得るポリマー等を的確に評価すべきである。

  スウェーデンで販売されている化粧品からは、年間0.2〜4.4トンのマイクロプラスチックが水環境に排出され、排水処理プラントにおいて汚泥等で処理されている。従って、土壌、汚泥等におけるマイクロプラスチックの挙動等、排水処理プラントにおいてマイクロプラスチックに何が生じているのか等、さらなる研究が必要である。

  スウェーデン化学品庁は、特に、製品に使用されるマイクロプラスチックの情報について、産官学が連携して、さらに情報を収集し自主的なマイクロプラスチックの代替促進等を積極的に推進する予定である。

<参考資料>

・Mikroplast i kosmetiska produkter och andra kemiska produkter. Rapport fr?n ett regeringsuppdrag
https://www.kemi.se/global/rapporter/2018/rapport-2-18-mikroplast-i-kosmetiska-produkter-och-andra-kemiska-produkter.pdf(スウェーデン語)

(3)デンマーク

■飲料水中のマイクロプラスチック測定法を開発
   2018年1月22日

<概要>

  デンマークの環境エネルギーセンターは、飲料水中のマイクロプラスチックを分析できる信頼性の高い方法を開発した。

  装置はサンプリング装置と分析装置から構成されている。
  サンプリング装置には、目開き20μmのステンレス製メッシュフィルターが取り付けられており、マイクロプラスチックをろ過・採取する。
  その後、加熱や洗浄により不純物を取り除き、顕微鏡による色やサイズの分析とフーリエ変換赤外分光光度計(Fourier transform infrared spectrometer、FT-IR)を用いた、FT-IRスペクトルによる粒子の成分分析(プラスチック、セルロース、タンパク質、金属等)を実施する。
  これらの組み合わせにより、目的とするマイクロプラスチック粒子のみの測定を可能にしている。

<参考資料>

・Nu unders?ges drikkevand for mikroplast
http://mst.dk/service/nyheder/nyhedsarkiv/2018/feb/nu-undersoeges-drikkevand-for-mikroplast/(デンマーク語)
・Forslag til m?lemetode til brug for unders?gelser af mikroplast i taphanevand
http://dce.au.dk/fileadmin/dce.au.dk/Udgivelser/Notater_2018/Notat_DCE_Maalemetode_mikroplast_i_taphanevand.pdf(デンマーク語)

■マイクロプラスチックは地下水を汚染しない
   2018年4月23日

<概要>

  デンマーク環境庁は、マイクロプラスチックスの地下水汚染に対する影響について、危険性は低いという新たな試験結果を公表した。

  4か所の掘削地点から収集された地下水10サンプルをFT-IR法で分析した結果、1サンプルを除いて、すべてサンプルにおいてマイクロプラスチックが検出された。
  しかし、サンプル容量とマイクロプラスチックの数が比例しないことや、対照サンプル(脱イオン水)や空フィルターからも検出されており、今回のサンプルから検出されたマイクロプラスチックは、地下水中に存在することを示唆するものではなく、報告書ではサンプリングおよびサンプル処理の段階で、大気中から混入した可能性が最も高いと結論している。

<参考資料>

・Usandsynligt at mikroplast forurener grundvandet
http://mst.dk/service/nyheder/nyhedsarkiv/2018/apr/usandsynligt-at-mikroplast-forurener-grundvandet/(デンマーク語)
・Mikroplast i grundvand - En vurdering af potentialet for forekomst af mikroplast i dansk grundvand
http://mst.dk/media/148257/bilag-3-notat-mikroplast-i-grundvand.pdf(デンマーク語)

(4)北アイルランド

■マイクロビーズを含むリンスオフタイプのパーソナルケア製品の製造・販売禁止(案)
   2018年5月10日

<概要>

  2018年9月から、マイクロビーズを含むリンスオフ(使用後に洗浄)タイプのパーソナルケア製品の製造・販売を禁止する法規制(案)が公表された。

  英国(ウェールズ、イングランド、スコットランド、北アイルランド)では、2018年6月末までにマイクロビーズの禁止を目標としており、イングランドでは、2018年1月に製造が禁止され、6月に販売も禁止、ウェールズ、スコットランドでも、2018年6月に製造および販売が禁止される。(第1回コラム欄を参照)

  この規則では、マイクロビーズは5 mm以下の水に不溶な固体プラスチック粒子と定義されている。

<参考資料>

・The Environmental Protection (Microbeads) (Northern Ireland) Regulations 2018
http://ec.europa.eu/growth/tools-databases/tris/en/search/?trisaction=search.detail&year=2018&num=205(英語)
・特定化学物質規制の現状と課題、第1回(日本語)
http://chemical-net.env.go.jp/column_kizuki_uwagawa_onishi.html#VOL1(日本語)

(5)ルーマニア

■使い捨てプラスチック製レジ袋の禁止に関する法律
   2018年4月10日

<概要>

  ルーマニアでは、プラスチック製レジ袋の使用制限と取扱いに関する法律(No. 87/2018)が2018年4月に公示された。
  これは、包装および包装廃棄物の取扱いに関する法律(No. 249/2015)を改正するもので、レジ袋の利用削減に関するEUの包装および包装廃棄物に関する指令(欧州議会・理事会指令94/62/ECを改定した欧州議会・理事会指令2015/720)を国内法に移行したものである。
  薄いレジ袋の流通が2018年6月1日から禁止され、2019年1月1日から販売が禁止される。

  ルーマニアでは、環境省の環境保護に関する緊急法案(2005年195号)により、2009年1月1日から非再生資源で製造されるプラスチック袋が有料化している。
  さらに、今回の改正により、プラスチック製レジ袋の配布が禁止され、再利用可能もしくは生分解性プラスチック袋の利用促進が図られる。

<参考資料>

・環境保護のためレジ袋の取り扱いを規制
https://www.jetro.go.jp/biznews/2018/05/f8fe620b989dc185.html(日本語)
・New Regulations Govern Plastic Bags
https://stratulat-albulescu.ro/new-regulations-govern-plastic-bags/(英語)
・Directive (EU) 2015/720 of the European Parliament and of the Council of 29 April 2015 amending Directive 94/62/EC as regards reducing the consumption of lightweight plastic carrier bags
https://eur-lex.europa.eu/legal-content/EN/TXT/?uri=celex%3A32015L0720(英語)

3)その他

■インド:マハラシュトラ州がプラスチック製品規制を公表
   2018年3月23日

<概要>

  マハラシュトラ州は、非生分解性ゴミ(管理)法に基づき、非生分解性廃棄物を生じるプラスチックやポリスチレン(Thermocol)製の製品の製造、使用、販売、保管、輸送に関する法規制を承認した。

  プラスチックの使用と廃棄が、埋立地、水系、自然環境でのプラスチックの蓄積、野生動物のプラスチックの摂食、絡み合いによる物理的問題、プラスチックからの化学物質の浸出、野生生物やヒトへの移行の可能性を増加させている。
  本規制により、食器、ストロー、袋、包装容器等のプラスチックおよびポリスチレン製の使い捨て製品が禁止され、また、装飾用のプラスチックおよびポリスチレン製品の使用も禁止される。
  ただし、以下の用途については適用除外とされている。

・高品質のビスフェノールAが入っていない新しい材料から作られた0.5L以上のPETボトルおよびミルク包装用の厚さ50ミクロン以上の食品用品

・医薬品の包装用

・園芸、農業、廃棄土壌用の堆肥化可能なプラスチック

・製造段階での包装用および製造に不可欠な場合でリサイクルや再使用を印刷したもの

・輸出用のプラスチックやプラスチック袋の製造

<参考資料>

・Notification No. Plastic-2018/CV.R. No.24/TC-4
http://mpcb.gov.in/images/pdf/plastic_27032018.pdf(ヒンディー語)

2.フタル酸エステル類

1)米国

■フタル酸エステル類を含む子供玩具、子供用ケア製品の禁止
   2018年1月26日

<概要>

  消費者製品安全改善法(Consumer Product Safety Improvement Act、CPSIA)(2017年8月30日)において、0.1%を超える下記のフタル酸エステル類を含む子供玩具、子供用ケア製品が禁止されているが、新たに3物質が追加され、合わせて8種類のフタル酸エステル類が禁止される。

・diisobutyl phthalate (DIBP; CAS No. 84-69-5),
・di-n-pentyl phthalate (DnPP or DPENP; CAS No. 131-18-0),
・di-n-hexyl phthalate (DnHP or DHEXP; CAS No. 84-75-3),
・dicyclohexyl phthalate (DCHP; CAS No. 84-61-7),
・diisononyl phthalate (DINP; CAS NO. 28553-12-0, 68515-48-0),
・di(2-ethylhexyl) phthalate (DEHP; CAS NO. 117-81-7),
・dibutyl phthalate (DBP; CAS No. 84-74-2),
・butyl benzyl phthalate (BBP; CAS No. 85-68-7)

<参考資料>

・Prohibition of Children’s Toys and Child Care Articles Containing Specified Phthalates: Revision of Determinations Regarding Certain Plastics
https://www.gpo.gov/fdsys/pkg/FR-2018-01-26/pdf/2018-01451.pdf(英語)

2)欧州

■DINPを生殖毒性1Bに分類せず
   2018年3月16日

<概要>

  ECHA(欧州化学品庁)のリスクアセスメント委員会は、ジイソノニルフタル酸エステル(DINP)は、CLP規則の生殖影響に該当しないと結論付けた。

  2015年2月、デンマークは、DINPの生殖毒性1Bへの分類を提案していたが、今回、リスクアセスメント委員会は、CLP規則のルールに従って厳密な有害性評価を行い、有害影響の証拠がないことが示されたとして、分類を要求しなかった。

<参考資料>

・DINP ? ECHA RAC concludes no classification required
http://www.europeanplasticisers.eu/mediaroom/dinp-echa-rac-concludes-no-classification-required/(英語)
・Annex to a news release RAC adopted and SEAC agreed on one restriction proposal. SEAC adopted two restriction proposals.
https://echa.europa.eu/documents/10162/23821863/nr_annex_rac_seac_march.pdf/fcc9fe3c-1221-93ad-0fe0-e5772436e97c(英語)

■プラスチック玩具中の化学物質に関する調査結果
   2018年3月

<概要>

  プラスチック製玩具中の化学物質に関係するリスクに焦点を当てた欧州加盟国による合同市場調査について、その結果が公表された。

  分析対象物質は、11種類のフタル酸エステル類、短鎖塩素化パラフィン(SCCP)、8種類の多環芳香族炭化水素(PAHs)、ビスフェノールA(BPA)、鉛、カドミウム、有機スズである。鉛、カドミウム、有機スズは移行について、その他は含量について調査した。

  対象の玩具は、プラスチック製人形(48%)、風呂用またはSlimのような柔らかい玩具(27%)、プラスチック製の本(13%)、膨らますことのできる玩具(12%)の4種類に分けられ、合計225サンプルを分析した。
  その結果、

・鉛、カドミウム、有機スズおよびPAHsについては法規制に違反しているものは認められなかった。

・フタル酸エステル類については18%が、SCCPは3.9%が、BPAでは10%が法規制に違反していた。

・フタル酸エステル類の中で、主にDEHPとDINPがそれぞれの限度値を超えていた。

・49サンプルで法規制が認められ、違反した玩具の71%について販売が禁止され、さらにその内の25%で回収が命じられた。

<参考資料>

・Final Technical Report CHEMICAL RISKS IN PLASTICISED TOYS
http://www.prosafe.org/images/Documents/JA2015/Reports/PROSAFE_Final_Technical_Report%20_TOYS-JA2015_09.04.2018.pdf(英語)

■ジシクロヘキシルフタル酸エステルをSVHCに追加
   2018年4月17日

<概要>

  欧州委員会は、ジシクロヘキシルフタル酸エステル(DCHP、CAS No 84-61-7 )について、生殖毒性および内分泌かく乱性であることから、SVHC(高懸念物質)候補リストに掲載することを決定し、DCHPをSVHCとして特定することに関する委員会実施決定(EU)2018/636を発布した。

  DCHPはCLPの生殖毒性区分1Bに分類されている。また、その内分泌かく乱特性によってヒト健康に重大な影響を及ぼす可能性がある。

<参考資料>

・Commission Implementing Decision (EU) 2018/636 of 17 April 2018 on the identification of dicyclohexyl phthalate (DCHP) as a substance of very high concern according to Article 57(c) and (f) of Regulation (EC) No 1907/2006 of the European Parliament and of the Council (notified under document C(2018) 2167)
https://eur-lex.europa.eu/legal-content/EN/TXT/?uri=uriserv:OJ.L_.2018.105.01.0025.01.ENG&toc=OJ:L:2018:105:TOC(英語)

3.ペルフルオロ化合物

1)米国

■カリフォルニア州:カーペット等家具中のPFASsに関する情報
   2018年2月15日

<概要>

  有害物質管理局(DTSC)は、カーペットおよび敷物中のペルフルオロアルキルおよびポリフルオロアルキル(PFASs)に関する製品や化学物質の含有量等の情報を公表した。
  報告書「カーペットおよび敷物中のペルフルオロアルキルおよびポリフルオロアルキル(PFASs)に関する製品や化学物質のプロファイル」

  DTSCは、PFASsを含むカーペットや敷物を優先的にリスク評価することを提案している。

<参考資料>

・Product-Chemical Profile for Perfluoroalkyl and Polyfluoroalkyl (PFASs) in Carpets and Rugs (Comment Period Detail)
https://calsafer.dtsc.ca.gov/cms/commentpackage/?rid=12738(英語)
・Product-Chemical Profile for Perfluoroalkyl and Polyfluoroalkyl (PFASs) in Carpets and Rugs (Report)
http://dtsc.ca.gov/SCP/upload/Product-Chemical-Profile-PFAS-Carpets-and-Rugs.PDF(英語)

■ワシントン州:食品接触材と泡消火剤等のPFAS禁止法(案)
   2018年3月14日

<概要>

  ワシントン州議会は、食品接触材および泡消火剤と消防用個人防護装置中のPFASsの禁止法案(2法案)を承認した。
  食品接触材は2022年1月から、泡消火剤と消防用個人防護装置は2020年7月からPFASsが禁止される予定である。PFASsは全てフルオロ化された炭素を少なくとも一つ含むフルオロ化有機化学物質と定義されている。

  食品接触材用途については、生態環境局が代替品の評価を2020年1月までに公表する予定である。

  安全な代替品が見つからない場合は再評価を実施し、毎年1月に評価結果を公表する予定であり、安全な代替品が確認されるまで施行が延期され、確認された2年後から禁止される。

  2018年7月から訓練用のPFASs含有泡消火剤の使用禁止が予定され、消防用個人防護装置の製造業者と販売業者はPFASsを含んでいることを購入者に文書で通知し、通知文書を3年間保管しなければならない。ただし、化学工場および石油精製施設用等の連邦法において定められた用途については除外されている。

<参考資料>

・HB 2658 Relating to the use of perfluorinated chemicals in food packaging
http://lawfilesext.leg.wa.gov/biennium/2017-18/Pdf/Bills/House%20Passed%20Legislature/2658-S.PL.pdf(英語)
・SB 6413 Relating to reducing the use of certain toxic chemicals in firefighting activities
http://lawfilesext.leg.wa.gov/biennium/2017-18/Pdf/Bills/Senate%20Passed%20Legislature/6413-S.PL.pdf(英語)

2)欧州

■ノルウェー:PFHxSの調査結果を公表
   2018年2月

<概要>

  ノルウェー環境局は、PFHxSに関する情報調査を実施した。
・perfluorohexane sulfonic acid (PFHxS; CAS No. 355-46-4)
・perfluorohexane sulfonyl fluoride (PFHxSF; CAS No. 423-50-7)

  PFHxSは、PFOSやPFOAほど注目されていないが、PFOSよりも難分解性で、長距離輸送能があり、さらにヒトでの蓄積性が高い。
  PFHxSのばく露経路は多様であり、世界中のヒトや環境中から検出されている。
  ノルウェーは、これらに基づき、2017年7月にPFHxSおよびその塩と関連物質をストックホルム条約の難分解有機汚染物質の候補に指定した。

  一方、PFHxSおよびその塩に関する製造、使用および放出に関する情報は少ない。
  工業加工プロセスから意図しない不純物として検出され、消火泡、食品接触紙、防水剤、洗浄及び研磨剤中に存在している。PFHxSFはPFHxSの原料である。

  ノルウェーは、ストックホルム条約で規制するために、特に環境の汚染源の調査結果を得るために、PFHxSの世界的な製造とその使用に関する利用可能な情報を調査した。

<参考資料>

・Investigation of sources to PFHxS in the environment
http://www.miljodirektoratet.no/Documents/publikasjoner/M961/M961.pdf(英語)

4.その他の情報(GHSに関連した法規制動向)

■台湾:危害性化学品標示及通識規則の改正(案)
   2018年3月29日

<概要>

  危険有害化学品の分類・表示に関する「危害性化学品標示及通識規則」の改正案が公表された。

・廃棄物処理に関連する法律や規制において、有害な事業廃棄物や一般的な事業廃棄物を含む事業廃棄物の表示等が規定されているため、事業廃棄物への適用を除外する。(改正第4条)

・有害化学物質の表示と分類の関連規定を修正する。(改正第5条)

・製造業者、輸入業者または供給業者が提供する安全性データシート(SDS)の内容、使用される書式およびテキスト等を修正する。(改正第13条)

・有害化学物質について、CAS番号の記載が追加される。(改正第18条)

・労働安全衛生法を考慮し、サプライチェーン上流の製造業者は川下の製造業者に危険有害化学物質の情報を提供し、危険を防止対策する責任がある。(改正第18条一)

<参考資料>

・法規制:預告修正「危害性化學品標示及通識規則」部分條文及第十二條附表四草案(勞職授字第1070200435號)
https://ghs.osha.gov.tw/CHT/intro/AnnounceData3Detail.aspx?id=319(中国語)
https://www.stis.co.jp/service/ghs_sds.html(日本語)

■欧州:CLP規則の第11次ATPを公布
   2018年5月4日

<概要>

  欧州委員会は、CLP規則の第11次ATP(adaptation to technical and scientific progress、技術的・科学的進歩への適合)を公布した。
  CLPのAnnex VIについて、CLP分類(harmonized classification)、Hコード(hazard statement code)、Pコード(pictogram, signal word code)が改訂されている。2019年12月1日から適用される。

<参考資料>

・Commission Regulation (EU) 2018/669 of 16 April 2018 amending, for the purposes of its adaptation to technical and scientific progress, Regulation (EC) No 1272/2008 of the European Parliament and of the Council on classification, labelling and packaging of substances and mixtures.
http://eur-lex.europa.eu/legal-content/EN/TXT/?uri=uriserv:OJ.L_.2018.115.01.0001.01.ENG&toc=OJ:L:2018:115:TOC(英語)
https://www.stis.co.jp/service/ghs_sds.html(日本語)

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