━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 化学物質国際対応ネットワークマガジン 第110号 http://chemical-net.env.go.jp/ 2021/2/25配信 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ このメールマガジンは、化学物質国際対応ネットワークのウェブサイトから 配信登録をされた方を対象にお送りしています。 第110号は、以下の内容をお送りいたします。
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【1】欧州における最新動向 |
【2】米国における最新動向 |
【3】カナダにおける最新動向 |
【4】SAICMにおける最新動向 |
【5】あとがき |
───────────────────────────────────── 【1】欧州における最新動向 ECHAが2013年に発表したSVHCロードマップの成果を公表 欧州化学物質庁(ECHA)は、2021年2月4日、「SVHC2020ロードマップ」の 成果をまとめた文書(全4ページ)を発行しました。このロードマップは、2013年に 発表され、2020年が期限となっていました。 SVHCロードマップの目標は、高懸念物質(SVHC)を全て特定し、2020年までに 認可対象物質候補リストに含めることでした。その結果、当該候補リストには現在 211の物質が含まれています。また、ロードマップでは、懸念される新規化学物質を 効率的に特定することも目的としていました。 EU加盟国とECHAは、REACH規則 に基づいて登録された化学物質情報を体系的にスクリーニングしています。2020年末 までに、加盟国は潜在的に懸念される約220の化学物質について規制管理オプション 分析(RMOA)を実施し、その約80%に対してさらなる規制措置の必要性を特定しました。 ECHA NEWS(英語) https://echa.europa.eu/-/roadmap-to-address-substances-of-very-high-concern-complete ECHA SVHC2020ロードマップ 成果文書(英語) https://echa.europa.eu/documents/10162/19126370/svhc_roadmap_2020_achievements_en.pdf/ea2249db-bf03-a3ed-e3dd-42a2dcce05db ───────────────────────────────────── 【2】米国における最新動向 (1)OSHAが危険有害性周知基準(HCS)をGHS改訂第7版への移行を提案 米国労働安全衛生局(OSHA)は、2021年2月16日、危険有害性周知基準 (Hazard Communication Standard:HCS)を改正することを発表しました。HCS は現在GHS改訂第3版に準拠していますが、今回の改正によりGHS改訂第7版に 移行することになります。 改定案は現在パブリックコメント中であり、期限は2021年4月19日までとなって います。 OSHA 通知(英語) https://www.osha.gov/hazcom/rulemaking 連邦政府ジャーナル(英語) https://www.federalregister.gov/documents/2021/02/16/2020-28987/hazard-communication-standard (2)過去4年間にTSCAプログラムで発行された政策及び規制の撤回・見直しに関 する大統領令を発表 2021年1月20日に就任したバイデン米国大統領は、同日、米国環境保護庁 (EPA)やその他の連邦政府機関に対して、2017年1月20日から2021年1月20日 までの過去4年間に改正有害化学物質規制法(TSCA)プログラムの中で発行され た政策及び規制の撤回あるいは見直しを検討するよう大統領令(「公衆衛生及び環境 を保護し気候危機に取り組むための科学の回復に関する大統領令」)を発表しまし た。この期間中に、2016年6月に施行された改正TSCAの中核的な手続きルールの 策定や特定の物質に対する複数の決定を下してきたため、この大統領令は、個々の化 学物質管理のみならず、米国全体の化学物質管理スキームを強化する可能性が考えら れます。 この大統領令に基づく各連邦政府機関のアクションリストには約50のアクションが 整理されていますが、その中で改正TSCAに関する内容は以下の9件となります。 1.改正TSCA第6条(h) 難分解性、生物蓄積性、毒性を持つ化学物質の規制に基 づくヘキサクロロブタジエン(HCBD)の管理ルール(2021年1月6日決定) 2.改正TSCA第6条(h) 難分解性、物蓄積性、毒性を持つ化学物質の規制に基づ くペンタクロロツィオフェノール(PCTP)の管理ルール (2021年1月6日決定) 3.改正TSCA第6条(h) 難分解性、生物蓄積性、毒性を持つ化学物質の規制に基 づくフェノール、イソプロピル化リン酸塩(3:1)(PIP 3:1)の管理ルール(2021年 1月6日決定) 4.改正TSCA第6条(h) 難分解性、生物蓄積性、毒性を持つ化学物質の規制に基 づくデカブロモジフェニルエーテル(DecaBDE)の管理ルール(2021年1月6日決 定) 5.改正TSCA第6条(h) 難分解性、生物蓄積性、毒性を持つ化学物質の規制に基 づく2,4,6-トリス(tert-ブチル)フェノール(2,4,6-TTBP)の管理ルール(2021年1 月6日決定) 6.改正TSCAに基づく塩化メチレン(MC)の最終リスク評価結果(2020年6月 24日決定) 7.改正TSCA第6条(h) 難分解性、生物蓄積性、毒性を持つ化学物質の規制 (2019年7月29日決定) 8.改正TSCA第6条(a)の下での消費者使用のための塗料およびコーティング除 去の規制に基づく塩化メチレンの管理ルール(2019年3月27日決定) 9.改正TSCAに基づく化学物質リスク評価の手続き (2017年7月20日決定) 米国連邦政府 大統領令(英語) https://www.whitehouse.gov/briefing-room/presidential-actions/2021/01/20/executive-order-protecting-public-health-and-environment-and-restoring-science-to-tackle-climate-crisis/ 米国連邦政府 各連邦政府機関のアクションリスト(英語) https://www.whitehouse.gov/briefing-room/statements-releases/2021/01/20/fact-sheet-list-of-agency-actions-for-review/ ───────────────────────────────────── 【3】カナダにおける最新動向 保健省が危険有害性製品規則(HPR)をGHS改訂第7版への移行を提案 カナダ保健省(Health Canada)は、2020年12月19日、現在国連GHS改訂第5 版に準拠している危険有害性製品規則(HPR)を、GHS改訂第7版へ移行して改正 する提案を行いました。このGHS改訂第7版への移行は、カナダ・アメリカ合衆国 規制協力会議(RCC)の規制協力声明に基づいた改正になります。 改定案は現在70日間のパブリックコメントが実施され、その期限は2月27日まで です。 カナダ政府 官報(英語) https://gazette.gc.ca/rp-pr/p1/2020/2020-12-19/html/reg4-eng.html カナダ・アメリカ合衆国規制協力会議(RCC) https://www.canada.ca/en/health-canada/corporate/about-health-canada/legislation-guidelines/acts-regulations/canada-united-states-regulatory-cooperation-council.html ───────────────────────────────────── 【4】SAICMにおける最新動向 ICCM5の更なる開催延期 2021年1月27日に開催されたSAICMビューロー会合は、2021年7月に開催予 定であった第5回国際化学物質管理会議(ICCM5)の対面式の開催をさらに延期する ことを発表しました。ICCM5では、現行のSAICMが2020年で期限を迎えたことを 踏まえて、次期枠組み(ポストSAICM)を協議・決定する予定です。 ICCM5は当初は2020年10月にボン(ドイツ)で開催される予定でしたが、新型 コロナウイルスの感染拡大の影響により延期されており、今回の延期 は2回目の延期となります。 なお、ICCM5に向けて次期枠組みについて協議する予定であった第4回会期間会 合(IP4)についても延期されることが発表されています。 SAICM事務局 発表(英語) http://www.saicm.org/Portals/12/Documents/Messages/2021-02-01_SAICM-message-to-stakeholders.pdf ───────────────────────────────────── 【5】あとがき 本号では、欧州、米国、カナダ、SAICMの最新動向について紹介いたしました。 読者の皆さまより、記事内容に関するご意見、ご要望を募集しております。下記の 「お問い合わせ」のページからお寄せください。 どうぞよろしくお願いいたします。 http://chemical-net.env.go.jp/contact.html ───────────────────────────────────── ■本マガジンは、令和2年度環境省請負業務に基づき、一般社団法人海外環境協力 センターが運営しております。 一般社団法人海外環境協力センター(OECC) http://www.oecc.or.jp/ 環境省大臣官房環境保健部 http://www.env.go.jp/chemi/index.html 化学物質審査規制法ホームページ(環境省化学物質審査室) http://www.env.go.jp/chemi/kagaku/index.html ■原則として、隔月で配信を予定しています。 メールの配信については、回線上の問題(メールの遅延、消失)等により 届かなかった場合の再送は行いませんので、予めご承諾の上、ご利用ください。 ■化学物質国際対応ネットワークマガジンバックナンバーは、下記ウェブサイトを 御覧ください。 http://chemical-net.env.go.jp/mailmg_bn.html ■本メールマガジンの配信停止・配信先e-mailアドレスの変更およびご意見・ご要望 等は、以下のウェブサイトよりご連絡ください。 http://chemical-net.env.go.jp/contact.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 発行元:一般社団法人海外環境協力センター ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━