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メールマガジン

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     化学物質国際対応ネットワークマガジン 第112号
          http://chemical-net.env.go.jp/
              2021/11/8配信
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このメールマガジンは、化学物質国際対応ネットワークのウェブサイトから
配信登録をされた方を対象にお送りしています。

第112号は、以下の内容をお送りいたします。
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【1】欧州における最新動向
【2】米国における最新動向
【3】中国における最新動向
【4】ニュージーランドにおける最新動向
【5】国連における最新動向
【6】関係団体主催セミナーのご案内
【7】あとがき
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【1】欧州における最新動向

(1)ECHAがSCIP収載データを公表

 欧州化学物質庁(ECHA)は、2021年9月14日、SCIP収載のデータを公表しました。
SCIP(Substances of Concern In articles as such or in complex objects
(Products))は、サプライチェーンに情報伝達する成形品中の化学物質を管理し、
成形品内の有害化学物質の含有量を低減させていくことを目的に立ち上げられた、
成形品中に含まれる高懸念物質(SVHC)に関するデータベースです。2021年1月5日
以降に欧州に上市する成形品中のSVHC含有量が0.1wt%を超える場合は、事業者は
そのSVHCデータをSCIPデータベースにおいて提出することが義務付けられています。
 ECHAは、昨年10月28日からSCIPデータベースにおいて事業者がデータを提出できる
ようにしていましたが、今回、ECHAは、SCIP データベースに含まれる事業者提出
データを公開しました。現在(2021年10月)、600万を超えるデータが閲覧できる
ようになりました。データは、事業者名、ブランド名、成型品カテゴリー、及び
含有SVHC等で検索が可能になっています。
このデータは、消費者が成形品に有害化学物質が含まれているかどうかを確認し、
その安全な使用手順を読むことによって、その情報に基づいた選択を行うのに
役立ちます。また、廃棄物処理業者は、データを使用して、商品の再利用を促進し、
リサイクルプロセスをさらに開発することができるようになります。

ECHA NEWS(英語)
https://echa.europa.eu/-/know-more-about-hazardous-chemicals-in-products-scip-data-published

SCIPデータベース(英語)
https://echa.europa.eu/scip-database

(2)ECHAが高懸念物質(SVHC)使用認可申請フォーマットを更新

 ECHAは、2021年9月15日、申請プロセスの効率、ドキュメントの一貫性の向上等を
目的に、事業者がREACH高懸念物質(SVHC)の使用認可を申請するためのフォーマット
を更新しました。
申請者は、これらのフォーマットをすぐに使用し始める必要があります。ただし、
申請内容が既に確定している場合、または申請内容が確定に近い状態にある場合は、
2021年末まで以前のフォーマットで申請を提出することができます。

ECHA NEWS(英語)
https://echa.europa.eu/-/updated-application-for-authorisation-formats

申請フォーマット(英語)
https://echa.europa.eu/applying-for-authorisation/preparing-applications-for-authorisation

(3)欧州委員会が欧州新化学物質戦略に基づくCLP規則改正案を発表

 欧州委員会は、2021年8月9日に、欧州新化学物質戦略に基づくCLP規則改正案を
発表しました。今年2021年5月7日に、REACH規則及びCLP規則の改正に向けた
ロードマップを公表しましたが、今回、そのロードマップに基づくCLP規則の
改正案を発表し、パブリック・コンサルテーションを開始しました。パブリック・
コンサルテーションは、2021年11月15日(現地ベルギー時間)に終了予定です。
 改正の背景として、本規則が科学技術の進歩や、市場、特にオンライン市場の
発展に追いついていない現状や、規則内容が曖昧で多様な解釈を可能にし、それが
円滑な市場を阻害し、人の健康と環境の保護が不十分になっている、としています。
なお、REACH規則の改正のパブリック・コンサルテーションは、2022年の第一四半期に
予定されています。

欧州委員会 News(英語)
https://ec.europa.eu/environment/news/chemicals-commission-launches-public-consultation-revision-central-piece-chemicals-legislation_en

REACH及びCLP改正に向けたロードマップ(英語)
https://ec.europa.eu/environment/news/chemicals-strategy-commission-publishes-roadmaps-revision-reach-and-clp-2021-05-07_en" target="_blank

欧州化学物質新戦略(英語)
https://ec.europa.eu/environment/strategy/chemicals-strategy_en

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【2】米国における最新動向

(1)EPAが包括的なPFASロードマップを公表

 米国環境保護庁(EPA)は、2021年10月18日、全州におけるパーフルオロアルキル
化合物及びポリフルオロアルキル化合物(PFAS)汚染に対処するための包括的な戦略
ロードマップを発表しました。このロードマップは、2021年から2024年までを期限と
したもので、以下の3つの指針戦略を軸として、EPA関係各部局における具体的行動が
スケジュールと共に計画されています。

1.調査(Research)
PFASへのばく露や毒性、人の健康や生態系への影響についての理解を深め、利用
可能な最善の科学を取り入れた効果的な介入を行うための研究、開発、
イノベーションに投資する。
2.制限(Restrict)
人の健康や環境に悪影響を及ぼすレベルのPFASが大気、土地、水に流入するのを
積極的に防ぐための包括的なアプローチを追求する。
3.回復(Remediate)
人間の健康と生態系を守るために、PFAS汚染の浄化を拡大・加速させる。

EPA News Release(英語)
https://www.epa.gov/newsreleases/epa-administrator-regan-announces-comprehensive-national-strategy-confront-pfas

PFASロードマップ(英語)
https://www.epa.gov/pfas/pfas-strategic-roadmap-epas-commitments-action-2021-2024

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【3】中国における最新動向

(1)生態環境部が「新規汚染物質行動計画(案)」を公表

 中国・生態環境部は、2021年10月11日、「新規汚染物質行動計画(案)」を公表
しました。この行動計画は、2021年3月に開催された全国人民代表大会(全人代)
において承認された「国民経済社会発展のための第14次5か年計画及び2035年までの
ビジョン」に基づき、2025年および2035年までにおける新規汚染物質対策の目的及び
具体的な課題・対策を明確にするためのものです。具体的には、2025年までに
PFOS等の新規汚染物質を含む化学物質の環境リスク管理のための健全な規制・
制度システムを確立すること、2035年までに新規汚染物質のより完全なガバナンスの
システムが確立され、新規汚染物質の環境リスクを管理する能力が大幅に強化され、
新規汚染物質の環境リスクが基本的に管理されるようになるという目標が立てられて
います。
具体的な行動イニシアチブとして、以下の6つが計画されています。
1.新規汚染物質に対する規制制度の改善と健全なガバナンス体制の確立
2.新規汚染物質のリスクプロファイルを把握するための調査・評価の実施
3.新規汚染物質の発生を防ぐ厳格な発生源管理
4.生産プロセス管理の強化と新規汚染物質の排出削減
5.エンド・オブ・パイプの強化と環境リスクの継続的な低減
6.実施保証の強化と包括的なガバナンスの基盤の強化
 
なお、本行動計画(案)のパブリックコメントは10月22日まででした。

中国・生態環境部 公告(中国語)
https://www.meescc.cn/zhxx/tzgg/202101/t20210129_819353.shtml

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【4】ニュージーランドにおける最新動向

(1)EPAがGHS改訂第7版に基づく分類技術ガイドを発行

 ニュージーランド環境保護庁(EPA)は、2020年10月29日に有害物質および新生物法
(HSNO法)においてGHS改訂第7版を導入し、今年2021年4月30日から施行しましたが、
その有害性分類技術ガイドが10月22日に発行されました。
 今回の改訂では、2025年4月30日までに4年間の移行期間が設定され、それまでに
全ての安全データシート(SDS)及びラベル、包装要件をGHS改訂第7版の分類要件に
従わせる必要があります。
 なお、EPAがHSNO法に基づく分類結果を掲載した化学物質分類情報データベース
「CCID」内の分類結果も、今回の改訂に基づきGHS改第訂7版に準拠した分類結果に
更新されています。

EPA 有害物質(有害性分類)通知2020(2020年10月29日、英語)
https://gazette.govt.nz/notice/id/2020-au4842

EPA 分類技術ガイド(英語)
https://www.epa.govt.nz/assets/Uploads/Documents/Hazardous-Substances/GHS2/Guide_to_Classifying_Hazardous_Substances_in_NZ.pdf

EPA 化学物質分類情報データベース(CCID)(英語)
https://www.epa.govt.nz/database-search/chemical-classification-and-information-database-ccid/

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【5】国連の最新動向

(1)UNECEがGHS改訂第9版を公表

 国連欧州経済委員会(UNECE)は、2021年9月14日に、GHS改訂第9版の英語版及び
フランス語版を公表しました。
今回の改訂では、主に以下の内容の改訂がありました。
1.第2.1章(爆発物)を改訂し、輸送時以外の爆発の危険性をより明確化
2.各章における判定論理の改訂
3.附属書 1の分類及び表示の概要表の改訂
4.附属書3の注意喚起語の改訂及び合理化
5.附属書9及び10の化学物質試験に関するOECDテストガイドラインへの参照の更新

 なお、国連公用語のその他4言語(アラビア語、中国語、ロシア語、スペイン語)の
バージョンは、今後順次公表予定となっています。

UNECEウェブサイト(英語)
https://unece.org/transport/standards/transport/dangerous-goods/ghs-rev9-2021

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【6】関係団体主催セミナーのご案内

ICPCA主催「OECD専門家による海外化学品法規制セミナー」(無料)

(一社)日本国際コンプライアンス推進認定協会(ICPCA)は、経済協力開発機構
(OECD)から講師を招聘してオンライン・セミナー(無料)を開催します。
セミナーの詳細、お申し込みにつきましては以下ウェブページよりご覧ください。

ICPCA セミナーウェブページ
https://www.icpca.org/2021/10/29/2021-11-30seminar-oecd-01/

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【7】あとがき

長らくお待たせいたしましたが、化学物質国際対応ネットワークメルマガ本年度第1号
を配信させていただきました。本号では、欧州、米国、中国、ニュージーランド、
国連(GHS)の最新動向、セミナーのご案内について紹介いたしました。
本年度も隔月の配信とさせていただきますが、皆様に有用な情報をご提供できるよう
努めてまいります。

読者の皆さまより、記事内容に関するご意見、ご要望を募集しております。
下記の「お問い合わせ」のページからお寄せください。
どうぞよろしくお願いいたします。
http://chemical-net.env.go.jp/contact.html

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■本マガジンは、令和3年度環境省請負業務に基づき、一般社団法人海外環境協力
 センターが運営しております。
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 環境省大臣官房環境保健部
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 化学物質審査規制法ホームページ(環境省化学物質審査室)
  http://www.env.go.jp/chemi/kagaku/index.html
■原則として、隔月で配信を予定しています。
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発行元:一般社団法人海外環境協力センター
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